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日本文学における古典と近代('18)

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主任講師
島内 裕子 (放送大学教授)
放送メディア
ラジオ
放送時間(2018年度)
第1学期:(日曜)10時30分~11時15分

講義概要

「古典と近代」という巨視的な視点を導入することで、日本文学の全体像を提示し、文学ジャンルや時代性、東西文学との交流や相互影響などを、トータルに把握することに力点を置く。このことによって、日本文学の生成と展開性を同時に把握する視点を持つことが、可能となる。日本文学の場合、いつの時代にも「古典と近代」が融合して、文学の創造が継続的に行われてきた。この点に着目することは、日本文学のみならず日本文化の本質への洞察を養うことにもなる。
※詳しくはシラバス

開設年度
2018年度
科目区分
コース科目(人間と文化コース(導入科目))
〔2009年度~2015年度〕共通科目(一般科目)
〔2008年度以前〕共通科目(一般科目)
科目コード
1740075
単位数
2単位
単位認定試験
試験日・時限
2018年度 第1学期:2018年7月31日(火曜)6時限(15時35分~16時25分)
単位認定試験
平均点
備考
 
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授業の目標

第一に、日本文学の輪郭を明確化し、文学創造の推進力が何であったかを理解する。第二に、日本文学の全体像を、文学ジャンルを縦糸とし、時代性を横糸として、自在に織り成された多様性として理解する。第三に、「古典と近代」が併存しつつ、諸外国や各地域との交流を実現してきた日本文学のあり方を、現代性と普遍性の両面から理解する。

履修上の留意点

これまで、放送大学における国文学関連科目は、さまざまな作品を深く読み込むことを基盤として、時代別やジャンル別など、多様性のある科目の配置を心がけてきた。時代別の科目として、古代の「『古事記』と『万葉集』('15)」、中世の「『方丈記』と『徒然草』('18)」、近世の「上田秋成の文学('16)」があり、原文講読に力点を置いて古典から近代までを扱う「日本文学の名作を読む('17)」がある。それらの科目との相互補完性を保ちつつ、日本文学の全貌を一望のもとに把握することを、本科目は目指している。また、広い視野からは、日本語科目や日本史科目、外国文学科目とも関連する。

シラバス

テーマ 内容 執筆担当講師名
(所属・職名)
放送担当講師名
(所属・職名)
1 生成する文学と、その眺望 これから日本文学史について考えるに当たって、「文学史」の不思議さ、魅力、むずかしさを述べる。文学史が、「蓄積・集約・浸透」のダイナミズムで活性化されてきた事実を踏まえ、優れた「集約力」を持った作品を「基準作」に据えて、文学史を構想することの大切さを述べる。

【キーワード】
文学史、編年体、ジャンル、蓄積・集約・浸透、基準作
島内裕子
(放送大学教授)
島内裕子
(放送大学教授)
2 漢詩文 我が国の文学における漢詩文の流れを、古代から近代まで辿る。平安時代と江戸時代に二つのピークがあることを確認すると同時に、平安時代の漢詩文が後の時代の文学に及ぼした影響への理解を深める。

【キーワード】
『懐風藻』、勅撰漢詩集、『和漢朗詠集』、『本朝文粋』、五山文学、江戸漢詩、近代の漢詩文
島内裕子
(放送大学教授)
島内裕子
(放送大学教授)
3 和歌 「五七五七七」の短詩形文学である和歌の歴史を、古代から近世まで通観する。『万葉集』、『古今和歌集』、『新古今和歌集』、『玉葉和歌集』と『風雅和歌集』という和歌史の四つのピークを中心に解説する。私家集・私撰集の意義にも触れる。

【キーワード】
『万葉集』、三代集、八代集、二十一代集、『古今和歌集』、『新古今和歌集』、『玉葉和歌集』、『風雅和歌集』
島内裕子
(放送大学教授)
島内裕子
(放送大学教授)
4 歌謡 歌謡という文学ジャンルのさまざまな形態を、日本文学史の中に辿りながら、その表現や音韻のリズムの魅力に触れると共に、歌謡の歌詞と他の文学ジャンルの作品表現との関連性にも注目する。

【キーワード】
神楽歌、催馬楽、今様、早歌、『閑吟集』、『田植草紙』、『松の葉』、『山家鳥虫歌』
島内裕子
(放送大学教授)
島内裕子
(放送大学教授)
5 日記 古代から中世までを中心として、日記文学の流れを辿る。また、近世と近現代の日記文学にも触れる。そこから、日記文学が切り拓いた文学の領域によって、何が可能になったかを考える。

【キーワード】
漢文日記、『土佐日記』、『蜻蛉日記』、『和泉式部日記』、『紫式部日記』、中世の日記、近世と近現代の日記
島内裕子
(放送大学教授)
島内裕子
(放送大学教授)
6 紀行文学 旅を「生活の本拠地から一時的に離れること」と定義したうえで、古代から近世までの代表的な紀行文学を具体的に挙げながら、概観する。近現代の紀行文学についても触れる。

【キーワード】
『伊勢物語』、『土佐日記』、『更級日記』、『十六夜日記』、中世の旅、芭蕉、近世の紀行文学
島内裕子
(放送大学教授)
島内裕子
(放送大学教授)
7 物語 『源氏物語』と『伊勢物語』を最高峰とする物語文学の流れを、日本文学史全体の中で概観する。あわせて、「擬古物語」や「御伽草子」と呼ばれる物語群にも着目しながら、物語精神は現代文学と繫がりうるかを考察する。

【キーワード】
物語、『伊勢物語』、『源氏物語』、後期物語、擬古物語(中世王朝物語)、御伽草子、『白露』
島内裕子
(放送大学教授)
島内裕子
(放送大学教授)
8 随筆 日本文学史を、随筆という観点から通観することを目的とするが、実は、「随筆」というジャンルが包括するものは、必ずしも明確ではない。「三大随筆」と呼ばれる『枕草子』『方丈記』『徒然草』の三つの作品を概観することによって、随筆が持つ文学性の特徴と、その後の展開を把握する。

【キーワード】
『枕草子』、『方丈記』、『徒然草』、『花月草紙』、『玉勝間』
島内裕子
(放送大学教授)
島内裕子
(放送大学教授)
9 歴史文学 「六国史」などの歴史書の記述スタイルを概観したうえで、平安時代に登場した歴史物語の独自性を考察し、中世の『愚管抄』や『神皇正統記』や、近世の歴史論にも触れる。歴史書・歴史物語・歴史論を総合的に視野に入れた、歴史文学の観点からの把握を目指す。

【キーワード】
六国史、『栄花物語』、『大鏡』、『今鏡』、『水鏡』、『増鏡』、『愚管抄』、『神皇正統記』、『読史余論』、『日本外史』
島内裕子
(放送大学教授)
島内裕子
(放送大学教授)
10 説話 説話文学の古代から中世までの流れを通観し、近世・近代における享受の展望も示す。他の文学ジャンルとの関連に留意しつつ、説話文学の影響力を測定したい。

【キーワード】
『日本霊異記』、『今昔物語集』、『宇治拾遺物語』、『発心集』、『古今著聞集』、『十訓抄』、『沙石集』
島内裕子
(放送大学教授)
島内裕子
(放送大学教授)
11 軍記 日本文学史の中で、「戦」がどのように描かれたか、巨視的な観点から、さまざまなジャンルにおける戦も取り上げつつ、平安時代から江戸時代までの軍記の系譜を概観する。

【キーワード】
『万葉集』、『奥州後三年記』、『保元物語』、『平治物語』、『平家物語』、『太平記』、『太閤記』
島内裕子
(放送大学教授)
島内裕子
(放送大学教授)
12 日本文学史における舞台芸術と演劇の位相の全体像を、「劇」という名称によって統合し、古代から近現代までを通観する。『枕草子』や『源氏物語』に描かれた神楽や舞楽、室町時代の能・狂言、江戸時代の歌舞伎や浄瑠璃、近代の戯曲などを、相互の影響関係や演劇論などの観点から掘り下げる。

【キーワード】
神楽、『枕草子』、『源氏物語』、能、狂言、歌舞伎、浄瑠璃、虚実皮膜論、戯曲、森鷗外
島内裕子
(放送大学教授)
島内裕子
(放送大学教授)
13 連歌と俳諧 複数の人間が交互に句を詠み合うのが、連歌である。近世に入ると、俳諧が生まれる。連歌と俳諧の新しさは、先行文学である古典の摂取とも深く結びついている。和歌や物語との関連にも留意しながら、連歌と俳諧の歴史を、古代から近世まで辿る。

【キーワード】
連歌、俳諧、二条良基、宗祇、『菟玖波集』、『新撰菟玖波集』、貞門、談林、蕉風、蕪村
島内裕子
(放送大学教授)
島内裕子
(放送大学教授)
14 近代の詩歌 近代の詩歌の大きな流れを、短歌・俳句・詩のそれぞれに即して概観する。短歌については、旧派和歌、『アララギ』、『明星』などの対立が意味するものを考える。俳句については、有季定型と無季自由律との対立に触れる。詩については、文語定型詩から口語自由詩へという変化を辿る。

【キーワード】
旧派和歌、『アララギ』、『明星』、正岡子規、高浜虚子、河東碧梧桐、新体詩、文語定型詩、口語自由詩、翻訳詩
島内裕子
(放送大学教授)
島内裕子
(放送大学教授)
15 近代の文学と、そのゆくえ 近代の散文は、どのような変貌を遂げて、現代に至ったのか。江戸から明治、大正、昭和の文体の変遷を概観し、文学の器である文体の変遷がもたらしたものを、考察する。

【キーワード】
近藤芳樹、夏目漱石、尾崎紅葉、山田美妙、樋口一葉、森鷗外、正岡子規、吉田健一
島内裕子
(放送大学教授)
島内裕子
(放送大学教授)
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