授業科目一覧
基盤科目
コース科目
卒業研究(全科履修生のみ)
夏季集中科目
メニューここまで

総合人類学としてのヒト学('18)

※印刷用にはシラバスPDF版新規ウィンドウ をご利用ください
主任講師
高倉 浩樹 (東北大学教授)
放送メディア
ラジオ
放送時間(2018年度)
第1学期:(金曜)10時30分~11時15分

講義概要

文化的存在であると同時に生物的存在である人類の特徴について基盤的理解をすすめるための講義である。現在の地球のエネルギー収支や環境生態系における人間社会の位置づけに触れた上で、どのような過程をへて現在にいたるのか、食料摂取を含む幅広い意味での資源利用と、近代国家のような高度化された政治体制を含む社会組織の多様な特徴とそれらを支える普遍的な仕組みについて解説する。自然人類学、文化人類学、霊長類学、人類生態学、先史考古学などの知見を総合化することで見えてくる「ひと」の全体像を把握することを試みたい。
※詳しくはシラバス

開設年度
2018年度
科目区分
コース科目(人間と文化コース(導入科目))※共用科目(心理と教育)
〔2009年度~2015年度〕共通科目(一般科目)
〔2008年度以前〕共通科目(一般科目)
科目コード
1740083
単位数
2単位
単位認定試験
試験日・時限
2018年度 第1学期:2018年8月1日(水曜)1時限(9時15分~10時05分)
単位認定試験
平均点
備考
 
このページのトップへ本文ここまで

授業の目標

専門科目としての『文化人類学』への導入として、高校教育での社会科を中心とした学習から大学での専門的学習・研究へと思考のレベルを高めることを目標とする。

履修上の留意点

この科目を履修した後に「文化人類学('14)」などにすすんでいくことが望ましい。

シラバス

テーマ 内容 執筆担当講師名
(所属・職名)
放送担当講師名
(所属・職名)
1 地球におけるヒトの存在 ヒトは文化的存在であると同時に太陽の恵みに依存する生物である。狩猟採集民だった時代に地球上に拡散したヒトは、農業革命と産業革命をへて独自のエネルギー連鎖をつくり今日に至っている。文化をエネルギー利用の観点から見ることで、地球におけるヒトの存在を鳥瞰する視点を紹介したい。

【キーワード】
エネルギー連鎖、食糧生産、エネルギー利用としての文化
高倉 浩樹
(東北大学教授)
高倉 浩樹
(東北大学教授)
2 文化としてのドメスティケーション 現在、私たちの生活で、畑でとれた野菜や家畜の肉を食べることはあたりまえとされている。しかしながら、ヒトが植物や動物をドメスティケート(栽培化・家畜化)したのは、ごく最近のことである。ドメスティケーションによって、人類の生存戦略はどのように変わってきたのか、具体的な事例をつかいながら概説する。

【キーワード】
栽培化、家畜化、エネルギー効率、改変された生態系
梅﨑 昌裕
(東京大学教授)
梅﨑 昌裕
(東京大学教授)
3 からだの進化 アフリカで進化した人類は、世界各地に拡散するプロセスで、それぞれの地域における新しい環境にどのように適応したのだろうか。その適応は、今日みられるような人類集団の多様性にどのようにつながるのだろうか。

【キーワード】
暑さ、寒さ、栄養適応、身体的特徴、人類の多様性
梅﨑 昌裕
(東京大学教授)
梅﨑 昌裕
(東京大学教授)
4 食べものをとる 人類社会の基礎は長期間にわたる狩猟採集時代に築かれた。化石人類の発見と古環境の復元、および考古学的な文化の証拠から人類の進化と食物獲得行動について議論する。さらに、現代に生きる狩猟採集民の生活から自然利用、分配行動、平等主義的な社会を解説する。

【キーワード】
狩猟採集、道具、分配、平等主義、多様性
今村 薫
(名古屋学院大学教授)
今村 薫
(名古屋学院大学教授)
5 家畜とともに暮らす 遊牧に象徴される牧畜社会について理解を深める。約1万年前に始まる栽培化と家畜化は、社会が植物・動物の再生産に関与・管理する働きかけであり、国家と文明の起源と言われている。農耕化開始後に現れた飼育化(家畜化)と多様な環境との関わりを解説する。

【キーワード】
飼育化、遊牧、乳利用、家畜群、適応
高倉 浩樹
(東北大学教授)
高倉 浩樹
(東北大学教授)
6 食べものをつくりだす技と場 人類は、それぞれの居住する環境条件のなかで持続的に食物を生産する農耕技術を発達させてきた。焼畑農耕、水田耕作など、自然に対する広範な知識が裏打ちされた農耕のありかたを講義する。

【キーワード】
焼畑、水田、在来知、環境制約
梅﨑 昌裕
(東京大学教授)
梅﨑 昌裕
(東京大学教授)
7 ヒトの家族の起源 動物の中でヒトだけがさまざまな形の家族をもち、そのうえに親族、地域集団などの重層的な社会組織とネットワークを形成する。人類の家族は、インセスト・タブー、外婚、コミュニティーの存在、性別分業などの重要な特徴をもつ。このような家族の類型と進化を霊長類学の知見も踏まえて議論する。

【キーワード】
インセスト・タブー、外婚、コミュニティー、性別分業、核家族
今村 薫
(名古屋学院大学教授)
今村 薫
(名古屋学院大学教授)
8 ヒトの繋がりと社会集団 ヒトの繋がりの特徴について、普遍的側面と時代的変化に留意しながら考える。まず、親子と婚姻という二つの関係に基づいた親族という繋がりを解きほぐす。その過程では、出自を原理とする集団形成についても触れる。次に近代以降に重要性を増してきた繋がりとして、地縁、社縁、情報縁について、それらの差異に留意しながら見ていく。

【キーワード】
繋がり、親族、出自、地縁、社縁、情報縁
深山 直子
(首都大学東京准教授)
深山 直子
(首都大学東京准教授)
9 時間と空間を区切る 言語というヒトに特異な能力を使って、私たちは時間と空間を区切り組み立て直し、ついには世界を分解し、再構成する。だが同時に、言葉にならないものの存在も、区切られた時間や空間の不自由さも私たちは知っている。言葉がヒトにもたらしてくれたものと、言葉が私たちに課した限界を乗り越えようとするヒトの営みを、ヒトがなぜ象徴を操り、儀礼を行うかという観点から見ていく。

【キーワード】
言語、境界、儀礼、非日常、世界観、宗教
赤堀 雅幸
(上智大学教授)
赤堀 雅幸
(上智大学教授)
10 遊ぶことと祈ること ヒトの特徴は大人になっても遊ぶことであると言われる。生物学的な生存維持以上の意味をもつ遊戯の意味に触れながら、現実世界を越えた想像力にもとづく歌と踊りの体験について考え、さらに信仰や宗教の意義について解説する。

【キーワード】
遊び、模倣、仮の世界、想像力、身体活動
今村 薫
(名古屋学院大学教授)
今村 薫
(名古屋学院大学教授)
11 もののやりとりと社会関係 ヒトの普遍的かつ日常的な活動であるもののやりとりについて考える。まず、贈与にともなう約束事を確認し、それが交換に発展する仕組みを指摘する。次に交換と、それを行う人びとの社会的距離や社会統合との関係性について明らかにする。その上で「市場交換」というやりとりの特異性を浮き彫りにする。

【キーワード】
贈与、交換、約束事、互酬性、貨幣、社会関係
深山 直子
(首都大学東京准教授)
深山 直子
(首都大学東京准教授)
12 支配の仕組み 採集狩猟の時代には、社会はきわめて平等であったが、農牧業の開始、都市の成立とともに他者に自己の意志を強要する支配の仕組みが成立していったという。なぜ権力は欲されたのか、権力の機構はどのように発展していったのか、権力機構の現在形と言える国家の特徴は何かを考え、最後に支配ならざる政治の可能性に触れる。

【キーワード】
権力、バンド、部族、出自、縁組、首長制
赤堀 雅幸
(上智大学教授)
赤堀 雅幸
(上智大学教授)
13 近代世界の成立と国民国家の形成 日本人が一つの民族で一つの国民を構成するという常識とされかねない思い込みは、ヨーロッパ近代において産業革命が開始され、植民地主義が興隆した歴史に起源をもつ。この過程がもたらした全地球的な政治経済秩序の特殊性と、ナショナリズムのはらむ矛盾、そして先住民運動などこの秩序に対抗しようとする動きを見ていく。

【キーワード】
近代、ナショナリズム、国民国家、帝国、周縁、世界システム
赤堀 雅幸
(上智大学教授)
赤堀 雅幸
(上智大学教授)
14 グローバリゼーションとローカル社会 グローバリゼーションという現象を、近代以前と以降に分けて捉える。その上で、近代以降のグローバリゼーションに注目し、ローカル社会との間に見いだせる均質化と異質化の力学について論じる。さらに、オセアニアの島嶼国ツバルを対象とした、ローカル社会に立脚した人類学的調査研究の事例から、グローバリゼーションの諸相を考える。

【キーワード】
グローバリゼーション、ローカル社会、近代、均質化と異質化、環境問題
深山 直子
(首都大学東京准教授)
深山 直子
(首都大学東京准教授)
15 地球温暖化と人類社会 地球温暖化問題から見えてくるのは、高度に文明化された人類社会もまた、自然循環の一部に組み込まれ、そこから離脱して存立しえないことである。国際社会での取り組みを学びつつ、個々の地域への影響を通して、現代世界における自然と社会の相互作用を学ぶ。

【キーワード】
気候変動、自然災害、適応、在来知、レジリアンス
高倉 浩樹
(東北大学教授)
高倉 浩樹
(東北大学教授)
このページのトップへ本文ここまで
授業科目案内 教養学部 放送大学