授業科目一覧
基盤科目
コース科目
卒業研究(全科履修生のみ)
夏季集中科目
メニューここまで

臨床家族社会学('14)

※印刷用にはシラバスPDF版新規ウィンドウ をご利用ください
主任講師
清水 新二 (奈良女子大学名誉教授)
放送メディア
ラジオ
放送時間(2018年度)
第1学期:(土曜)8時15分~9時00分

講義概要

いま多岐にわたる様々な家族問題の解決が期待されている。精神疾患や高齢者介護問題などの各種慢性疾患は言うに及ばず、児童虐待やドメスティック・バイオレンスなどの家族暴力、犯罪被害者家族や災害被災者家族あるいは自死遺族、非行・犯罪者の家族、いじめや引きこもりの子どもを抱えた家族等々、日々の生活の中で出会う各種の家族生活問題の解決に関心が寄せられている。問題解決志向性を強調する本科目では特に家族のストレスやメンタルヘルスに焦点をあわせるとともに、その背景としての現代の社会状況にも目配りをしながら、単に実態の把握にとどまらずミクロ・メゾ・マクロそれぞれのレベルにおける問題の解決に向けた支援をも視野に入れ、必要とされる社会的取り組みについて臨床家族社会学の視点から整理検討を加え、現実に即した家族問題の理解を深める。
※詳しくはシラバス

開設年度
2014年度
科目区分
コース科目(生活と福祉コース(専門科目))
〔2009年度~2015年度〕専門科目(生活と福祉コース)
〔2008年度以前〕 専門科目(生活と福祉専攻)
科目コード
1518895
単位数
2単位
単位認定試験
試験日・時限
2017年度 第2学期:2018年1月24日(水曜)2時限(10時25分~11時15分)
2018年度 第1学期:2018年8月2日(木曜)4時限(13時15分~14時05分)
単位認定試験
平均点
(2016年度 第2学期)77.3点
(2017年度 第1学期)72.2点
備考
 
このページのトップへ本文ここまで

授業の目標

現代の家族生活のポジティブな面とネガティブな面の双方に目配りしつつ、日常的な家族生活で生じる具体的家族問題について取り上げ、その実態の理解を深めるとともに問題への現実的な対処や支援に関する方法を検討する力を養う。

履修上の留意点

既開講科目の「在宅看護論」「高齢期の生活と福祉」「今日のメンタルヘルス」「リスク社会のライフデザイン」、大学院科目の「家族生活研究」など、関連科目もあわせて学習することをすすめる。

シラバス

テーマ 内容 執筆担当講師名
(所属・職名)
放送担当講師名
(所属・職名)
1 臨床家族社会学をどう理解するか 臨床家族社会学の基本的特徴を問題解決志向性ならびに問題中心的アプローチから捉え、ミクロな事例的臨床とマクロな対策的臨床の二つの面から問題解決へ向けた総合的な社会的取り組み、対応の必要性とありようを概説する。事例的臨床における家族への対処支援においては対処の主体としての家族の位置付けを検討し、対策的臨床に関しては対策の枠組み構築にあたっての手掛かり、ヒントを示唆する。その上で、対策効果をどのように考えたらよいかの理解を深める。

【キーワード】
問題解決志向性、事例的臨床と対策的臨床、対処主体アプローチ、対策効果、ポピュレーション・アプローチとリスクグループ・アプローチ
清水 新二
(奈良女子大学名誉教授)
清水 新二
(奈良女子大学名誉教授)
2 臨床家族社会学の基本的視点とアプローチ法 家族問題の実態理解から社会的な対応法にわたるまで、問題解決に向けてどのように理解分析するかの基本的視点により、またどのような対象を取り上げ問題とするかによって、その結ぶ像は異なってくる。家族に対する人々や社会からの期待と実際の家族生活の現実との間に横たわる亀裂や、<ミウチ>と<タシャ>との関連性をどう考えるのかなど、これらの基本問題について整理し学ぶ。

【キーワード】
家族ストレス、生活知と専門知、無知のアプローチ、近代家族、家族の他者性
清水 新二
(奈良女子大学名誉教授)
清水 新二
(奈良女子大学名誉教授)
3 臨床家族社会学と質的研究法 今日、家族の個人化・多様化などを背景に、一定の家族像からの逸脱に問題の原因をみるのではなく、家族の行為や解釈などその主観的経験に基点をおきながら「家族問題」に接近しようとする質的研究が登場している。ここでは、その中から、主にナラティヴアプローチなどに焦点をあて、その研究の背景や特徴について論ずる。

【キーワード】
家族問題、質的研究法、量的研究法、ナラティヴアプローチ、無知の姿勢、研究倫理
南山 浩二
(成城大学教授)
南山 浩二
(成城大学教授)
4 学校臨床と家族 学校現場での問題行動として、不登校・いじめ・校内暴力を取り上げ、その現況を概説し、家庭との関わりを検討する。社会的取り組みのなかでも、児童・生徒の保護者への支援を中心に考察する。教職員に加えて、スクールカウンセラーの役割に注目し、家族支援の実際について理解する。

【キーワード】
不登校、いじめ、校内暴力、スクールカウンセラー、家族(保護者)支援
生島 浩
(福島大学教授)
生島 浩
(福島大学教授)
5 非行臨床と家族 少年非行の動向、特に家庭内暴力を社会学的観点から読み解く。「非行原因としての家族」から「立ち直りの手立てとしての家族」に視点を転換させる重要性を述べる。非行臨床における家族支援について、臨床家族社会学の知見を活かした、家族システム論、構築主義的アプローチ、講師自身の手法を解説する。

【キーワード】
少年非行、家庭内暴力、立ち直り、家族システム論、構築主義的アプローチ
生島 浩
(福島大学教授)
生島 浩
(福島大学教授)
6 犯罪臨床と家族 犯罪臨床のシステムを概説し、家族内殺人など犯罪と家族との関連を考察する。家族支援が、再犯抑止をはじめとする犯罪対策に重要であることを解説する。また、加害者家族への取り組み、さらには、犯罪被害者の家族(遺族)への支援、自助組織の社会的活動も取り上げる。

【キーワード】
家族内殺人、加害者支援、再犯抑止、被害者支援、自助組織
生島 浩
(福島大学教授)
生島 浩
(福島大学教授)
7 精神障がい者と家族 地域資源の脆弱性や家族扶養主義などを背景に、家族に対する精神障がい者の身近な支え手としての社会的期待は未だ大きい。しかし、家族の抱える生活上の困難やストレス、経過の長期化に伴う家族の高齢化、障がい者・家族間に葛藤が生じやすいことなど、家族生活をめぐる課題が指摘されている。そこで、精神障がい者家族の生活実態についての概観をふまえながら、医療や福祉をめぐる政策的課題を検討する。

【キーワード】
隔離収容主義、社会的入院、精神障がい者の地域生活と社会復帰・社会参加、家族
南山 浩二
(成城大学教授)
南山 浩二
(成城大学教授)
8 統合失調症と家族支援 統合失調症である人の家族に対する家族支援について、専門家の家族へのまなざしを基点にその歴史的変遷を検討する。そして、コミュニティケアが重要視されるようになった現在、リカバリー志向の家族支援が模索され始めているが、こうした近年の取り組みについて概観するとともに、今後の展開可能性や課題について理解を深めていく。

【キーワード】
家族の医療化―脱医療化、スティグマ、リカバリー、アウトリーチ、セルフヘルプグループ
南山 浩二
(成城大学教授)
南山 浩二
(成城大学教授)
9 高齢者と高齢期家族の生活 少子高齢化が家族集団に与える影響は大きく、様々な問題が生じてくることが考えられるが、これから高齢者と呼ばれるようになる人たちには働き方や社会参加、地域における人々のつながりや生活、高齢期に向けた備え等、人生90年時代を前提としたものへの転換と超高齢社会を先導していく役割が期待されている。ここでは高齢者と家族の生活がどのように変化してきているか統計を基に理解し、わが国の高齢者のウェルビーイングにとって重要なのは何であるのかを社会学的に考察する。

【キーワード】
少子高齢化社会、高齢期家族、老化の社会的側面、高齢社会対策大綱
高梨 薫
(神戸学院大学教授)
高梨 薫
(神戸学院大学教授)
10 要介護高齢者と家族 介護保険サービスの利用は、重度の者は施設サービス利用が半数を超えているが、重度でも著しい数の要介護高齢者が居宅サービスと家族による介護を受けていることが考えられる。介護を自分たちの手で何とかしたいと思っている家族は少なくないといわれ、また要介護高齢者にとっては、介護を家族に期待できるかということでなく、家族と良い関係を保っていられることが大切な場合も考えられる。要介護高齢者と家族の生活について理解を深める。

【キーワード】
要介護認定、自立の支援、介護充実感、社会情動的選択理論
高梨 薫
(神戸学院大学教授)
高梨 薫
(神戸学院大学教授)
11 自死遺族の困惑と苦境 生老病死は家族生活の歴史でもある。本章では家族生活にとって確実に訪れる永別、わけても自死と遺された家族の問題を取り上げ、臨床家族社会学的に自死の実態、自死遺族の直面する問題、自死による永別への対応、支援などについて「事例的臨床」の観点から学ぶ。

【キーワード】
封印された死、さよならのない別れ、自責感、わかちあいの会
清水 新二
(奈良女子大学名誉教授)
清水 新二
(奈良女子大学名誉教授)
12 自死遺族の社会的支援 自殺問題のなかでこれまで看過されてきた自死遺族支援の問題を正面からとりあげる。この章では「対策的臨床」の観点から、先ずマクロ的に近・現代社会が死について向き合わなくなってきた流れを説明する。次いでわが国の自死の実態を概観した上で、自死対策枠組みの中でも特に自死遺族支援に焦点をあて、自死遺族支援の課題について学び、その問題対処に向けた社会的取り組みの歴史と展開、支援の際の視点や留意点などについて理解を深める。

【キーワード】
自殺率、メメント・モリ、自死遺族支援、自殺対策基本法、ポストヴェンション
清水 新二
(奈良女子大学名誉教授)
清水 新二
(奈良女子大学名誉教授)
13 家族生活とドメスティックバイオレンス 本章ではドメスティック・バイオレンスを中心に用語の置き換え効果について述べ、言葉が開く家族臨床課題の発見について考える。次いでその実態および対策枠組み的支援としての法制度の展開を見る。さらに、専門的科学知としての研究知見と経験的生活知としての支援現場から立ち上がる家族暴力の立像を対比させつつDV問題を考える際に注意すべき論点や研究知見・成果を紹介整理して、問題ならびに論議の複層性への理解を広げる。

【キーワード】
ドメスティック・バイオレンス、DV防止法、DV定義の外延的拡大、非対称性仮説、世代間連鎖仮説、学習性無力感
清水 新二
(奈良女子大学名誉教授)
清水 新二
(奈良女子大学名誉教授)
14 児童虐待問題へのもう1つのアプローチ 社会学的視点からの、被虐待児童とその家族への支援の基礎理論の学習を目指す。最初に伝統的ナラティヴモデルの理論を説明し、その理論的問題点について論じる。そして新たな修正ナラティブモデルの理論的枠組みを示す。

【キーワード】
児童虐待、ナラティヴモデル、生成的システムズ理論、修正ナラティヴモデル
加茂 陽
(県立広島大学名誉教授)
加茂 陽
(県立広島大学名誉教授)
15 被虐待児童の家族支援の実際:修正ナラティヴモデルによる支援とその課題 前章で示した修正ナラティヴモデルについて、問題定義法、評定法、そして変容技法に関して詳細に論じ、事例分析によりそれらの使用の実際を示す。その上で、その有効性と問題点を明らかにする。

【キーワード】
被虐待児童の家族支援、修正ナラティヴモデル、評定方法、変容手法
加茂 陽
(県立広島大学名誉教授)
加茂 陽
(県立広島大学名誉教授)
このページのトップへ本文ここまで
授業科目案内 教養学部 放送大学