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リスクコミュニケーションの現在('18)

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主任講師
平川 秀幸 (大阪大学教授)
奈良 由美子 (放送大学教授)
放送メディア
ラジオ
放送時間(2018年度)
第1学期:(土曜)13時45分~14時30分

講義概要

2011年3月の東日本大震災ならびに福島第一原子力発電所事故以降、リスクコミュニケーションを行うことの必要性がさらに大きく指摘されている。この科目では、リスクコミュニケーションとは何か、その手法はどのようであるか、生活のどのような場面においてリスクコミュニケーションが行われているのか、安全・安心の実現にリスクコミュニケーションがどう関わるのか、生活者はリスクコミュニケーションにどう関わることができるのかについて、具体的な事例(BSE問題、遺伝子組換え食品、防災、放射性物質による健康被害、感染症など)をとりあげながら講義を行う。
※詳しくはシラバス

開設年度
2018年度
科目区分
コース科目(生活と福祉コース(専門科目))※共用科目(心理と教育・社会と産業)
〔2009年度~2015年度〕専門科目(生活と福祉コース)※共用科目(心理と教育・社会と産業)
〔2008年度以前〕 専門科目(生活と福祉専攻)※共用科目(発達と教育・社会と経済・産業と技術)
科目コード
1519085
単位数
2単位
単位認定試験
試験日・時限
2018年度 第1学期:2018年8月1日(水曜)3時限(11時35分~12時25分)
単位認定試験
平均点
備考
 
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授業の目標

本科目の修学上の目標は、安全・安心の実現をはかるうえで必要となるリスクコミュニケーションとは何かを理解したうえで、実際の具体的事例を見ながら、リスクコミュニケーションの手法について知識を得、実践にむすびつける力量をつけることである。学習者には、本科目の内容を、生活者(住民、市民、消費者)、自治体職員、企業の一員といった立場で関わっている具体的な問題にあてはめて考察することを試みていただきたい。

履修上の留意点

関連する科目として、「食安全性学('14)」「現代を生きるための化学('18)」「死生学のフィールド('18)」「新しい時代の技術者倫理('15)」の履修により、本科目の内容についての理解と考察が一層進むと思われる。

シラバス

テーマ 内容 執筆担当講師名
(所属・職名)
放送担当講師名
(所属・職名)
1 リスクコミュニケーションとは 全体の導入として、リスクコミュニケーションとは何か、その本質や生成の背景および現代的意義を示す。また、リスクコミュニケーションとはリスクに関するコミュニケーションであることから、リスク概念についても解説する。
【キーワード】
リスクコミュニケーション、相互作用、信頼、対話、共考、協働、科学技術、欠如モデル、説得、リスク、ハザード、便益、システミック・リスク
平川 秀幸
(大阪大学教授)
奈良 由美子
(放送大学教授)
平川 秀幸
(大阪大学教授)
奈良 由美子
(放送大学教授)
2 リスクコミュニケーションの類型 リスクコミュニケーションは扱う問題が様々であることから、いくつかの分類軸による整理をふまえ議論することが必要となる。ここでは、テーマ対象、問題フレーミング、問題発生・対応の時間・空間・社会的なスケール(規模)とフェイズ(段階)、知識の不定性、コミュニケーションのアクター(関与者)、目的、様式(モード)という分類軸を用いてリスクコミュニケーションを類型化する。

【キーワード】
テーマ対象、問題フレーミング、、スケールとフェイズ、知識の不安定性、リスクコミュニケーションの目的と様式
平川 秀幸
(大阪大学教授)
平川 秀幸
(大阪大学教授)
3 リスク認知とリスクコミュニケーション リスクコミュニケーションを実際に行ううえでは、これに関わる様々な要素を考慮しなくてはならない。この回では、リスクコミュニケーションの重要な決定因のひとつである、人々のリスクに対する心理的な認識や判断について考える。リスク認知とバイアス、ヒューリスティックについて解説し、リスク認知における感情の関与を示しながら、リスクコミュニケーションの意義をあらためて確認したい。

【キーワード】
ステークホルダー、感情、主観リスク、客観リスク、リスク認知バイアス、ヒューリスティック、リスク特性
奈良 由美子
(放送大学教授)
奈良 由美子
(放送大学教授)
4 リスクコミュニケーションの基本的手法 この回ではリスクコミュニケーションの方法を解説する。リスクコミュニケーションにおけるPDCAサイクルを含めた手法の基本をおさえ、リスクコミュニケーションを通常活動に埋め込むことやコミュニケーション技術等のポイントをおさえる。また、リスク比較に典型的に生じる注意点やリスクコミュニケーションの評価の観点についても言及しながら、リスクコミュニケーションの本質を見失わないことの重要性を確認する。

【キーワード】
PDCAサイクル、情報の受け手、コミュニケーションの技術、リスク情報の効果的発信、リスクの比較、通常活動へのビルトイン、リスクコミュニケーションの評価
奈良 由美子
(放送大学教授)
奈良 由美子
(放送大学教授)
5 遺伝子組換え作物問題を通じて考えるリスクコミュニケーション(1):問題をどのようなフレーミングで理解すればよいか 遺伝子組換え作物の社会的論争には、不定性をはらむリスク問題の語り方・論じ方を考えるうえで有益な示唆や教訓が豊富に見出せる。この回では、とくに「問題のフレーミングの多義性」に着目する。

【キーワード】
遺伝子組換え作物、フレーミング
平川 秀幸
(大阪大学教授)
平川 秀幸
(大阪大学教授)
6 遺伝子組換え作物問題を通じて考えるリスクコミュニケーション(2):全米アカデミー報告書に基づいて 前回に続いて、遺伝子組換え作物の社会的論争を例に、不定性をはらむリスク問題の語り方・論じ方を考える。この回では、「リスクと便益の文脈依存性」、フレーミング以外の「多義的問題」、「情報の根拠の透明性と多元性」に着目する。

【キーワード】
グリーンピース、全米科学・工学・医学アカデミー、文脈依存性、多義的問題、情報の根拠の透明性と多元性
平川 秀幸
(大阪大学教授)
平川 秀幸
(大阪大学教授)
7 放射線とリスクコミュニケーションの教訓(1) 3.11後の放射線問題を例に、リスクコミュニケーションは科学的評価だけでは解決できない困難な要素をいかに多く含んでいるのかを理解する。

【キーワード】
風評被害、システミック・リスク、リスク比較の困難さ、リスク認知、ケア・コミュニケーション、コンセンサス・コミュニケーション、リスク問題の社会的・規範的次元
平川 秀幸
(大阪大学教授)
奈良 由美子
(放送大学教授)
平川 秀幸
(大阪大学教授)
8 放射線とリスクコミュニケーションの教訓(2) 3.11後の放射線問題を例に、とくに市民が主体となって専門家と協働しながら行うボトムアップの「参加型リスクコミュニケーション」に注目し、その実像と今後の課題について考える。

【キーワード】
参加型リスクコミュニケーション、市民科学
平川 秀幸
(大阪大学教授)
平川 秀幸
(大阪大学教授)
9 化学物質のリスクコミュニケーション 化学物質のリスク評価の基本を講義したうえで、化学物質リスクに関するリスクコミュニケーションの事例をとりあげる。

【キーワード】
化学物質、有害性、曝露、リスク評価、PRTR制度
岸本 充生
(大阪大学教授)
岸本 充生
(大阪大学教授)
ゲスト:竹田 宜人(独立行政法人製品評価技術基盤機構)
10 ナノテクノロジーのリスクコミュニケーション 新規技術の例としてナノテクノロジーをとりあげ、ナノマテリアルのリスクを巡る国内外の議論とリスクコミュニケーションの課題を講義する。

【キーワード】
ナノマテリアル、新規技術、リスク認知、上流での参加
岸本 充生
(大阪大学教授)
岸本 充生
(大阪大学教授)
11 自然災害とリスクコミュニケーション 地震や台風といった自然発生の外力は、社会システム全体およびその内部の活動フローの損壊をもたらし、個人の生存やくらしを困難なものとする。この回では自然災害をめぐり、平常時、非常時、回復期に行うリスクコミュニケーションの手法と課題について、実践事例を交えながら考える。

【キーワード】
リスクコミュニケーション、クライシスコミュニケーション、リスク情報、リスク認知バイアス、行動、防災教育、避難指示、継承
奈良 由美子
(放送大学教授)
奈良 由美子
(放送大学教授)
12 感染症とリスクコミュニケーション 感染症のリスクコミュニケーションを理解するための基礎として、感染症およびその予防方法の特徴を捉える事例として、新型インフルエンザ対策等をとりあげる。

【キーワード】
パンデミック、予防方法、性感染症、人権、ハイリスク者、ズーノーシス、クライシスコミュニケーション
堀口 逸子
(長崎大学准教授)
堀口 逸子
(長崎大学准教授)
13 気候変動とリスクコミュニケーション 気候変動問題についてのリスクコミュニケーションに関して、気候変動問題のリスクや対処方法はどのように人々に認識されているのか、気候変動問題に関しては、どのようなリスクコミュニケーションが必要なのかという点について、講義を進める。

【キーワード】
気候変動問題、複雑かつ不確実性を伴う科学技術問題、市民参加、市民のリスク認知、World Wide Views
八木 絵香
(大阪大学准教授)
八木 絵香
(大阪大学准教授)
ゲスト:江守 正多(国立環境研究所)
14 リスクガバナンスへの展開 リスクコミュニケーションはリスクコミュニケーションだけで完結するものではない。この回では、リスク評価やリスク管理も含めた「リスクガバナンス」の模範的プロセスに着目し、そのなかでリスクコミュニケーションが果たす役割について理解を深める。

【キーワード】
主体性、参加、信頼、リスクガバナンス、フレーミングの多角化、参加型テクノロジーアセスメント、責任ある研究・イノベーション
平川 秀幸
(大阪大学教授)
平川 秀幸
(大阪大学教授)
15 対話・共考・協働 -よりよいリスクコミュニケーションにむけて- 科目全体の総括として、リスクコミュニケーションの重要な視座としてのフレーミングの多様性と信頼、リスクコミュニケーションのステークホルダーに望まれるリテラシーについて考察したうえで、これからのリスクコミュニケーションの課題と可能性を展望する。

【キーワード】
多様なステークホルダー、フレーミングの多様性への対応、信頼、リスクリテラシー、媒介者の規範、イノベーション
平川 秀幸
(大阪大学教授)
奈良 由美子
(放送大学教授)
平川 秀幸
(大阪大学教授)
奈良 由美子
(放送大学教授)
ゲスト:白根 純人(科学コミュニケーション研究所)
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