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化学反応論-分子の変化と機能('17)

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主任講師
安池 智一 (放送大学准教授)
放送メディア
テレビ
放送時間(2018年度)
第1学期:(水曜)10時30分~11時15分

講義概要

現在膨大な種類の分子が知られているが、それらの分子に含まれる元素の種類は意外にも少ない。このことはつまり、物質の多様性の起源が化学結合の組み替えにあることを意味する。この結合の組み替えが化学反応である。化学反応の理解を通じて我々は様々な物質を合成して生活を豊かにしてきたし、我々の生命活動自体が複雑な化学反応のネットワークに支えられている。本科目では、化学平衡、反応速度、触媒作用などの化学反応論の一般的な側面を熱・統計力学に基づいて演繹的に導くとともに、化学者が経験的に明らかにしてきた典型的な反応のパターンについて整理し、基礎理論に基づいた体系的な理解を目指す。
※詳しくはシラバス

開設年度
2017年度
科目区分
コース科目(自然と環境コース(専門科目))
〔2009年度~2015年度〕専門科目(自然と環境コース)
〔2008年度以前〕専門科目(自然の理解専攻)
科目コード
1562800
単位数
2単位
単位認定試験
試験日・時限
2017年度 第2学期:2018年1月21日(日曜)1時限(9時15分~10時05分)
2018年度 第1学期:2018年7月29日(日曜)3時限(11時35分~12時25分)
単位認定試験
平均点
(2017年度 第1学期)62.4点
備考
 
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授業の目標

1.化学反応の駆動力としての自由エネルギーについて理解する
2.化学反応速度に対する遷移状態理論の概要を理解する
3.典型的な化学反応のパターンに基づいて反応の分類ができるようになる
4.典型的な化学反応についてその反応の原理を理解する

履修上の留意点

「エントロピーからはじめる熱力学(’16)」「化学結合論-分子の構造と機能(’17)」を履修済であるか、併せて受講することが望ましい。

シラバス

テーマ 内容 執筆担当講師名
(所属・職名)
放送担当講師名
(所属・職名)
1 序論:Alchemy to chemistry 人類がいかにして物質変化についての認識を深め、化学 という学問を成立させたかを概観し、化学反応論で議論すべきことの全体像をつかむ。

【キーワード】
火の利用、金属の精錬、錬金術、機械論的自然観、親和力
安池 智一
(放送大学准教授)
安池 智一
(放送大学准教授)
2 化学平衡と反応の駆動力 化学反応の駆動力の本質が、ギブズ自由エネルギー変化にあることを理解し、反応ギブズエネルギーと平衡定数の関係を導く。また、平衡近傍での系の自発的変化についてのルシャトリエの原理を理解する。

【キーワード】
反応熱、ヘスの法則、自発的変化、平衡条件、ギブズエネルギー、 化学ポテンシャル、反応進行度、ルシャトリエの原理
安池 智一
(放送大学准教授)
安池 智一
(放送大学准教授)
3 化学反応の速度 速度定数に対するアレニウスの式について学ぶ。ファントホッフの式と組み合わせることで反応の途中に現れる遷移状態の存在を導く。化学反応の理解には、熱力学的側面と速度論的側面の両者が重要であることを理解する。

【キーワード】
アレニウスの式、遷移状態、反応における熱力学支配と速度論的支配
安池 智一
(放送大学准教授)
安池 智一
(放送大学准教授)
4 酸塩基反応 酸塩基に対するブレンステッド・ローリーの定義、ルイスの定義を導入する。これらの酸塩基概念によって、従来の中和反応よりもより一般的な反応を酸塩基反応と捉え統一的な議論が可能となることを学ぶ。酸解離定数 pKa の表や HSAB 則の分類表を用いて、ある反応が進行するかどうかを判定できるようにする。

【キーワード】
アレニウスの電離説、ブレンステッ ド・ローリーの定義、共役酸、共役塩基、酸解離定数、ルイスの定義、HSAB 則
安池 智一
(放送大学准教授)
安池 智一
(放送大学准教授)
5 酸化還元反応 電子の授受過程として酸化還元反応を捉える。標準電極電位が物質の酸化力および還元力の指標であること、酸化還元反応がどちらに進むかは、半反応の標準電極電位の値から定量的に議論できることを学ぶ。また、酸化数の概念の導入によって、より広範な反応が酸化還元反応として理解できることを理解する。

【キーワード】
電子の授受としての酸化還元、酸化還元平衡、半反応、標準電極電位、起電力、酸化数
安池 智一
(放送大学准教授)
安池 智一
(放送大学准教授)
6 分子軌道からみた化学反応 分子の電子状態が分子軌道でどのように表現されるかを復習し、分子間の相互作用において HOMO-LUMO 相互作用が重要となることを導く。HOMO, LUMO の形状や軌道エネルギーがどのように化学反応を支配するかを理解する。

【キーワード】
分子の電子状態、分子軌道、軌道相互作用、フロンティア軌道、 絶対硬度、軌道の重なりとペリ環状反応
安池 智一
(放送大学准教授)
安池 智一
(放送大学准教授)
7 有機化学1:炭素骨格の構築法 有機化合物の合成に重要なのは炭素骨格の構築である。本章では、イオン的な反応に基づく C-C 結合生成反応を学ぶ。

【キーワード】
合成計画、逆合成解析、合成等価体、C-C結合生成反応、カルボカチオン、カルボニル化合物
鈴木 啓介
(東京工業大学教授)
鈴木 啓介
(東京工業大学教授)
8 有機化学2:官能基変換 官能基は有機化合物の性質や反応性を特徴づけ、また、化合物の合成を行う上でも鍵となる。本章では、酸化度の観点から官能基を整理し、相互変換について学ぶ。

【キーワード】
官能基、酸化度、酸化還元、カルボアニオン、グリニャール反応、合成等価体、遷移金属触媒
鈴木 啓介
(東京工業大学教授)
鈴木 啓介
(東京工業大学教授)
9 有機化学3:光学異性体を作り分ける 本章では、生体物質の関連で重要な分子不斉について学び、光学分割や不斉合成の基礎を解説する。

【キーワード】
不斉炭素原子、光学活性、キラル、エナンチオマー、ジアステレオマー、メソ体、ラセミ体、光学分割、不斉合成
鈴木 啓介
(東京工業大学教授)
鈴木 啓介
(東京工業大学教授)
10 無機化学:金属錯体の反応 金属錯体と呼ばれる一群の化合物を HSAB 則に基づいて整理する。ルイス塩基である配位子の硬さによる中心金属の酸化数制御の原理を学び、それが生体内での電子伝達にも利用されていることを学ぶ。

【キーワード】
フロスト図、ウェルナー錯体、非ウェルナー錯体、有機金属化合物、シトクロム、電子伝達系、多核錯体、酸素発生
安池 智一
(放送大学准教授)
安池 智一
(放送大学准教授)
11 電気化学:電池と酸化還元反応 化学反応は突き詰めると物質間の電子移動に帰着する。電極を通じた電子移動の制御によって化学反応が誘起できること、また逆に物質から電流が取り出せることを学ぶ。

【キーワード】
起電力、電極電位、液絡、電池図式、電気分解、理論分解電圧、 過電圧、エリンガム図、ネルンストの式
安池 智一
(放送大学准教授)
安池 智一
(放送大学准教授)
12 エネルギー変換の化学 化学反応を通じて様々な形態のエネルギーを相互に変換可能であることを学ぶ。とくに、人工光合成を中心としたエネルギー変換過程における化学反応について現状を整理する。

【キーワード】
励起分子の酸化および還元力、光電池、本多・藤嶋効果、色素増感型太陽電池、Z スキーム、ATP 合成酵素
安池 智一
(放送大学准教授)
安池 智一
(放送大学准教授)
13 触媒化学:人類を救った化学反応 窒素固定反応を題材として、速度式の取扱いと触媒反応の基礎を学ぶ。多段階反応における定常状態近似の有用性、逐次反応においては最も平衡から離れた素反応が律速段階となって全体の反応速度が決まることを学ぶ。

【キーワード】
窒素固定反応、触媒、逐次反応、定常状態近似、律速段階
安池 智一
(放送大学准教授)
安池 智一
(放送大学准教授)
14 化学反応が支える生命:酵素の生化学 生体内においては、穏やかな条件下にありながら様々なタイプの化学反応が実現するのは酵素と呼ばれる生体触媒の存在による。酵素による反応制御について学び、生体内反応の特徴を理解する。

【キーワード】
代謝、酵素、ミカエリス・メンテン機構、基質特異性、阻害剤、鍵と鍵穴
安池 智一
(放送大学准教授)
安池 智一
(放送大学准教授)
15 複雑な化学反応ネットワークの理解に向けて 開放系では非平衡定常状態として振動現象が現れる可能性があり、そのような律動の存在は生体リズムと関連して興味深い。化学反応ネットワークが示す典型的な振動系の性質について学び、振動を生み出すメカニズムの基礎を学ぶ。

【キーワード】
閉鎖系、開放系、定常状態の安定性、BZ 反応、ブリュッセル振動子、リミットサイクル、アトラクタ、生体リズム
安池 智一
(放送大学准教授)
安池 智一
(放送大学准教授)
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