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現代の家庭教育('18)

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主任講師
田中 理絵 (山口大学准教授)
放送メディア
ラジオ
放送時間(2018年度)
第1学期:(火曜)6時00分~6時45分

講義概要

家族は子どもが生まれると同時に所属する集団であり、子どもの発達にとっても最も基礎的かつ重要な集団である。子どもが家族集団のなかで習得した価値・規範や思考・行動様式は、その後の子どもの発達を大きく規定し、方向づけていく。家族は子どものベースを形成し、一定の方向に向けていくのである。
この講義では、家庭教育を家族集団のなかでの子どもの発達に関わる事象としてとらえ、現代社会の子どもの発達過程およびその過程に関わる諸問題-親の問題、家族集団の問題、社会の問題-を取り上げて、実証的に考えていく。
※詳しくはシラバス

開設年度
2018年度
科目区分
コース科目(心理と教育コース(専門科目))
〔2009年度~2015年度〕専門科目(心理と教育コース)
〔2008年度以前〕 専門科目(発達と教育専攻)
科目コード
1529250
単位数
2単位
単位認定試験
試験日・時限
2018年度 第1学期:2018年8月5日(日曜)7時限(16時45分~17時35分)
単位認定試験
平均点
備考
 
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授業の目標

子どもは、特に幼少期は家族集団が唯一の世界であるから、家族集団のなかでのあらゆる事象からさまざまな社会化作用を受けつつ発達していく。一方で、家族集団での子どもの発達過程は、家族の背後にある全体社会のあり方によって強く規定されている。この講義では、家族集団のなかでの子ども発達の体系的なプロセスを学び、親子関係をめぐる諸問題を全体社会のあり方・変化と関わらせて理解する。そうすることで、家庭教育を規定する社会的・文化的な諸条件と家庭教育および家庭教育支援のあり方を考えるための視点を得ることを目的とする。

履修上の留意点

発達心理学や臨床家族社会学といった隣接科目を履修しつつ、あるいは履修した上で本講義を受講すれば理解しやすいだろう。また、新聞、テレビ等で報道される家族や子どもに関する今日的な諸問題あるいは投書欄等の人々の、家族や子どもについての意見に関心を払いつつ講義を聞けば、より一層理解が深まるだろう。

シラバス

テーマ 内容 執筆担当講師名
(所属・職名)
放送担当講師名
(所属・職名)
1 家庭教育と家族の変容 人間発達にとって家族は最も基礎的かつ重要な社会化集団である。そこでなされる養育者から子どもへの働きかけ、すなわち家庭教育は、社会変動の影響を受けることになる。家族構造・家族意識の変化、育児文化の変容について考えることを通して家庭教育と家族の変容について考えよう。

【キーワード】
家庭教育、社会化、家族構造・家族意識の変化、育児文化
田中 理絵
(山口大学准教授)
田中 理絵
(山口大学准教授)
2 家族集団と子どもの社会化 子どもの初期的社会化における家族集団の役割は大きい。子どもは親との相互作用を通して文化を学びはじめ、言語を習得することで知識・技能・思考を獲得していく。第2回では、家族集団における社会化のメカニズムについてみていくことしよう。

【キーワード】
アタッチメント、社会化、第一次集団、手段的役割、表出的役割
田中 理絵
(山口大学准教授)
田中 理絵
(山口大学准教授)
3 育児観と子ども観の変容 育児意識や育児のあり方は時代とともに変化する。親の育児・教育観、子どもの意味と価値はどう変わったか。現代の育児問題や子育ての困難を相対化し、江戸期から現代までの育児観、子ども観の変容を、社会変動との関わりで考える。

【キーワード】
社会化エージェント、子どもの価値、子育ての社会史、家庭教育の誕生、近代家族
天童 睦子
(宮城学院女子大学教授)
天童 睦子
(宮城学院女子大学教授)
4 親になる過程
-親役割の取得
子どもをもつこと、育てることが、家族にとって、また女性の人生の一大イベントとして位置づけられる現代社会において、ライフコースの多様化とともに、親になることの意味、親アイデンティティのあり方も変化している。親役割の取得と「親になること」による親自身の社会化を検討する。また妊娠・出産情報誌の登場と変遷をもとに、子どもをもつことをめぐる女性の意識変化を考える。

【キーワード】
女性のライフコース、未婚化・晩婚化、親アイデンティティ、親役割、親の社会化、生殖医療
天童 睦子
(宮城学院女子大学教授)
天童 睦子
(宮城学院女子大学教授)
5 育児不安 子育てに関してはどの親であっても不安をもつ。だが、育児肯定感を上回るほどの育児不安や長期にわたる育児不安は問題である。育児不安が社会問題化し始めた社会背景と家族構造の変化、育児不安の先行研究、夫婦関係および地域交流と育児不安に関する課題についてとらえる。

【キーワード】
育児不安、育児ノイローゼ、夫の育児態度、出産前の育児不安
田中 理絵
(山口大学准教授)
田中 理絵
(山口大学准教授)
6 父親の育児参加 日本では父親の育児参加が注目され、働き方の見直しといった政策的議論も活発になっている。男女共同参画社会におけるケア役割のあり方を、諸外国の子育て事情にも目配りをしながら考える。また父親の育児参加をめぐる言説と現実を整理し、教育する父親と家族の再生産戦略に関わる、家庭教育の現代的課題を論じる。

【キーワード】
父親の再発見、ケアラーとしての男性、パパ・クオータ、教育する父親、ペアレントクラシー
天童 睦子
(宮城学院女子大学教授)
天童 睦子
(宮城学院女子大学教授)
7 ワーク・ライフ・バランスと家庭教育 家庭教育の課題や充実策を考えるにあたっては、保護者の働き方を考慮することが不可欠である。第7回では、男性労働者を取り巻く労働環境と同時に、女性の働き方にも注目する。ワーク・ライフ・バランスが求められるようになった背景、保護者の働き方をめぐって起こった紛争を概観した上で、子育てしやすい働き方とはどのようなものなのか論じる。

【キーワード】
ワーク・ライフ・バランス、育児休業、総ケア提供者モデル
東野 充成
(九州工業大学准教授)
東野 充成
(九州工業大学准教授)
8 家庭教育支援と地域社会 育児や子育てに関する困難感は、家族の置かれている状況によって増したり軽減したりする。つまり、外部から支援することで家族の状況は改善する可能性があり、現在、家庭教育支援という福祉・教育の網の目が張られようとしている。ただし、それには課題が伴うことも含めて考えてみよう。

【キーワード】
家庭教育支援、乳児家庭全戸訪問事業、アウトリーチ、家族のプライバシー
田中 理絵
(山口大学准教授)
田中 理絵
(山口大学准教授)
9 現代の保育ニーズと保育政策 共働き家庭が一般化するなかで、子どもの発達における保育所や幼稚園の役割は、ますます重要となりつつある。現代の親はどのような保育ニーズを有しているのか、また親の保育ニーズとの関わりで保育政策がどのように展開されてきたのかを概観した上で、保育政策の今後のあり方について論じる。

【キーワード】
新自由主義、保育ニーズ、保育政策、待機児童、保育所民営化、保活
東野 充成
(九州工業大学准教授)
東野 充成
(九州工業大学准教授)
10 しつけの混乱
-親の不安と戸惑い
しつけは、社会化の一形態であり、家庭教育を考える上で欠かせない課題である。家庭のしつけ力の低下を危惧する向きがあるが、はたして現実はどうか。しつけをめぐる不安、混乱の背景をさぐり、社会統制としてのしつけの変容とその現代的課題を理解する。

【キーワード】
家庭のしつけ、社会化と社会統制、見えない教育方法、家庭の教育力、祖父母力
天童 睦子
(宮城学院女子大学教授)
天童 睦子
(宮城学院女子大学教授)
11 ひとり親家庭の現在と支援のあり方 ひとり親家庭とは、母親か父親と未成年の子どもからなる家族形態をさすが、その多くは母子家庭であり、現在、その経済状況などが問題となっている。第11回では、ひとり親家庭の置かれた現状と児童扶養手当の歴史および現況を確認した上で、今後、どのように社会的に支援することができるのか、そのあり方を考える。

【キーワード】
現金給付、現物給付、児童扶養手当、ワークフェア
東野 充成
(九州工業大学准教授)
東野 充成
(九州工業大学准教授)
12 児童虐待はいかに語られるか
-虐待発生のメカニズム
児童虐待ははしばしば、保護者の未熟さや非人情さなどに起因すると語られるが、本当にそうなのだろうか。児童虐待は、社会の側からはどのような要因によるととらえられているのか。また保護者自身にとっては、どのような経験なのか。児童虐待の語られ方という観点から、児童虐待の実相をとらえる。そして、受講者一人ひとりがこの問題にどのように向き合うのかを考える。

【キーワード】
児童虐待、不適切な養育、児童虐待のリスク要因、ナラティヴ
遠藤 野ゆり
(法政大学准教授)
遠藤 野ゆり
(法政大学准教授)
13 虐待された子どもたちのその後
-他者と共に生きる「自立」に向けて
虐待を受けた子どもたちは児童相談所等の介入後、どのように生きていくのか。特に、家族分離し施設で暮らす子どもたちの発達はどのように保障されるのか。虐待が子どもたちに及ぼす影響やそこからの回復プロセスと、そのプロセスをすすめる上での施設養育の制度上の課題をとらえ、社会のなかで子どもを育てること、ひとがひととして自立する意味をとらえる。

【キーワード】
社会的養護、他者イメージのゆがみ、自己イメージのゆがみ、施設で暮らすこと、人生の意味の選択、自立
遠藤 野ゆり
(法政大学准教授)
遠藤 野ゆり
(法政大学准教授)
14 親子関係と子どもの問題行動 現代では、子どもの問題行動の原因・責任は、親のしつけ態度あるいは不適切な親子関係にあると考えられる傾向がみられる。一般少年と非行少年の比較調査結果を概観しながら、親子関係と子どもの問題行動との関連、親の子育てに関する自信の変化について考える。

【キーワード】
少年非行、重要な他者、子育ての自信、親子関係
田中 理絵
(山口大学准教授)
田中 理絵
(山口大学准教授)
15 現代の家庭教育の課題 多様化・個人化する社会のなかで家族はどのように変化してきたか。また、そうした家族の変化は子どもの発達にどのように影響するのか。今後の家庭教育支援の方向性とともに家族のあり方について考える。

【キーワード】
家族の孤立化、個人化、医療化、社会的ネットワーク
田中 理絵
(山口大学准教授)
田中 理絵
(山口大学准教授)
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