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証券市場と私たちの経済('15)

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主任講師
野間 敏克 (同志社大学教授)
放送メディア
ラジオ
放送時間(2018年度)
第1学期:(日曜)21時30分~22時15分

講義概要

2008年のリーマンショックの時、証券市場で生じた問題が金融システム危機につながり、世界同時不況をもたらした。証券市場は、情報通信技術の発達や金融技術革新によって様変わりしており、社会的役割や経済に与える影響も変化している。日本では国民の大部分が預貯金だけを貯蓄手段とし、証券市場との直接的関係は薄かった。しかし企業や政府は証券市場に大きく依存しており、銀行や投資信託を通して、間接的には証券市場と国民生活との関係は密接になっている。この講義では、重要性を増している証券市場の仕組みを学び、それが私たちの経済社会に与える影響を幅広い観点から考える。
※詳しくはシラバス

開設年度
2015年度
科目区分
コース科目(全コース開設(総合科目))
〔2009年度~2015年度〕総合科目
〔2008年度以前〕専門科目(その他)
科目コード
1847546
単位数
2単位
単位認定試験
試験日・時限
2017年度 第2学期:2018年1月28日(日曜)6時限(15時35分~16時25分)
2018年度 第1学期:2018年8月1日(水曜)5時限(14時25分~15時15分)
単位認定試験
平均点
(2016年度 第2学期)71.3点
(2017年度 第1学期)76.8点
備考
「消費者と証券投資('07)」「消費者と証券投資('11)」の単位修得者は履修不可
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授業の目標

大きく分けて三つの目標がある。第一に、証券市場の仕組みと機能の基礎を学ぶこと、第二に、新しい証券投資の手段や金融技術を知ること、そして第三に、それらを生活者として利用するために、証券市場の動向を見る目を養い経済社会に与える影響を理解することである。この講義は、様々な人々にとって有益だろう。目の前の資産運用が大きな関心となっている高齢者、住宅ローンを抱え老後が心配な現役世代、国債や年金という負担を押しつけられそうな若年世代など、多くの人にとって、証券市場の動向を知り、その機能を最大限に発揮させることは大きな生活課題であり、政策課題でもある。

履修上の留意点

「経済学入門」「現代経済学」「社会と銀行」を履修していることが望ましい。

シラバス

テーマ 内容 執筆担当講師名
(所属・職名)
放送担当講師名
(所属・職名)
1 金融と証券 金融取引とは何か、それにどのような特徴や課題があって、金融市場や金融機関がどう対応しているのかを理解する。また日本の金融制度の基礎を学び、その中の有価証券の種類と代表的な証券市場を紹介する。

【キーワード】
貯蓄、借入、情報の非対称性、情報生産、不確実性、金融機関、金融市場、間接金融、直接金融、証券市場、発行市場、流通市場
野間 敏克
(同志社大学教授)
野間 敏克
(同志社大学教授)
2 家計貯蓄と証券 家計は、最大の貯蓄主体として巨額の金融資産ストックを保有している。しかしフローでみると、日本の貯蓄率は急速に低下した。その事実をデータで確認し、原因をさぐってみると、人口の高齢化や経済成長の低下と密接に関係していることがわかる。また、欧米に比べ証券保有の少ない日本でも、高齢者の高貯蓄者は比較的証券を保有している。その意味についても考えよう。

【キーワード】
貯蓄率、部門別資金過不足、ライフサイクル、流動性制約、高齢化、ジニ係数、金融資産構成
野間 敏克
(同志社大学教授)
野間 敏克
(同志社大学教授)
3 企業と証券市場 最大の赤字主体であった企業が行ってきた資金調達を振り返り、資金調達の決定に関する理論的な考え方を学ぶ。外部資金に依存する企業においてはエージェンシー問題が発生する。それを解決するコーポレート・ガバナンスの問題も資金調達と密接に関係していることを理解する。

【キーワード】
負債と資本、企業価値、資本コスト、モディリアーニ・ミラーの定理、エージェンシー問題、コーポレート・ガバナンス
野間 敏克
(同志社大学教授)
野間 敏克
(同志社大学教授)
4 リスクと証券 証券によるリスク移転の機能を確認し、証券のリターンがリスクと密接に関係していることを学ぶ。投資を分散することによるリスク軽減効果などのポートフォリオ理論の基礎を、数字や数式も使いながら学ぶ。

【キーワード】
リターン、リスク、標準偏差、分散投資、ポートフォリオ理論、CAPM、リスク指標、ベータ
野間 敏克
(同志社大学教授)
野間 敏克
(同志社大学教授)
5 株式の役割 出資による資金調達の意味を理解する。譲渡自由の原則、有限責任制、所有と経営の分離など、現代の株式会社の特徴を学ぶ。コーポレートガバナンスのあり方について考察する。投資者の立場から株価の投資尺度と、株価と資金配分の効率性の関係を理解する。

【キーワード】
出資、譲渡、有限責任、所有と経営の分離、株主総会、コーポレートガバナンス(企業統治)、配当利回り、PER(株価収益率)、PBR(株価純資産倍率)
清水 葉子
(福井県立大学准教授)
清水 葉子
(福井県立大学准教授)
6 証券取引の仕組み 証券取引所と証券会社が証券の流通に果たす役割を理解する。証券取引所の諸制度と、市場間競争や取引所の株式会社化など新しい動きを学ぶ。証券会社の業務を理解し、インターネット証券の登場や証券販売チャネルの拡大などの変化について学ぶ。

【キーワード】
証券取引所、上場、清算と決済、自主規制、ブローカー業務、ディーラー業務、アンダーライティング業務、セリング業務、市場間競争、インターネット証券
清水 葉子
(福井県立大学准教授)
清水 葉子
(福井県立大学准教授)
7 債券投資の基礎 国債や社債などの債券は預金、株式と並んで個人投資家にとって重要な投資対象の一つである。本章では、債券の基本的性格と種類、発行条件といった基礎知識について説明し、その後に金利・債券の利回りと価格との関係、債券投資の性格とリスクについて説明する。

【キーワード】
債券、利回り、債券の価格、債券投資のリスク、格付け
須藤 時仁
(獨協大学教授)
須藤 時仁
(獨協大学教授)
8 国債市場拡大の意味 債券のなかで、発行市場でも流通市場でも最も大きな比重を占めるのが国債である。国債の種類や発行の仕方を整理した後、国債のリスクとリターンについて学ぶ。また、日本の国債発行と国債残高の推移を振り返り、それが経済社会全体にもっている意味を考えよう。

【キーワード】
国債発行市場、国債流通市場、個人向け国債、物価連動債、リスク、リターン
野間 敏克
(同志社大学教授)
野間 敏克
(同志社大学教授)
9 証券市場の社会的役割 証券市場は、資金配分やリスク配分の機能をはじめ、いくつかの機能をもっている。それらの機能が発揮されるためには、投資家が合理的で証券市場が効率的であることが重要なことを理解しよう。だが、実際には投資家は非合理だとする行動ファイナンスの議論もさかんに行われている。

【キーワード】
資金配分、リスク配分、資源配分、証券価格、トービンのq、効率的市場、アノマリー、行動ファイナンス
野間 敏克
(同志社大学教授)
野間 敏克
(同志社大学教授)
10 バブル経済と証券 証券市場では、しばしばバブルが発生する。代表的なバブルの構図とその影響を振り返り、いくつかの共通点をさがそう。その後、代表的なバブルの理論を学び、最後に、日本の80年代後半のバブルの背景、原因、結末などを整理する。

【キーワード】
チューリップ・バブル、南海泡沫事件、大恐慌、配当割引モデル、合理的バブル、プラザ合意、円高不況、ブラックマンデー
野間 敏克
(同志社大学教授)
野間 敏克
(同志社大学教授)
11 投資信託の魅力 投資信託はその特性により、家計の主要な資産運用商品として期待されている。またNISA(少額投資非課税制度)の創設などにより、その重要性は増すことが予想される。本章では、投資信託の基礎的な仕組みと、家計が自らに適した投資信託を選別するために必要な情報等について理解することを目的とする。

【キーワード】
投資信託の仕組み、投資信託の手数料、投資信託の分類、目論見書、運用報告書、NISA(少額投資非課税制度)
若園 智明
(日本証券経済研究所主任研究員)
若園 智明
(日本証券経済研究所主任研究員)
12 証券投資における投資家保護 証券への投資は自己責任原則に基づく。しかしながら、このような自己責任原則を求めるためには、十分な投資家保護制度が整備される必要がある。本章では、日本の投資家保護制度の概要を理解し、また、広い意味での投資家保護と言える家計が備えるべき金融知識の普及・啓発について考えることを目的とする。

【キーワード】
自己責任原則、金融商品販売法、金融商品取引法、預託資産の分別管理、投資者保護基金、金融ADR制度、金融知識の普及・啓発
若園 智明
(日本証券経済研究所主任研究員)
若園 智明
(日本証券経済研究所主任研究員)
13 証券化商品 新しい金融商品のなかには、証券化技術を駆使したものも増えている。証券化の仕組みと、それによって投資対象となった代表的な商品の特徴を学ぶ。また、複雑化した金融の仕組みが新たな問題を生み出していることを、サブプライム問題を通して知る。

【キーワード】
市場型間接金融、資産担保証券、RMBS、REIT、サブプライム・ローン
野間 敏克
(同志社大学教授)
野間 敏克
(同志社大学教授)
14 デリバティブ 証券市場では、デリバティブと呼ばれる金融派生商品の開発がすすみ、既存の金融商品と組み合わせることで自らリスクヘッジする手段も増えてきた。複雑にみえるデリバティブのうち先物とオプションを取り上げて特徴を解説し、利用の仕方を考える。

【キーワード】
リスクヘッジ、先物、証拠金、差金決済、裁定取引、投機、スワップ、オプション
野間 敏克
(同志社大学教授)
野間 敏克
(同志社大学教授)
15 財政危機、通貨危機、金融危機 金融技術の発達、グローバル化、金融化などによって新たな金融危機が生まれ、財政との関係も密接になっている。現代社会が抱えている金融リスクに、消費者や企業がどう対応するのか考え、証券市場においても「信用」が最も重要なことを再確認する。

【キーワード】
グローバル化、金融化、財政危機、ギリシャ危機、ソブリンリスク、ユーロ危機、金融安定理事会、証券監督者国際機構
野間 敏克
(同志社大学教授)
野間 敏克
(同志社大学教授)
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