ヨーロッパの歴史Ⅰ(’15)

主任講師: 草光 俊雄、甚野 尚志

歴史を考える枠組みについての知識を歴史学の発展とともに歴史学がおかれていた時代のなかで歴史についての見方がどのように変わったきたのか理解し、現代の課題は何かを学ぶ。 検討中リストに追加

各回のテーマと放送内容

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第1回 イントロダクション
ヨーロッパとは何か、またヨーロッパ史における時代区分とは? これまでなじみ深かったヨーロッパ史の前提を再考し、新しいヨーロッパ像を模索する。
担当講師: 草光 俊雄 (放送大学教授) 甚野 尚志 (早稲田大学教授)
第2回 新しい古代地中海世界像とローマ帝国像を求めて
20世紀最後の20年間、古代地中海世界とローマ帝国の地中海世界支配に関するそれまでの定説(M. I. フィンレーの プリミティヴ経済論、M. ゲルツァーのクリエンテーラ論など)に対する強い異論が示され、新しい古代地中海世界像、ローマ帝国像が模索され始めた。従来、古代地中海世界とローマ帝国の基本的な性格はどのように考えられていたのか、そして新しい古代地中海世界像・ローマ帝国像ではどのような歴史像が示されるのかを考えたい。
担当講師: 島田 誠 (学習院大学教授)
第3回 西欧中世世界の成立 ~古代から中世への転換~
西欧中世の世界は、フランク王国が勢力を拡大し、教皇権と協力しながら西の帝国を復興させることで成立した。教皇によるフランク王カールの皇帝戴冠はその決定的な瞬間である。ここでは西欧世界において、ビザンツ帝国の影響を脱した独自のキリスト教帝国が形成された過程を考える。
担当講師: 甚野 尚志 (早稲田大学教授)
第4回 キリスト教の浸透と辺境地域
カロリング時代に司教座や修道院の教会組織は整備されたが、キリスト教が民衆のなかに浸透するのは容易ではなかった。ここでは、ローマ・カトリック教会がゲルマンの異教世界をキリスト教化し、さらにはレコンキスタなどの運動を通じて、ローマ・カトリック世界を辺境地域に拡大していった過程を考える。
担当講師: 甚野 尚志 (早稲田大学教授)
第5回 写本から印刷術へ ~書物の文化の発展~
初期中世には、カロリング時代の教会改革とともに聖書やラテン語古典の写本の文化が開花し、13世紀の大学成立の時期になると、書物には頁や索引が付され、より合理的な知識の検索ツールとなる。そのような書物の発展が活版印刷の発明を導き、書物の大量生産の時代を到来させた。その過程を考える。
担当講師: 甚野 尚志 (早稲田大学教授)
第6回 中世の民衆と文字文化
中世の民衆の間で、いかに俗語の文字文化を発展していったかを中世後期まで辿る。とくに、都市の実務文書と俗語文字文化との関係や、「往生術」、「死の舞踏」といった宗教的な木版印刷が俗語文字文化の発展にどのようにかかわったかを考察する。
担当講師: 甚野 尚志 (早稲田大学教授)
第7回 「神の国家」から「人の国家」へ(Ⅰ)
カトリック教会に支配されていた中世人の国家観と、その教会によって「世界支配の付託」を受けたとされる中世神聖ローマ帝国の実態の間にある「溝」を読み解きながら、中世人が「神の国家」観を現実の変化にすり合わせるための「工夫」を行う足跡とその結末をたどる。
担当講師: 皆川 卓 (山梨大学准教授)
第8回 「神の国家」から「人の国家」へ(Ⅱ)
マキャヴェリからプーフェンドルフを経てヴォルテールに至る神聖ローマ帝国論を水先案内人として、権威を介さず自ら「神」を求めようとする近世人が、いつしか「神の国家」を経験的に探究する=科学するようになり、その中で近代の国家像、主権観が生成する過程を明らかにする。
担当講師: 皆川 卓 (山梨大学准教授)
第9回 儀礼と表象、感性からみる歴史 ~歴史人類学の挑戦~
人類学の視座、解釈枠組みを吸収することで生まれてきた「歴史人類学」について、その成立に至る背景と成果をたどり、この半世紀の間に、歴史学の視点が大きく変化してきたこと、人間の過去を理解する新しい可能性が切り拓かれてきたことを考える。
担当講師: 長谷川 まゆ帆 (東京大学教授)
第10回 オーラルとエクリの間(あわい) ~近世期の「個人の語り」について~
印刷や書物の歴史はいまや人類学の視座や隣接諸科学の方法を積極的に吸収しながら、人間のエクリすなわち「書かれたもの」との関わり、読み、書き、話す、ロゴスをもつ人間の歴史そのものを再検討しつつある。ここではこうした新しい歴史学の一端を垣間見ながら、近世期の「個人の語り」とその変容について考える。
担当講師: 長谷川 まゆ帆 (東京大学教授)
第11回 作法と教養
長い十八世紀はひとびとの暮らしぶりが大きく変化していった時代である。商業社会・消費社会は現世的な価値観を変革し、生きることの意味、生活のスタイルの変化をもたらした。作法、教養といった近代社会固有の価値観が生まれた背景を探る。
担当講師: 草光 俊雄 (放送大学教授)
第12回 近代イギリスにおける「古代」と「中世」
十九世紀は歴史の時代であった。過去への関心が変貌していく現代との対比で語られ、古代、中世、ルネサンスなどの文化を復興させようとする試みが活発に行われた。当時のひとびとが何故過去を求めようとしたのか、同時代の社会の諸問題を考えながら検討する。
担当講師: 草光 俊雄 (放送大学教授)
第13回 産業革命をどう捉えるか
産業革命、工業化は物質的な豊かさとともに社会の構造的な転換をももたらした。しかし産業革命とは何だったのか。時代によって解釈が変化してきた産業革命論を概観し、ある歴史的な現象が研究者の直面している時代によってどのようにその解釈が変わってきたのかを考えてみる。
担当講師: 草光 俊雄 (放送大学教授)
第14回 近代人の時間の観念:仕事と余暇
現代のわれわれは電車が時刻通り到着することが当たり前だと思っている。しかしこうした時間についての考え方は近代の産物である。近代にとって時間とはどのようなものになっていったのか、なぜわれわれは時間を守ることが大切と思うようになったのか、仕事と余暇とは我々にとってどのような意味を持つのかなどについて考えてみる。
担当講師: 草光 俊雄 (放送大学教授)
第15回 ヨーロッパ史への招待
主任講師たちが研究を始めてからの歴史学の潮流を辿りつつ、自らの研究と大きな歴史学の流れについて論じながら、今後の歴史研究の展望について考えるよすがを示唆する。
担当講師: 草光 俊雄 (放送大学教授) 甚野 尚志 (早稲田大学教授) 長谷川 まゆ帆 (東京大学教授)

放送メディア:

テレビ

放送時間:


2017年度 [第1学期] (木曜)
15時15分〜16時00分
2016年度 [第2学期] (日曜)
18時15分〜19時00分

単位認定試験 試験日・時限:

2017年度 [第1学期]
2017年7月23日 (日曜)
3時限 (11時35分~12時25分)

単位認定試験 試験日・時限:

2016年度 [第2学期]
2017年1月22日 (日曜)
1時限 (9時15分~10時05分)

開設年度:

2015年度

科目区分:

共通科目

科目コード:

1118170

単位数:

2単位
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