科学的探究の方法(’11)

主任講師: 濱田 嘉昭

実験や観察は自然現象を探究する重要な方法であり、理論的考察と合わせて自然科学の両輪になっている。最近では、計算機によるシミュレーションも科学的探究に欠かせないツールになってきた。これらの基本的な理解あるいは使用に関する一般的な注意事項を知る。それにより、得られる結果に対する正しい評価ができ、正しい判断が下せることになる。すべての実験法や観察法、およびそれらの操作法を紹介することはせず、それらに共通する事柄を学ぶことを目標とする。 検討中リストに追加

各回のテーマと放送内容

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第1回 科学とは何か
科学は人が行う文化的な活動とどこがどのように違うのか。歴史的な発展を振り返ることで科学の特徴を考えて見たい。科学というと一般的には、自然科学を思い浮かべるが、人文科学や社会科学とはどのような特徴があり、それぞれにどのような違いがあるのかを考える。
担当講師: 濱田 嘉昭 (放送大学名誉教授) 青木 久美子 (放送大学教授) 三輪 眞木子 (放送大学教授)
第2回 科学における用語と表現
科学は厳密に定義された専門用語を用いる。多くの科学者が共通の基盤に立って、情報を交換し、議論を進める上で必要なことである。一方で、このことが日常生活で用いられる言葉使いや、話の進め方と乖離しているため、専門家と非専門家との間の意志疎通の原因あるいは専門学術への不信にもつながる可能性がある。専門・学術用語について考える。
担当講師: 濱田 嘉昭 (放送大学名誉教授) 青木 久美子 (放送大学教授)
第3回 何を問題にするのか
科学では何を問題にするのか。どのように問題を設定するのかなどについて考える。何が未解決の問題であるのかをどのようにして調べるのかについて学ぶ。卒業研究や大学院修士課程での課題設定において、どのようなテーマにすべきかについても話す。
担当講師: 濱田 嘉昭 (放送大学名誉教授) 青木 久美子 (放送大学教授)
第4回 研究の準備
科学研究は人が行う文化活動の一つであるから、それらを始めるに際する心構えや準備の必要性は科学に特別なものではない。しかし、科学研究に特有の準備もある。一方、研究結果が自己満足だけではなく、人の文化にとって意味あるものとなるには、研究を始めるに際して、いくつかの考えておかなければならないことがある。本章では研究テーマの決め方、先行研究を確認することの意味を考えてみたい。
担当講師: 濱田 嘉昭 (放送大学名誉教授) 青木 久美子 (放送大学教授) 三輪 眞木子 (放送大学教授)
第5回 研究のプロセス
どのような研究も、実際のプロセスは単純ではなく、試行錯誤の連続、あるいは初期のテーマとは異なる方向へ進む場合もある。どのようなプロセスで研究が進むはずであるかについて考察する。
担当講師: 濱田 嘉昭 (放送大学名誉教授) 青木 久美子 (放送大学教授)
第6回 領域の拡大
自然現象はヒトの五感をはるかに越えた領域で生起している。あるいはわれわれが五感で感じられるのは自然現象のほんの一部であることを知ることは重要である。一方で、五感を越える検出器や観測装置を考案し、利用することはわれわれの認識の範囲を拡大することに繋がる。これらについて論じる。
担当講師: 濱田 嘉昭 (放送大学名誉教授) 青木 久美子 (放送大学教授)
第7回 自然(社会)に働きかける
自然現象や社会現象は観察するだけでは、その現象が起こっている原因あるいは法則性を見出すことができない場合がある。そのような場合の実験的な方法が、何らかの方法による介入的な観察である。どのような観察・観測があり、その結果をどのように取り扱うべきかを考える。
担当講師: 濱田 嘉昭 (放送大学名誉教授) 青木 久美子 (放送大学教授)
第8回 データの整理
観測した結果がデータであるが、これはそのまま、求めるべき情報をそのまま反映したものであろうか。実際のデータはさまざまな理由により、真実の情報とは異なっている。多くのデータを処理する場合の基本的な注意点を考える。
担当講師: 濱田 嘉昭 (放送大学名誉教授) 青木 久美子 (放送大学教授)
第9回 原因と結果
自然(社会)現象はさまざまな要因と相互作用をしている。それらの関連を解明することが現象の正しい理解となる。観察・測定の結果の信頼性の評価に加え、他の現象との関連・相関を考察することも重要である。この場合、解析を誤ると、原因と結果の関係も誤ることにも繋がる。これらのことについて考察する。
担当講師: 濱田 嘉昭 (放送大学名誉教授) 青木 久美子 (放送大学教授) 
第10回 分類と法則の表現
実験・観察によって信頼できるデータが集まったなら、それらを整理する。整理の仕方によっては生のデータの集合だけでは見えなかった新たな発見があるかもしれない。整理・分類の仕方が研究の質を決めるとも言える。自然科学の研究ではより一般的で本質的な法則を求め、できるだけ数理的な言葉に置き換えることを目指している。一方、そのようにして得た法則を具体的な現象に適用する上では適用範囲に関して注意が必要である。
担当講師: 濱田 嘉昭 (放送大学名誉教授) 青木 久美子 (放送大学教授)
第11回 視野の拡大
科学の営みは、結局として、自然あるいは社会をより広い立場で観ることであると言い直すこともできる。井の中の蛙(かわず)が外へ飛び出して、それまで見えなかった世界を知りたいという願望を叶える活動であったわけである。一方、井の中にあっても、知識を集め、合理的に考えることで、井の外に出なくてもある程度は理解できるようにもなれる。広い立場でものが見えるとはどのようなことなのかを考えよう。
担当講師: 濱田 嘉昭 (放送大学名誉教授) 三輪 眞木子 (放送大学教授) 
第12回 研究成果の利用
研究の成果をまとめて世に問う最終形態が論文である。研究によって発見した現象、新しい考え方などを人類の知的財産として付け加えるものと言える。したがって、著者以外に理解できる文章と筋立てがなければならない。論文といっても、専門分野の学術誌への投稿論文から一般誌の解説記事など様々あるが、ここでは主に大学院や学部での研究論文であり日本語で書く場合を想定して考えることにする。
担当講師: 三輪 眞木子 (放送大学教授)
第13回 論文の書き方
科学的な研究で得られた成果を広く市民に公開し、自然や文化に関する知識を深め、知的好奇心を啓蒙するために、博物館などでの展示が行われ、大学や公的機関の公開講演や展示も盛んである。これらを積極的に利用することは市民の文化活動としても重要である。これらについて考えてみよう。
担当講師: 濱田 嘉昭 (放送大学名誉教授) 
第14回 研究成果の発表と討論
研究成果をまとめて世に問う最終形態は論文であるが、その成果を口頭発表という形で人前で公表する機会も研究者には多々ある。論文による発表は印刷媒体または電子媒体の形で残るものであるが、口頭発表は一過性のものであり、その目的は成果の公表のみならず、他の研究者からのフィードバックを得ることにもある。口頭発表には、授業の課題としての発表から、学会や研究会による発表、及び、学位論文取得のための口頭発表・口頭試問、と様々である。ここでは、主に、学会・研究会における発表を中心に考えることにする。
担当講師: 青木 久美子 (放送大学教授)
第15回 科学の使命
現代の科学や技術の多くの研究は個人の趣味で行うものから、社会が支え社会に還元されるものとして行われている。研究体制、人員、資金は社会構成員の協働で成立しているのである。研究の結果は迅速で、しかも大きな影響を社会に与える場合が多い。したがって、科学の研究方向、結果の受容に社会構成すべてが責任をもつことになる。そのためには、科学研究の意味を理解できる基本的な知識を社会構成員が広くもつ事が必要になる。
担当講師: 濱田 嘉昭 (放送大学名誉教授) 青木 久美子 (放送大学教授) 三輪 眞木子 (放送大学教授) 

放送メディア:

テレビ

放送時間:


2016年度 [第2学期] (金曜)
16時00分〜16時45分

単位認定試験 試験日・時限:

2016年度 [第2学期]
2017年1月22日 (日曜)
8時限 (17時55分~18時45分)

開設年度:

2011年度

科目区分:

基礎科目

科目コード:

1233912

単位数:

2単位
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