市民のための健康情報学入門(’13)

主任講師: 戸ヶ里 泰典、中山 和弘

この授業では、受講者が、自身の健康を決める力を身につけ、健康にかかわる問題が起きて選択にせまられた時に、こうした力を活用しよりよい生活を送れるようになることを最終目標とする。 検討中リストに追加

各回のテーマと放送内容

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第1回 健康における情報と意思決定
メディアにあふれる健康や医療の情報から、適切な情報を探し、理解し、活用する力が自らの健康を決定していることを学習する。わたしたちのふだんの行動が健康に影響しているからで、その影響の大きさについて知る。また、医療は不確実なものであるために、どのような情報が信頼できるものなのか、情報とリスクについても概説する。
担当講師: 中山 和弘 (聖路加国際大学教授)
第2回 より良い意思決定とは何か
健康や医療においては情報に基づく意思決定が重要である。本章では、まず情報とは何かについて、データや知識との違いや知識の持つ重要性などから解説する。その情報を用いて、その人に合ったよりよい意思決定をするために、どのような意思決定の方法があるのか、そのとき必要になること、葛藤やジレンマ、支援の必要性について学習する。
担当講師: 中山 和弘 (聖路加国際大学教授)
第3回 信頼できる情報とは① エビデンスに基づいた情報
治療から健康法にいたるまで、保健医療サービスはエビデンスと呼ばれる科学的根拠に基づいて行われている。エビデンスには、低いランクから高いランクまでレベルが存在している。情報がどのランクなのかを踏まえることでより良い意思決定に近づくことができる。エビデンスはどこを探せば出てくるのか、ランクはどのように見抜けば良いのか、そしてエビデンスを利用する際にどのような注意点があるのか、具体例を交えながら説明していく
担当講師: 戸ヶ里 泰典 (放送大学教授)
第4回 信頼できる情報とは② ナラティブ情報
患者やその家族が経験を語ることをナラティブ(Narrative)と呼ばれている。かつてナラティブは医療を混乱させるものとして、排除される傾向にあった。しかし近年ではナラティブに光が当てられてきている。ナラティブに基づいた医療(Narative Based Medicine)と言われる用語も出現してきている。ここでは、ナラティブとは何かに始まり、ナラティブがなぜ医療者・患者・市民にとって重要であるのか、どのように活用するのか説明する。
担当講師: 戸ヶ里 泰典 (放送大学教授) ゲスト:星野 史雄(元東京家政大学非常勤講師)
第5回 インターネット上の保健医療情報の見方探し方
インターネットは私たちの生活の中で欠かせないものとなってきている。インターネットを利用することは、健康につながっていることも示されている。その一方でインターネットには様々な情報があふれ、信頼できない情報を提供するサイトもまた多く存在している。こうしたインターネット上の健康情報の見方や情報の手に入れ方については様々な注意が必要である。いかにして注意し、いかにしてうまく利用するかを説明する。
担当講師: 中山 和弘 (聖路加国際大学教授)
第6回 医療の質を評価する視点
質の高い医療とはどのようなものであろうか?。個人の健康や満足度を高めることが医療の目的だとすると,医療の結果としての個人の健康や満足度を測定すればよいのかもしれない。しかし,その過程で適切とはいえない治療が行われていたら,それは質の高い医療と言えるだろうか?。本章では,医療の質を評価する視点について,また,医療技術が開発される段階で,医療技術の有効性をいかに評価するか,その方法論を検討する。
担当講師: 山本 武志 (札幌医科大学講師) ゲスト:緒方 泰子(東京医科歯科大学教授)
第7回 健康情報のコミュニケーションとヘルスリテラシー
前章まで、主に情報の見方や探し方について述べてきたが、情報は集めるだけでなく、知識として理解し、自分や周囲の人々の健康の維持・改善のために活用できなければ意味がない。健康や医療に関する情報を集め、理解して活用するためのスキルや能力を、ヘルスリテラシーと呼ぶ。この章では、本講義のキーワードの1つでもあるヘルスリテラシーとは何か、ヘルスリテラシーが高いとどのような良いことがあるのか、低いとどんな問題があるのかを解説する。
担当講師: 石川 ひろの (東京大学大学院准教授)
第8回 患者・医療者関係の変化と協働の医療
医療というサービスや職業としての特殊性から、医療における対人関係、特に患者と医師との関係は、古くから議論されてきた。近年、その関係が大きく変化している。患者中心の医療や協働の医療などのモデルが提唱され、患者-医療者間での情報や意思決定の共有が重視されるようになった。本章では、古典的な患者-医療者関係のモデルと特徴を紹介した上で、こうした変化について情報とコミュニケーションという観点から解説する。
担当講師: 石川 ひろの (東京大学大学院准教授)
第9回 専門家とのコミュニケーション実践法
近年、診療ガイドラインの公開やクリニカルパスの使用など、患者が医療者と協働して治療のプロセスに積極的に参加することのできる機会が増えてきている。本章では、診療ガイドラインおよびクリニカルパスとは何か、患者や市民にとってどのような意義をもつかについて解説する。その上で、このような医療者との情報共有のための新しいツールの利用を含め、医療機関において、医療者とうまくコミュニケーションをとっていくために、私たちはどのようなことができるか考える。
担当講師: 石川 ひろの (東京大学大学院准教授) ゲスト:山口 育子(NPO法人ささえあい医療人権センターCOML)
第10回 医療安全とコミュニケーション
医療は人々の健康を守り,寿命の延長の一助となる役割を果たしてきた。その一方で臨床的医原病といわれるように,医療そのものが害を及ぼす可能性を孕んでいる。リスクを伴う治療法の意思決定には,正確でわかりやすい情報提供が必要だが,医療専門職はコミュニケーションのための十分な教育を受けていない。安全な医療が提供されるために教育や医療の現場で取り組まれている様々な方略について提示し,議論する。
担当講師: 山本 武志 (札幌医科大学講師) ゲスト:橋本 廸生(日本医療評価機構執行理事)
第11回 代替医療・健康食品との付き合い方
現代医療ではなく、民間療法やサプリメントなどの健康食品を使用したり、併用する人が増えている。例えばがん患者の約半数はこうした補完代替医療を行っていると言われている。しかしそのほとんどは有効性と安全性の検証は十分に行われていない。一方で、病だけでなく心身を含め人間を包括的に診る医療が期待されており、代替医療への注目も高まっている。こうした代替医療や健康食品とはどのようにすればうまく付き合っていくことができるのか、わかりやすく説明する。
担当講師: 津野 陽子 (東京大学政策ビジョン研究センター特任助教) ゲスト:本江 朝美(横浜創英大学教授)
第12回 ヘルスプロモーションと地域づくり
健康とは身体的、精神的、社会的に完全に良好な状態を言い、単に疾病あるいは病弱でないということではないと言われている。どうすれば病気にならずに済むのかだけでなく、どうすれば健康になれるのかを考えることも重要である。こうした中ヘルスプロモーションと呼ばれる世界的な健康づくりの戦略が提示されている。このヘルスプロモーションと、その骨子である個人の能力の向上と、地域環境づくりの重要性について説明する。
担当講師: 津野 陽子 (東京大学政策ビジョン研究センター特任助教)
第13回 生活習慣と環境を変える方法
より健康的な生活を送るために、例えば、食べ過ぎ、運動不足、喫煙、飲酒といった病気になりやすい生活習慣を修正していく必要がある。あるいは、より健康的なライフスタイルや考え方にシフトさせていく必要がある。こうした変化は病院に行き薬をもらうことでは生じない。エビデンスに基づいたりナラティブに基づく情報も重要であるし、心がけも重要である。どのようにすればライフスタイル、さらには身の回りの環境も変化させることができるのかを説明する。
担当講師: 津野 陽子 (東京大学政策ビジョン研究センター特任助教)
第14回 人と人とのつながりと健康
人と人とのつながりが広いほど健康で長生きであることが分かっている。また、信頼関係が強かったり、お互いに助け合う(ソーシャルキャピタルが高い)土壌で生活するほどそこの住民は健康になると言われている。さらに、こうした地域=コミュニティは物理的な地域を超えweb上にもある。特にソーシャルメディアを通じての情報交換や支援関係は健康に関する側面においても新たな展開を迎えており、その可能性と注意点について解説していく。
担当講師: 中山 和弘 (聖路加国際大学教授) 戸ヶ里 泰典 (放送大学教授)
第15回 健康を決める力とは
健康につなげていくための知識と見識を身につけるべく、情報を探し、理解し、活用するスキルであり力であるヘルスリテラシーを軸に保健・医療にかかわるミクロからマクロまでの様々なトピックを14回にわたって扱ってきた。最終回では、私たちの健康を決める力とは何かについてこれまでの講義内容を俯瞰したうえで改めて考えていきたい。
担当講師: 戸ヶ里 泰典 (放送大学教授) 中山 和弘 (聖路加国際大学教授) 石川 ひろの (東京大学大学院准教授) 山本 武志 (札幌医科大学講師) 津野 陽子 (東京大学政策ビジョン研究センター特任助教)

放送メディア:

ラジオ

放送時間:


2017年度 [第1学期] (木曜)
8時15分〜9時00分
2016年度 [第2学期] (水曜)
11時15分〜12時00分

単位認定試験 試験日・時限:

2017年度 [第1学期]
2017年7月26日 (水曜)
2時限 (10時25分~11時15分)

単位認定試験 試験日・時限:

2016年度 [第2学期]
2017年1月29日 (日曜)
1時限 (9時15分~10時05分)

開設年度:

2013年度

科目区分:

基礎科目

科目コード:

1234102

単位数:

2単位
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