宇宙を読み解く(’13)

主任講師: 吉岡 一男、海部 宣男

宇宙について現代の市民が教養として持つべき基本的な認識を、歴史的考察から現在の最先端のテーマまで、文系の受講生にも十分わかりやすい形で展開し把握してもらうことが目標である。個々の天体の具体的解説は専門科目に譲り、従来の宇宙の講義にはない切り口を工夫し、物語的要素を全体の縦糸として展開することで、宇宙の奥深さ、それを理解する楽しさを伝えたい。さらに、サイエンス・コーディネータにアシスタントとしてビデオ授業に毎回参加してもらい、変化のある楽しい講義とすることを目指す。 検討中リストに追加

各回のテーマと放送内容

※テーマをクリックすると授業内容が表示されます。

第1回 宇宙の認識と宇宙の広がり
本講義のイントロダクション。古代の人々の宇宙の認識、神としての天体や星座、5惑星の占星術から始まって、人間の科学的認識の発展をロケを交えて述べる。さらに、観測を重ね、望遠鏡の発展とともに広大に広がって膨張宇宙とその歴史にまで至った人間の宇宙認識を概観する。「宇宙」という果てしない存在と人間との係わり合いを、まず把握していただきたい。
担当講師: 海部 宣男 (国立天文台名誉教授)
第2回 新しい太陽系への展開 【改訂】
太陽系の理解は、観測の進歩と無人探査機の活躍により、急速に進んでいる。かつての太陽系のイメージは一変した。はるか遠方に無数の外縁天体が発見されて、冥王星の位置付けも大きく変化した。こうした太陽系の新しい観測を踏まえて、拡がってゆく太陽系の構造と新たに展開しつつある太陽系の形成論を解説する。さらに1995年以来続く発見によって見えてきた驚くべき太陽系外惑星の世界と今後の展望を紹介し、宇宙の中での私たちの太陽系についても考える。
担当講師: 海部 宣男 (国立天文台名誉教授)
第3回 重力とは何か:ガリレオからアインシュタインへ
宇宙を支配する基本的な力は、重力である。初めて重力を明確に考察したガリレオから、その天体への応用・体系化によって力学的世界観を作ったニュートン、そして重力と空間構造の結びつきを見出したアインシュタインや原子の世界まで、重力と力についての認識の発展を追い、さらに重力という不思議な力の本質を展望する。
担当講師: 海部 宣男 (国立天文台名誉教授)
第4回 宇宙をつくる物質
宇宙や私たちの身体を構成する物質は原子や分子から成り、原子は原子核と電子から成る。さらに原子核は陽子や中性子などから成る。ここでは、これら物質の構成および光などの電磁波との相互作用を、ミクロの世界特有の性質の解説も含めて、ミクロの立場で説明する。これらの知識は、以後の章で述べる宇宙の現象を理解する上での基礎を与える。
担当講師: 吉岡 一男 (放送大学教授)
第5回 望遠鏡が広げた宇宙
宇宙は望遠鏡による観測で探られ、理論を併せて読み解かれてきた。ガリレオによって望遠鏡での観測が始まってから400年である。20世紀に入るまでは可視光用の望遠鏡だけで観測が行われたが、いまは電波やX線など電磁波のすべての波長で観測されている。望遠鏡による宇宙観測の発展を概観し、未来を展望する。
担当講師: 吉岡 一男 (放送大学教授)
第6回 星の進化が多様な星を生みだす 【改訂】
星には太陽よりもはるかに大きくはるかに明るいものから、はるかに小さくて暗いものまでいろいろある。また、星には太陽のような比較的静かなものから明るさを大きく変えたり、激しい爆発を起こすものまである。ここでは、太陽のエネルギーの源の話から始まって、星が中心部で核融合反応を続け、それにつれて構造も進化する結果として、多様な恒星の姿が生まれ観測されていることを述べる。
担当講師: 吉岡 一男 (放送大学教授)
第7回 宇宙のかたちを読み解く
宇宙には実にさまざまな天体があり、さまざまに美しい形がある。球、円盤からシェル、双極流、宇宙規模のジェット、膨張宇宙の網の目構造まで。そうした天体の多彩な形態から、宇宙で働く力、運動、つり合いなど、宇宙の壮大な現象を読み解くことができることを示そう。
担当講師: 海部 宣男 (国立天文台名誉教授)
第8回 宇宙空間から宇宙を観る 【改訂】
宇宙は、地上からだけではなく、人工衛星などにより宇宙空間からも観測されている。地球大気で吸収されて地上に届かない波長域で観測したり、地球大気による像のぼやけを受けない鮮明な天体像を得るためである。さらに、地球を遠く離れた探査機による観測も行われている。また、観測条件のよい月面からの観測も計画されている。
担当講師: 吉岡 一男 (放送大学教授)
第9回 宇宙の惑星と生命 【改訂】
宇宙人は、人間が思い描いてきた夢のひとつだった。その夢と空想は科学的研究と現実の前に一旦は崩れったが、いま「宇宙生命の探査」は、科学的可能性として新たに蘇えりつつある。「生命」を念頭に置きながら、太陽系外惑星と衛星の世界をしらべてゆこう。また発見が続く太陽系外惑星の中での「第二の地球」の探査の現状、未来をまとめ、さらに宇宙に文明をさがす具体的な可能性までを展望する。
担当講師: 海部 宣男 (国立天文台名誉教授)
第10回 宇宙の巨大階層・銀河の世界
星々は、宇宙空間に一様に分布しているわけではない。星の間の空間はまったくの真空ではなく非常に薄い星間物質で満たされ、これら星間物質と星が集まって、天の川銀河と呼ばれる大集団を成している。さらに、太陽系を含む天の川銀河の外側には、同等の規模の多数の銀河や、さらにスケールの大きな銀河団・超銀河団が存在する。それらの発見の歴史も含め、宇宙の巨大階層について学ぶ。
担当講師: 吉岡 一男 (放送大学教授)
第11回 銀河の活動・衝突・成長
銀河には我が天の川銀河のようにおとなしいものもあるが、中心部で激しい活動を起こしている銀河もある。活動的銀河の多くは中心に巨大なブラックホールが存在し、活動の源ともなっている。また、中心部で爆発的に星が生まれている銀河もある。我が天の川銀河にも中心に巨大ブラックホールがある。さらに、銀河同士は衝突・合体をくり返して進化したものと考えられている。天の川銀河も例外ではない。
担当講師: 吉岡 一男 (放送大学教授)
第12回 宇宙の激しい現象を読み解く超高エネルギー観測 【改訂】
宇宙は、宇宙線と呼ばれる光速に近い速さで運動する素粒子によっても読み解くことができる。宇宙線や高い光子エネルギー持つガンマ線は、宇宙における非常に激しい活動や現象の情報を与えてくれる。一方、ニュートリノや未だ検出されてはいない重力波は、さらに激しい現象の情報源として期待されている。ここでは、宇宙の激しい現象を読み解くこれら超高エネルギーでの観測について述べる。
担当講師: 吉岡 一男 (放送大学教授)
第13回 宇宙の膨張と宇宙の果て
宇宙が膨張していることがハッブルの観測で見出されたのは1929年、宇宙背景放射の発見によって膨張の中で素粒子も銀河も星も惑星も生まれたことが明確になったのは、1965年である。宇宙膨張の発見は、私たちのこの世界の根源的な成り立ちを明らかにする入り口だった。膨張宇宙の初期に起こったことを概観し、膨張宇宙論が提供する宇宙の大きさ、地平線問題、そして宇宙の果てについても考える。
担当講師: 海部 宣男 (国立天文台名誉教授)
第14回 深まる謎:ダークマターとダークエネルギー 【改訂】
宇宙を構成しているものは、私たちが知っている物質だけではなかった。星や銀河などなじみ深い物質はわずか数%に過ぎず、全体の4分の1は光でも電波でも見えないが質量を持つダークマターだった。さらにその3倍に達するダークエネルギーが存在し、宇宙の膨張を加速しているらしい。正体不明のダークマターとダークエネルギーの発見と、その宇宙のなかでの意味について述べ、それらの正体解明への道を探る。
担当講師: 海部 宣男 (国立天文台名誉教授)
第15回 137億年を読み解く 【改訂】
137億年にわたる膨張宇宙の歴史のあらすじを、私たちはかなりの程度まで理解することができるようになってきた。では、現代の天文学・宇宙物理学が読み解いた宇宙の137億年史とは、どういうものか。ひるがえって、そもそもこの宇宙はどうして生まれたのか。空間・時間・物質の起源にも迫る宇宙論の考察の最前線を垣間見るとともに、宇宙膨張の結果の一つとして生まれたこの地球と、その上で生まれた地球生命、そして私たち人間という存在について、改めて考えよう。
担当講師: 海部 宣男 (国立天文台名誉教授)

放送メディア:

テレビ

放送時間:


2016年度 [第2学期] (火曜)
13時45分〜14時30分

単位認定試験 試験日・時限:

2016年度 [第2学期]
2017年1月28日 (土曜)
1時限 (9時15分~10時05分)

開設年度:

2013年度

科目区分:

共通科目

科目コード:

1234161

単位数:

2単位
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