はじめての気象学(’15)

主任講師: 田中 博、伊賀 啓太

私たちにとって身近なお天気についてのリテラシーを高め、その背景にある気象学、気候学、大気科学の基礎を学ぶことで、身の回りで生起する大気現象についての理解を深めることを授業の目標とする。 検討中リストに追加

各回のテーマと放送内容

※テーマをクリックすると授業内容が表示されます。

第1回 地球大気の歴史
この講義では、地球が誕生し今日に至るまでの46億年の地球大気の歴史を振り返る。マグマオーシャンの時代から、地球が冷えて海と大気が形成される過程や、38億年前の生命体の誕生と、光合成による二酸化炭素の吸収および酸素の放出といった大気組成の変遷について学ぶ。そのうえで、すべての生命体を包み込む、かけがえのない今日の大気のありがたさを認識する。
担当講師: 田中 博 (筑波大学教授)
第2回 地球大気の鉛直構造と気温の南北分布
地球大気は気温の鉛直分布により、下層から対流圏、成層圏、中間圏、熱圏に区分される。大気の組成を調べると、その約99%は窒素と酸素で占められていて、高度約80kmの中間圏まではほぼ均質大気となっている。ただし、水蒸気は大気下層の対流圏に集中し、下部成層圏にはオゾン層が偏在する。この講義では、他の惑星の気温分布と比較しながら、地球大気の特徴について学ぶ。
担当講師: 田中 博 (筑波大学教授)
第3回 太陽放射と熱のバランス
太陽放射は地球上で起こるすべての大気現象のエネルギー源となっている。一方、太陽放射により暖められた地球は、宇宙空間に向かって赤外線を放射して冷えることで、地球の温度をほぼ一定に保っている。これを地球放射という。ここでは、太陽放射と地球放射のエネルギーバランスから導かれる放射平衡温度と、大気がもたらす温室効果について学ぶ。
担当講師: 田中 博 (筑波大学教授)
第4回 気圧と風
天気予報の概況を聞いていると、必ずと言っていいほど「気圧」という言葉が出てくることからもわかるように、気象を考える上で気圧は非常に重要な物理量である。ここでは、気温と気圧の分布の間に成り立つ関係や気圧の違いによって風が生じるしくみなど、気圧と風に関する基本的な性質を学ぶ。
担当講師: 伊賀 啓太 (東京大学准教授)
第5回 地球の回転の効果
地球が一日に一回転の自転をしていることは、大気の運動の様子に非常に大きな影響を与え、回転系で働くコリオリの力という見かけの力によって、大気の運動は日常生活の常識とは異なったものになる。回転台を用いた実験を通して回転の効果を学び、回転系で吹く風の基本的な形である地衡風を理解する。
担当講師: 伊賀 啓太 (東京大学准教授)
第6回 グローバルな大気循環
グローバルな大気の流れを大気大循環という。年間を通して恒常的に吹く赤道付近の東風を偏東風、中緯度の西風を偏西風というが、これらは地球を循環するグローバルな流れである。この講義では、これらの水平方向の循環に加え、鉛直方向のグローバルな対流としてのモンスーン循環や、ハドレー循環といった大気大循環の特徴を学ぶ。
担当講師: 田中 博 (筑波大学教授)
第7回 雲と降水
空に浮かぶ雲や空から降ってくる雨や雪は、多くの人にとって日常的になじみある身近な気象であろう。この講義では、大気の中に含まれる水蒸気が凝結して雲ができ、降水となって地上に降ってくるまでの過程を理解するとともに、雲の形態や雨や雪の形状についても学習する。
担当講師: 伊賀 啓太 (東京大学准教授)
第8回 温帯低気圧
天気予報では、悪天をもたらす原因として「低気圧」がよく登場するが、日本など中緯度地方で見られる低気圧の多くは、水平方向に温度勾配がある場所で発生・発達する温帯低気圧と呼ばれる種類の低気圧である。偏西風の変動とも関わりの深い温帯低気圧の発生や、前線を伴った温帯低気圧の構造について学ぶ。
担当講師: 伊賀 啓太 (東京大学准教授)
第9回 台風と熱帯低気圧
熱帯では、海から蒸発する大量の水蒸気をエネルギー源にした熱帯低気圧が、渦を巻きながら発達する。台風は日本の南で発生発達する熱帯低気圧のひとつである。この講義では、水蒸気が凝結する際に放出される潜熱加熱が、上昇気流を加速し、地球の自転の効果も加わって台風に発達する仕組みを理解し、目の構造や台風がもたらす大気海洋相互作用について学ぶ。
担当講師: 田中 博 (筑波大学教授)
第10回 積乱雲の起こす嵐
積乱雲は、激しい対流運動によって形成され、しばしば強い風雨をもたらす雲である。さらに、竜巻やダウンバーストなどの大きな被害をもたらす大気現象は、発達した積乱雲に伴って生じる。ここでは、不安定な大気の中で積乱雲が発達していく過程と、積乱雲が引き起こすさまざまな形態の嵐について学習する。
担当講師: 伊賀 啓太 (東京大学准教授)
第11回 日本の四季の気象
中緯度帯に位置する日本には四季の変化があり、季節ごとに異なった気象状況になる。この講義では、冬の降雪や梅雨・秋雨期の大雨など特徴的な季節の気象とその仕組みを理解し、日本の一年の気象の移り変わりを学ぶ。
担当講師: 伊賀 啓太 (東京大学准教授)
第12回 ヒートアイランド
同じ地域の中でも街の中心部では郊外より気温が高くなる傾向にあり、この現象はヒートアイランドという名前で知られている。都市は、人工的な排熱や地表面の状態の違いのために大気の状態に影響を与えるのである。この講義では、人間の活動によってできた都市に特有の気候について学ぶ。
担当講師: 伊賀 啓太 (東京大学准教授)
第13回 天気予報
天気予報は、気象学で学んだ知識の応用として、社会に大いに貢献している。風とは質量をもった大気の運動のことであり、ニュートンの運動の法則により、力が働くことで加速する。温度の分布や気圧の分布を調べて加速度が分かれば、風の時間変化が分かり、将来の風の分布の予測が可能になる。このようにして、力学法則に基づいて作られる天気予報の仕組みについて学ぶ。
担当講師: 田中 博 (筑波大学教授)
第14回 エルニーニョと大気海洋相互作用
地球大気は、大気海洋相互作用により、常に海面との間で熱や水蒸気のやり取りを行っている。したがって、長期予報を行う際には、グローバルな海の構造と海流についても知る必要がある。熱帯太平洋の海面水温が異常に高くなる現象がエルニーニョで、逆に低くなる現象がラニーニャである。これらの海面水温の異常が、大気海洋相互作用により地球規模の大気に影響をもたらす仕組みについて学ぶ。
担当講師: 田中 博 (筑波大学教授)
第15回 異常気象と気候変動
地球大気は太陽放射の変化や火山活動などにより長期的に変化し続けている。これらの自然変動に加えて、人類の活動が原因となって引き起こされる地球温暖化やオゾンホールの問題は、近年、地球環境問題として重要視されるようになった。天気予報の原理を応用して長期的な気候変動の将来予測を行い、人類みずから将来を制御し、地球環境問題を解決する道筋について考える。
担当講師: 田中 博 (筑波大学教授)

放送メディア:

テレビ

放送時間:


2017年度 [第1学期] (木曜)
23時15分〜24時00分
2016年度 [第2学期] (月曜)
10時30分〜11時15分

単位認定試験 試験日・時限:

2017年度 [第1学期]
2017年7月30日 (日曜)
2時限 (10時25分~11時15分)

単位認定試験 試験日・時限:

2016年度 [第2学期]
2017年1月24日 (火曜)
4時限 (13時15分~14時05分)

開設年度:

2015年度

科目区分:

基礎科目

科目コード:

1234285

単位数:

2単位
このページの先頭へ