食と健康(’12)

主任講師: 小城 勝相、清水 誠

調節された膨大な化学反応の集積体としての生命の成り立ちをよく理解した上で、食品の機能、安全性、病気の予防などについて理解を深めることを目標とする。 検討中リストに追加

各回のテーマと放送内容

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第1回 食品の機能とその理解のために
我々は食品の機能により生命を維持している。食品を栄養素に分解するのが消化であり、吸収して代謝するが、そのすべての過程は化学反応である。生命を正しく理解するためには化学、即ち分子についての知識が必須である。健康を考える上で避けて通れない基本的な分子の成り立ちや化学反応に関する講義を行う。
担当講師: 小城 勝相 (奈良女子大学名誉教授)
第2回 糖質
糖質(炭水化物)はヒトが摂取する栄養素の中で最も摂取量の多い栄養素であり、主たるエネルギー供給源としても重要である。糖質は単糖類、少糖類(オリゴ糖)、多糖類に分類される。それぞれの構造と化学特性を解説するとともに、栄養素としての働き以外の機能についても述べる。
担当講師: 菊﨑 泰枝 (奈良女子大学教授)
第3回 脂質
脂質はエネルギー効率の最も高い栄養素である。水に不溶で、有機溶媒に溶解する特徴をもつ。脂質には中性脂肪、リン脂質、糖脂質などがある。それらの構造と化学特性を解説するとともに、最近注目されている機能性や安全性に関する話題についても紹介する。
担当講師: 菊﨑 泰枝 (奈良女子大学教授)
第4回 タンパク質
タンパク質は20種類のアミノ酸がペプチド結合してできた鎖状の物質である。摂取されたタンパク質は分解されて最終的にアミノ酸になるので、その栄養価は構成するアミノ酸の種類によって決まるが、分解途中にできるペプチドにも固有の生理活性が報告されている。食品タンパク質にはさまざまな物性機能・加工特性を持つものもある。タンパク質の構造、各種アミノ酸の性質などを基盤に、食品タンパク質の栄養学的、食品学的な特性を決定する要因について解説する。
担当講師: 清水 誠 (東京大学名誉教授、東京農業大学教授)
第5回 ビタミンとミネラル
ビタミンは体内では合成できず、食物から摂取する必要のある栄養素である。化学的性質はそれぞれ異なるが、すべて微量成分で、生命の維持・調節に不可欠な役割を持っている。
ミネラルは1日あたり100mg以上摂取すべきマクロミネラルと必要量がそれ以下のミクロミネラルに分類できる。体内に1kgも存在するカルシウムから、極微量しか存在しないセレンやコバルトまで多彩である。これらの化学と機能を説明する。
担当講師: 小城 勝相 (奈良女子大学名誉教授)
第6回 食品の嗜好成分
「おいしさ」は食品、ヒト、環境などの因子によって決定される。それらの相互関係を概説するとともに、食品由来の因子である嗜好成分、すなわち色素、呈味成分、香り成分の構造、化学特性、機能性について解説する。
担当講師: 菊﨑 泰枝 (奈良女子大学教授)
第7回 消化・吸収・代謝系
経口摂取された食品成分は、消化管内で各種酵素により消化・分解される。分解産物であるブドウ糖、アミノ酸、ペプチド、脂肪酸などは主に小腸で吸収される。腸管におけるこれらの成分の輸送には多様な能動輸送系、受動輸送系が関わっている。吸収された成分は、腸管上皮や肝臓においてさまざまな代謝を受け、その後、各組織へ運ばれて利用されることになる。摂取された食品成分が体内でどのような変化をするか(動態変化)、その意義も含めて説明する。
担当講師: 清水 誠 (東京大学名誉教授、東京農業大学教授)
第8回 食品と免疫
病原菌などの異物を認識し、それを排除する仕組みの一つが免疫系である。特に、腸管には「腸管免疫系」という特殊な免疫系がある。食中毒菌などの侵入に対しては、腸管免疫系がそれらを認識し、IgA抗体などの防御タンパク質を生産して生体を守る。一方、食品成分は人体にとっては異物なので、これを排除するために人体は過剰応答をすることがある。これが食物アレルギーである。腸管免疫系はこのような過剰反応を抑制する仕組みを持っている。このような腸管での免疫応答反応のメカニズムや食品によるその制御について解説する。
担当講師: 清水 誠 (東京大学名誉教授、東京農業大学教授)
第9回 生体内酸化
地球上のほとんどの生物は酸素を用いる呼吸によってエネルギーを得ている。エネルギーを使って生命は遺伝子やタンパク質を合成するとともに、高い秩序を維持することができる。体温、血液の浸透圧、カルシウム、ナトリウム、血糖値など色々な物質の濃度を一定に維持する、この「恒常性の維持」が我々の体を理解するうえでのキーワードである。恒常性維持のためには大きな秩序、ネットワーク、即ち、エネルギーが必要である。
 さらに環境汚染物質などは酸素を使った酸化反応によって解毒しているし、体内に侵入した病原菌は酸素を使って殺す。一方、酸素は細胞内で活性酸素になって、老化、癌、動脈硬化などの生活習慣病を引き起こすと考えられている。生命維持に必須の酸化と不都合な酸化、両方について化学的に解説する。
担当講師: 小城 勝相 (奈良女子大学名誉教授)
第10回 生活習慣病と食生活Ⅰ 肥満とやせ・メタボリックシンドローム
食生活を中心とする生活習慣の乱れによって起こる肥満は、メタボリックシンドロームを始めとする様々な健康障害をもたらし、我々の健康長寿の大きな妨げとなる。一方、わが国の若年女性層では、逆にやせ過ぎも問題になっている。肥満とやせの予防とコントロールのための食生活について学ぶ。
担当講師: 曽根 博仁 (新潟大学大学院教授)
第11回 生活習慣病と食生活Ⅱ 糖尿病
中年以降の国民3人に1人にみられる糖尿病は、食生活と極めて関連が深い生活習慣病である。糖尿病は自覚症状なく発症し多くの合併症により、我々の健康と寿命を大きく損なう。食事療法は、運動・薬物療法と並ぶ最も重要な治療であり、糖尿病の食事療法は、すべての生活習慣病予防・治療の基本となる。
担当講師: 曽根 博仁 (新潟大学大学院教授)
第12回 生活習慣病と食生活Ⅲ 動脈硬化とその他の生活習慣病
日本人の死因の3分の1を占める、脳卒中や虚血性心疾患動脈硬化性疾患は、脂質異常症、高血圧、糖尿病などにより進行する。その過程には、コレステロールや塩分を始めとする多くの食事要因が関与している。これらを学びつつ、3回分のまとめとして、生活習慣病を克服する食生活についてまとめる。
担当講師: 曽根 博仁 (新潟大学大学院教授)
第13回 食品安全とリスク分析
人間は、従属栄養動物であり、食べないと生きて行けない。過去から現在までの食生活から、科学的なリスクの管理が必要であることが認識されるようになった。我が国の食品安全行政にも取り入れられているリスク分析手法等について解説する。
担当講師: 一色 賢司 (北海道大学名誉教授)
第14回 食品衛生とフードチェーンアプローチ
食品衛生は、食生活の安全確保を達成する手段である。食料の一次生産から、加工製造、流通、販売および消費までのすべての過程(フードチェーン)における、連続した衛生管理の重要性を解説する。
担当講師: 一色 賢司 (北海道大学名誉教授)
第15回 食品の技術開発と安全性確保
人間は、食用生物を選抜し、可食部位や味の良い部位を増やしてきた。そのままでは食用にならないものは、調理加工して、安全で美味しいものに変えて食べてきた。新しい食べ方である特定保健用食品等の安全性確保についても解説する。
担当講師: 一色 賢司 (北海道大学名誉教授)

放送メディア:

テレビ

放送時間:


2017年度 [第1学期] (水曜)
12時00分〜12時45分
2016年度 [第2学期] (木曜)
11時15分〜12時00分

単位認定試験 試験日・時限:

2017年度 [第1学期]
2017年7月27日 (木曜)
8時限 (17時55分~18時45分)

単位認定試験 試験日・時限:

2016年度 [第2学期]
2017年1月25日 (水曜)
6時限 (15時35分~16時25分)

開設年度:

2012年度

科目区分:

専門科目

科目コード:

1518828

単位数:

2単位
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