交通心理学(’12)

主任講師: 蓮花 一己、向井 希宏

1.受講生が交通心理学の基礎的な概念と主要な研究について理解できるようになる
2.観察法やフィールド実験法など交通心理学の分野で発達してきた心理研究法について理解する
3.事故防止など社会問題を解決するために心理学では何が重要かを学生が理解する 検討中リストに追加

各回のテーマと放送内容

※テーマをクリックすると授業内容が表示されます。

第1回 交通心理学総論(1)
①交通心理学の課題と歴史を振り返り、その意義について説明する。②人間のモビリティ(移動)の手段としての車社会が人間生活に与えた功罪を解説する。とくに、交通参加者の特徴別に事故という負の側面を概観する。③交通事故の発生メカニズムを解説し、その現状を紹介する。人的要因(ヒューマンファクター)の重要性と交通心理学の役割を述べる。
担当講師: 蓮花 一己 (帝塚山大学教授)
第2回 交通心理学総論(2)
事故傾性と運転適性研究を取り上げる。①交通参加者の運転適性の考え方とその活用について内外の事例や運転診断手法について紹介する。②運転行動研究として、フィールド観察法や同乗観察法など、過去の研究手法を紹介しつつ、アイカメラなどの比較的新しい手法を解説する。③運転行動理解のためのモデルの意義について述べた後で、代表的なモデルを紹介する。
担当講師: 蓮花 一己 (帝塚山大学教授)
第3回 事故発生のメカニズムと人的要因(1)
①交通事故発生現況を類型、年齢、状態別に、事故原因を人的要因と環境要因別に解説する。②交通事故原因として、人的要因の占める割合は大きい。人間の情報処理過程とヒューマンエラーとの関係から、交通事故発生の人的要因を列挙し、解説を加える。③交通事故防止のための安全対策・交通安全教育プログラムについて紹介する。
担当講師: 向井 希宏 (中京大学教授)
第4回 事故発生のメカニズムと人的要因(2)
①事故分析の手法を紹介する。②交通コンフリクトやインシデント事象の研究意義とその歴史、代表的な指標であるTTCやPET指標を用いた研究を紹介する。③自動車専用道路や都市高速道路でのリスク分析の実例を紹介し、運転行動や事故パターンに応じた安全対策の展開の紹介を行う。
担当講師: 蓮花 一己 (帝塚山大学教授)
第5回 注意と確認行動
①注意という現象の基礎的な説明を行う。人間の注意資源の限界が安全運転を阻害する理由を述べる。②交通参加者の注意の研究を紹介する。言語報告法やアイカメラ法によるこれまでの研究を紹介するとともに、その問題点に触れる。③ドライバーの安全確認行動の研究について、目視観察、ビデオでの解析やジャイロセンサでの調査研究の実例を交えて紹介する。
担当講師: 蓮花 一己 (帝塚山大学教授)
第6回 ハザード知覚
①ハザード(hazard)やリスク(risk)などの危険概念の定義を行った後に、運転においてハザードとリスクがどのように関わっているかを解説する。②運転場面でのハザード知覚の特性について、初心者や高齢者のハザード知覚の特性について研究成果に基づいて説明する。③子どものハザード知覚について解説する。④運転技能の自己評価がリスクテイキングに与える影響について述べる。
担当講師: 蓮花 一己 (帝塚山大学教授)
第7回 リスクテイキング
①ハザード知覚から行動までのリスクテイキング行動のモデルについて説明する。②リスク効用の例を紹介するとともに、スリルを求める欲求であるsensation-seeking(感覚追求)を説明する。③対策により安全性が高まればより危ない行動を取ろうとするリスク補償と呼ばれる行動傾向について紹介する。
担当講師: 蓮花 一己 (帝塚山大学教授)
第8回 個人差と事故傾性
交通行動の規定要因には、人的要因と環境的要因とがあるが、8章では、事故原因としてのヒューマンファクター(人的要因)に注目する。特に、事故要因としての性格特性から考える「事故傾性」と、外的要因と人間行動の関連に注目する「リスクテイキング」の考え方を中心に、安全確保の方策について解説する。事故防止のために労働現場で行われる教育プログラムの例を紹介し、問題点や改善への課題についても述べる。
担当講師: 向井 希宏 (中京大学教授)
第9回 交通参加者のリスク -歩行者と自転車運転者
①車中心社会でのリスクと歩行者・自転車事故の特徴について解説する。②身近な交通手段として幼児から高齢者まで広く利用されている自転車について、交通事故発生の現況を紹介する。③中学校での自転車走行に関する効果的な教育プログラム実施例と、高齢者に対する行動観察結果も紹介する。④交通安全教育と同時に、環境整備や社会システム整備の必要性についても述べる。
担当講師: 向井 希宏 (中京大学教授)
第10回 交通参加者のリスク -初心運転者
①初心運転者が起こす事故の様式を解説する。技能が未熟であることと若さゆえの動機系の問題点を整理する。②若さゆえのリスクテイキング傾向、攻撃性、法規範の乏しさなどの問題点を概説する。運転行動として、わき見や違反傾向などの特性を具体的な研究に基づいて解説する③教育的対策について内外のアプローチを紹介する。
担当講師: 蓮花 一己 (帝塚山大学教授)
第11回 交通参加者のリスク -高齢運転者
高齢ドライバーによる交通事故増加傾向と事故類型の特徴について紹介するとともに、加齢にともなう生理的機能や行動特性の変化についても解説する。今後の事故防止に向けて、教育プログラムを開発し、効果測定に基づいて改善を試みている研究例もあわせて紹介する。
担当講師: 向井 希宏 (中京大学教授)
第12回 社会的行動としての運転
①攻撃性の研究例を紹介し、運転者教育による態度変容の可能性について解説する。②交通場面でも、コミュニケーションの役割は重要であり、交通参加者による非言語的コミュニケーションの有効性と問題点について、法的規制との関連で考える。③効果的な教育プログラムを通してのよりよい交通社会を作り、安全文化構築に向けての方策を探る。
担当講師: 向井 希宏 (中京大学教授)
第13回 交通安全教育
①交通安全教育の意義と役割について子どもの行動実態を示しつつ述べる。②子どもへの交通教育の先進国であるドイツの『子どもと交通』計画を取り上げて、その心理学的背景と長所を述べる。日本での『あやとりぃ』教育の紹介をしつつ、その課題と交通心理学の果たすべき役割を述べる。③日本の自転車事故の現状を紹介しつつ、中学生を中心とした交通教育への取り組みを述べる。
担当講師: 蓮花 一己 (帝塚山大学教授)
第14回 運転者教育
①職業ドライバーへの教育訓練について述べる。②違反ドライバーへの処分者講習の実際について紹介する。③高齢運転者へのコーチング法を用いた教育プログラムの効果を検証した一連の研究を紹介する。
担当講師: 蓮花 一己 (帝塚山大学教授)
第15回 交通システムと心理学
①道路交通システムの向上への心理学の役割を研究に基づいて紹介する。②自動車のITS技術を紹介するとともに、リスク補償との関連について解説する。③地域の交通安全対策について奈良県での実例に基づいて解説する。
担当講師: 蓮花 一己 (帝塚山大学教授)

放送メディア:

テレビ

放送時間:


2016年度 [第2学期] (金曜)
24時45分〜25時30分

単位認定試験 試験日・時限:

2016年度 [第2学期]
2017年1月24日 (火曜)
1時限 (9時15分~10時05分)

開設年度:

2012年度

科目区分:

専門科目

科目コード:

1528211

単位数:

2単位
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