現代の生涯学習(’12)

主任講師: 岩永 雅也

人の生涯にわたる発達と生涯学習との関わりについて理解し、それによって自らの知的生活をより高めることを可能にする。また、社会教育主事資格に関連する科目として、社会教育行政に携わるにあたっての基本的な考え方と姿勢、および知識の提供もその目的とする。 検討中リストに追加

各回のテーマと放送内容

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第1回 人と学習
人は学ぶ生物である。もちろん、学習は人だけでなく多くの生物に見られる行動である。しかし、将来の必要を予測しての学習、体系的な学習、そして学習そのものが自己目的化した学習は、ただ人類だけに与えられた行動特性である。そうした人と学習との基本的な関わりについて、まず教育の原理を踏まえた本質的なところからの考察を行う。
担当講師: 岩永 雅也 (放送大学教授)
第2回 生涯発達と学習
ハヴィガーストやエリクソンらによる発達課題研究は、ライフサイクルという概念を通じて、生涯にわたる発達と学習の関わりを明らかにしている。それらの知見を手がかりに、種々の社会的目標の達成、そして自己実現を目指す生涯学習の意味を検討する。とりわけ、学校教育における学習者とはさまざまに異なる特性を持つ成人の学習について、ノールズのアンドラゴジーを手がかりに考察する。また、高齢者の学習についても検討する。
担当講師: 岩永 雅也 (放送大学教授)
第3回 学びの源流
西欧社会の学びの源流は、遠く古代ギリシアまで遡ることができる。その後、中世キリスト教による宗教教育の時代を経て、現代の生涯学習につながる近代的な教育思想が形成されるに至った。また、日本もその一員である東アジアの社会では、伝統的に学ぶことに対して重要な意味を付与していた。西欧社会および東アジア社会における近代学校教育成立以前の学習概念を、代表的な思想家の学習観を通じて理解していく。
担当講師: 岩永 雅也 (放送大学教授)
第4回 成人教育と生涯学習
成人教育は、現代の生涯学習に先行する学習のあり方であり、現在でもなおその存在意義を失っていない。本来的には教育の対象ではないはずの成人になぜ教育が求められたのか、それはどのような形態を持ち、どう実践されてきたのかを、広く世界に目を向けつつ明らかにし、その上でさまざまな成人教育を踏まえて提唱された生涯教育、生涯学習の概念について考察する。
担当講師: 岩永 雅也 (放送大学教授)
第5回 政策としての生涯学習
1980年代後半の臨教審答申と、それを受けて成立した90年の「生涯学習振興法」により、生涯学習体系への移行という国の政策はきわめて明確なものとなった。それに伴って、地域の現場では教育委員会による社会教育行政と、首長部局による生涯学習行政との並立という状況が出来した。そこで何が変わり、どのような状況が生じたのか、学習者にとってそれにはどのような意味があったのかを明らかにした上で、現在の生涯学習行政について検討する。
担当講師: 岩永 雅也 (放送大学教授)
第6回 社会教育の変容と公民館
戦後長らく日本の成人教育を担ってきた社会教育は、臨教審答申と「生涯学習振興法」により、大きな転機に立たされることとなったが、既にそれ以前から、社会情勢の変化を踏まえた社会教育不要論は展開されていたのである。しかし、現在においてもなお公的な生涯学習機会の必要性は決して減退しているわけではない。社会教育施設の象徴ともいうべき公民館の動向と併せ、社会教育の変容と今後の可能性を探る。
担当講師: 岩永 雅也 (放送大学教授)
第7回 余暇活動と生涯スポーツ
高齢化や労働環境の変化、あるいは少子化などによる主婦のライフコースの変化に伴って、自由に使える時間というもののあり方が大きく変わってきている。それによって、われわれの生活における余暇のあり方も変化している。ここでは生涯学習とも非常に関わりの深い余暇と、さらに余暇に行われることの多い生涯スポーツ活動について、大局的な視点から考察していく。
担当講師: 岩永 雅也 (放送大学教授)
第8回 指導者とリーダーシップ
本来ボーダレスな生涯学習にあっては、指導者と学習者の境界も曖昧であることが多い。また、学習集団もピアグループとしての性格を持つため、そこに必ずしも明瞭なリーダーシップが見られるわけではない。しかし、今後生涯学習がより高度で持続的なものとなっていくためには、その二つの要素が何より必要不可欠である。ここでは生涯学習の指導者と学習集団におけるリーダーシップの問題を総括的に考えていく。
担当講師: 岩永 雅也 (放送大学教授)
第9回 生涯学習の評価
生涯学習は、ややもすると施設や機会の提供、支援システムの構築といったインプットのみで語られがちであって、その成果や学習者の達成についての評価調査が見落とされる傾向にある。ここでは、生涯学習への評価および学習者の意識などを調査する具体的な方法について学習する。
担当講師: 岩永 雅也 (放送大学教授)
第10回 生涯学習市場
「生涯学習振興法」の成立により、生涯学習分野への民間企業体の進出も可能となった。いわゆる生涯学習市場が大規模に形成されることとなったのである。それが何を変え、どのような活動が始まり、それがどう評価されているのかについて、実証的な考察を行う。
担当講師: 岩永 雅也 (放送大学教授)
第11回 大学と成人学習者
日本の大学は、戦後長い間、18歳~25歳のいわゆる伝統的需要者層のみをその教育の対象としてきた。しかし、傾向的に進んだ少子化と景気の後退により、多くの大学が社会人学習者に対しても関心を持たざるを得なくなった。大学が社会人学習者をどのような存在と考え、どう対応してきたのか、主に1990年代から今日までの変遷を辿りながら考えていく。
担当講師: 岩永 雅也 (放送大学教授)
第12回 家庭・学校・地域との関わり
核家族化と地域共同体の解体、そして社会の無縁化の進展により、現代の家族は十分な教育力を維持できなくなっている。また、それを取り巻く地域社会も、人間関係の希薄化と共同活動機会の喪失により、子どものみならずそこに住む全ての人々に対する教育力を失いつつある。ここでは、従来別々に考えられがちであった家族内における教育と地域の教育力、そして学校教育が関わると思われる生涯学習機会について考えていく。特に、近年の社会と学校との連携、融合について、その現状と課題を考察する。
担当講師: 岩永 雅也 (放送大学教授)
第13回 海外の生涯学習(1)
日本の生涯学習について考える上で、他の諸国の生涯学習の現状を知ることは重要である。本章と次章では、海外の生涯学習の現状と歴史、およびその特色を紹介する。本章では、近代学校教育制度が発祥し、生涯学習理念もそこに起源を持つヨーロッパ諸国を中心に取り上げ、その伝統と社会変動との狭間で多様な可能性を模索する現状を紹介する。
担当講師: 岩永 雅也 (放送大学教授)
第14回 海外の生涯学習(2)
前回に引き続き、海外の生涯学習の状況を紹介する。現在生涯学習の最先進国と目されているアメリカ、さらに、ヨーロッパから100年以上も遅れて近代化の歩みを開始したアジアの二つの国、中国と韓国がその対象である。これらの国々では、社会経済的発展の過程もヨーロッパ各国とは大きく異なり、また、それ故に生涯学習を取り巻く環境も著しく違っている。それらの国々における生涯学習の状況を把握することによって、ヨーロッパの諸国とは異質の観点から生涯学習システムを見ることができる。
担当講師: 岩永 雅也 (放送大学教授)
第15回 メディア利用とネットワーク
ICTに関わる技術の著しい進歩により、生涯学習者が利用できる教育デバイスの種類は飛躍的に増加した。その中心はインターネット関連の諸技術である。現在、どのような技術が生涯学習に利用されているのか、また近い将来、どのような技術の利用が可能なのか、多角的に検討する。さらに、そうした技術の進展を踏まえ、地域発の自発的、自律的な学習をどのように連合連帯してより効率的、効果的な学習実践にしていくかについて、つまり生涯学習の有効なネットワークについても考える。
担当講師: 岩永 雅也 (放送大学教授)

放送メディア:

ラジオ

放送時間:


2016年度 [第2学期] (土曜)
13時00分〜13時45分

単位認定試験 試験日・時限:

2016年度 [第2学期]
2017年1月24日 (火曜)
8時限 (17時55分~18時45分)

開設年度:

2012年度

科目区分:

専門科目

科目コード:

1528840

単位数:

2単位
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