心理カウンセリング序説(’15)

主任講師: 大場 登

臨床心理学における「カウンセリング」、すなわち、「心理療法」というものは、長期間の専門的な研修を必要とするものであり、本学においても、大学院臨床心理学プログラムでようやくその初期研修が行なわれることになる。それでも、学部の段階でも、一般心理学だけではなく、臨床心理学の基礎は身につけることが要請される。本講の印刷教材・放送授業両者と丹念に取り組んでいただければ、「臨床心理学におけるカウンセリング」のもっとも基本的なことは理解していただけるのではないだろうか? 検討中リストに追加

各回のテーマと放送内容

※テーマをクリックすると授業内容が表示されます。

第1回 セラピストと「聴く」こと -「受けとめる」こと
カウンセリングの最重要な営みは、クライアントが「語ること」にセラピスト(カウンセラー)が耳を傾けることである。つまり、「聴く」こと。「聴く」ということは、クライアントによって語られる苦痛や訴えをセラピストの心身でもって「受けとめる」ことと言えよう。
担当講師: 大場 登 (放送大学教授)
第2回 クライアントと「語る」こと  -「表現する」こと
セラピストの「耳を傾ける」姿勢に支えられて、クラアントは自身が抱えている困難やいわゆる症状、そして、自らについて「語る」こととなる。「語る」こと、「表現する」ことは、そのこと自体に深い意味と働きがある。
担当講師: 大場 登 (放送大学教授)
第3回 カウンセリングの「器」
カウンセリングのとても重要な特徴のひとつは、第1章・第2章で述べられた営みが、独特の「器」の中で行なわれるということである。この「器」によって守られているからこそ、カウンセリングは成立する。
担当講師: 大場 登 (放送大学教授) 香川 克 (京都文教大学教授)
第4回 出会いと見立て
面接室でのはじめての出会い。あるいは、電話予約時点から既にして始まる出会い。クライアントもセラピストも、カウンセリングが可能であるか、カウンセリングが適切な営みであるか、この人とやってゆけるか、慎重に「見立て」が行なわれる。
担当講師: 森 さち子 (慶應義塾大学准教授)
第5回 クライアントとセラピストの「かかわり」
カウンセリングにおいては、クライアントの心の世界が次第次第に表現・展開されてゆくことになるが、この展開のプロセスは、あくまで「クライアントとセラピストの関係性」の中で生じることとなる。クライアントの意識と無意識、セラピストの意識と無意識、両者の深く、複雑なかかわりの中でカウンセリングは進行する。
担当講師: 森 さち子 (慶應義塾大学准教授)
第6回 セラピストの「読み」
カウンセリングにおいて、「耳を傾ける」ことは最重要なことではあるが、しかし、クライアントが抱えておられる問題やいわゆる症状が少し難しいものになるにしたがって、セラピスト側での「読み」がどうしても必要となってくる。しっかりと「耳を傾ける」ことができるためにこそ、「読み」が大切と言えよう。臨床心理学に関する、広範で、深い知識が必要となってくる所以(ゆえん)である。
担当講師: 森 さち子 (慶應義塾大学准教授)
第7回 「読み」と「問いかけ」「語りかけ」
前章で検討した「読み」に基づいて、セラピストは、必要に応じて、クライアントに「問いかけ」「語りかけ」をしてゆくこととなる。「問いかけ」に対するクライアントのレスポンスによっては、セラピストは自らの「読み」の微修正をしてゆく。クライアント側は、セラピストの「問いかけ」「語りかけ」によって、新たに、自らの問題・課題と取り組んでゆくことになるだろう。
担当講師: 森 さち子 (慶應義塾大学准教授)
第8回 カウンセリングのプロセス
初回面接以降、カウンセリング終結まで、クライアントとセラピストの間で「変容のプロセス」が展開することになる。このプロセスは、「器」の中で進行するので、ちょうどレトルトの中で進行する化学的変容のプロセスに喩えることもできる。火加減やコルク栓の微調整には職人の「技」も必要である。只、「変容のプロセス」は自律的でもある。
担当講師: 大場 登 (放送大学教授)
第9回 心の構造 -意識と無意識
カウンセリングには、様々の視点や立場、オリエンテーションがある。本講では、ロジャーズのクライアント・センタード・セラピーを尊重しながらも、人間の心には、意識されている領域の他に、深い無意識の領域が存在するとしたフロイトやユングの視点から学んでみることにしたい。
担当講師: 大場 登 (放送大学教授)
第10回 家族
カウンセリングの中で、家族をめぐるテーマと出会うことは非常に多い。本講では、家族の抱えるむずかしさの中で、思春期の自立・結婚して新しい家族を作ること・子育てという3つのテーマを取り上げる。世代間の境界があいまいになっている中で、困難な状況が生まれていることについて論じてみたい。
担当講師: 香川 克 (京都文教大学教授)
第11回 学校と子どもたち
子どもたちの生活の場として、家庭と並んで大きな意味を持つのが「学校」である。「カウンセリングの立場から見た学校」と言うと、いじめや不登校など、ネガティブな学校の姿が思い浮かべられることが多い。そのような「学校の中での困難な状況」に触れつつも、「学校の中で子どもたちが育っていく」という、学校の持つポジティブな力についても述べていく。
担当講師: 香川 克 (京都文教大学教授)
第12回 スクールカウンセリング
我が国で、公立の学校にスクールカウンセラーが入る制度がスタートしたのは、1995年のことである。学校という、生活の場の中でのカウンセリングは、外来相談機関でのカウンセリングと大きく異なる構造を持っている。そのため、外来相談機関とは異なる関係が展開することになり、様々な新しい知見が得られている。そうした諸点を紹介したい。
担当講師: 香川 克 (京都文教大学教授
第13回
フロイトが人間の心における「性」の重要性を指摘して以来、既に1世紀になるが、現代においても、「性」が人間にとって扱いの困難なコンプレックスのひとつであること、そして、人間にとって最重要なテーマのひとつであることにまったく変わりはない。それぞれの個人にとって、「性」、そして、自らのセクシュアリティとどのように向き合うことになるのか、カウンセリングにおける永遠のテーマのひとつと言えよう。
担当講師: 大場 登 (放送大学教授)
第14回
「性」や「力・権力」が、人間にとって、そして、「カウンセリング」にとって、最重要なテーマであるのとまったく同様に、「死」というものもまた、人間にとって、カウンセリングにとって、最重要テーマのひとつと言えよう。フロイトもユングも「死」と集中的に取り組んできたし、そして、カウンセリングの実際においても、「死」は常に私たち人間が「向き合う」ことを要請する。
担当講師: 大場 登 (放送大学教授)
第15回 別れ
カウンセリングは、やがて終結を迎え、かつて出会ったクライアントとセラピストは、「別れ」を経験することになる。そして、「別れ」「分離」もまた、人間にとって、実に困難にして、永遠のテーマと表現できるであろう。個人的な「別れ」。親やパートナー、師との「別れ」。時代や役割、思想・信条、ある生き方との別れ。意識と無意識の「分離」…。
担当講師: 大場 登 (放送大学教授) 森 さち子 (慶應義塾大学准教授)

放送メディア:

ラジオ

放送時間:


2017年度 [第1学期] (月曜)
17時30分〜18時15分
2016年度 [第2学期] (水曜)
13時00分〜13時45分

単位認定試験 試験日・時限:

2017年度 [第1学期]
2017年7月29日 (土曜)
7時限 (16時45分~17時35分)

単位認定試験 試験日・時限:

2016年度 [第2学期]
2017年1月26日 (木曜)
5時限 (14時25分~15時15分)

開設年度:

2015年度

科目区分:

専門科目

科目コード:

1529056

単位数:

2単位
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