現代哲学への挑戦(’11)

主任講師: 船木 亨

現代哲学を学びたいと希望するひとは、現在の文化的社会的状況についての確かな認識と、それを超え、そのなかで生きる指針となるようなものを求めているのではないだろうか。そうした問題意識のもとに、現代思想の全体を一覧するような導入ではなく、現代を駆け抜けて未来へと向かう思考の方向性の提示ができればと思う。情報や一覧表や系統樹や結論や道徳を求めるよりも、「問と思索をどのように進めて問題の在りかを発見していくか」という哲学的な姿勢を学び、自分なりに「いま」を見つめるのに役立ててもらいたい。 検討中リストに追加

各回のテーマと放送内容

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第1回 哲学の黄昏
哲学とは、元来は愛知という「情念」である。哲学を、思想史の流れのなかだけでなく、現代的状況から捉えなおす必要がある。哲学は、西欧近代において樹立された思考の伝統であり、近代的諸価値に基づく知識が消滅し、情報が中心になりつつある現代的状況とともに終焉しつつある。

担当講師: 船木 亨 (専修大学教授)
第2回 現代という概念
モダンという呼び名は、単なる一時代ではなく、直線状に未来の進歩へと向かう「ひとつの世界」の歴史における一時代だった。そうした歴史観が発明された時代であり、その前後に向かって歴史対象が拡張され、やがて普遍的登記簿として、森羅万象が登記される説明原理となった。

担当講師: 船木 亨 (専修大学教授)
第3回 歴史の終焉
ルネサンスにおいて発見されたのは、世界がひとつであるということと、人間が意識をもった人格であるということであった。それは定時法的時間や大衆を社会に結びつけるメディアの普及によるものだった。しかし歴史の方向性がなくなり、時間における現在が多元的になりつつある。
担当講師: 船木 亨 (専修大学教授)
第4回 ポストモダニズム
ポストモダニズムは、建築にはじまり、文学芸術の分野にもそれと似た傾向が見いだされて一般化された。そこにある共通の思想に関し、ポストモダン思想としてリオタールやデリダの思想がアメリカでとりざたされたが、そこで生まれたものは、ローティによると哲学ではなく文化批評であった。

担当講師: 船木 亨 (専修大学教授)
第5回 哲学と政治のキアスム
ポストモダン思想の源泉であるリオタールとデリダの哲学は、権力を前提した近代哲学の伝統にあって、ポストモダン状況を、近代を推進する前衛運動から区別できなかった。ポストモダン状況では、新しい政治哲学が必要であり、それを究明しようとしていたのはフーコーであった。

担当講師: 船木 亨 (専修大学教授)
第6回 現代哲学の条件
ダーウィンの進化論によって、人間精神も自然科学によって説明されるようになり、哲学に深刻な問題が生じた。歴史のあらたな捉えなおしと、生命と人間と機械の関わりを論じる必要が生じたが、現代哲学はそれに成功しなかった。機械一元論的哲学が必要である。

担当講師: 船木 亨 (専修大学教授)
第7回 現代哲学者たち
19世紀後半にはじまる現代哲学は、生命と精神の関係の難しさをふまえて、哲学を再興しようとする試みであった。進化論直後に現れた、生命に優位性を置く「生の哲学」に対し、その後のシェーラーの「哲学的人間学」は、問題はそのようには解決できないことを指摘した。

担当講師: 船木 亨 (専修大学教授)
第8回 実存主義
実存主義は、サルトルの「実存は本質に先立つ」という定義によって与えられたが、ハイデガーは存在こそ先立つとして否定した。両者とも、生から出発するよりも、未来や死から出発することによって、個々の人間の、科学的定義とは一線を画すあり方を示そうとした。

担当講師: 船木 亨 (専修大学教授)
第9回 フッサール現象学とベルクソニスム
意識から出発した二人の哲学者、フッサールとベルクソンは、前者が合理性の故郷を意識の経験のもとの生活世界に求めたのに対し、後者は生の哲学へと舵を切った。ベルクソンは、時間を主題にして、デカルト的世界像をひっくりかえし、フランス現代哲学の源流となった。

担当講師: 船木 亨 (専修大学教授)
第10回 5つの非哲学
哲学とはいえないが、実証科学でもなかった思想を「非哲学」と呼ぶことにするが、それが19世紀後半にいくつも生まれてきた。そのなかで、現代思想に大きな影響を与えた5つの非哲学、進化論、マルクス主義、精神分析、ニーチェ思想、構造主義について、概要とその意義を述べる。

担当講師: 船木 亨 (専修大学教授)
第11回 構造主義
ソシュール構造言語学における「差異の体系」を、部分適用したり拡張適用したりすることによって、20世紀なかばに構造主義と呼ばれた一連の、しかしばらばらな思想が生まれてきた。それらが対決していたのは、一方では科学の素朴実在論であり、他方では哲学の歴史主義であった。
担当講師: 船木 亨 (専修大学教授)
第12回 生命政治
フーコーは、18世紀後半に起こった出来事として、こころの扱いの変化については『狂気の歴史』を書き、からだの扱いの変化については『臨床医学の誕生』を書く。かれは、近代哲学の政治思想からは説明できない、科学知と結合したあらたな権力による生命政治的社会体制を解明しようとした。
担当講師: 船木 亨 (専修大学教授)
第13回 フランクフルト学派と『アンチ・オイディプス』
アメリカに亡命したユダヤ系ドイツ人哲学者たちは、精神分析とマルクス主義を使って、ファシズムの成立と先進資本主義を批判的に解明し、近代文明の行方を論じた。フランスでは、五月革命後、ドゥルーズとガタリが、ラディカルに精神分析とマルクス主義を結合して資本主義社会を論じた。

担当講師: 船木 亨 (専修大学教授)
第14回 近代哲学の再検討
近代哲学と、その復興をめざした現代哲学は、ヒューマニズムの哲学であったが、いまやそうしたイデオロギーは崩壊している。人間という概念を構成していた心身の分離、こころとからだの関係を再考し、科学からも排除されてきた「もの」の概念について考察する。
担当講師: 船木 亨 (専修大学教授)
第15回 サイボーグたちの哲学
進化論的な系統樹の分類とは異なって、女性でもあれば動物でもあり、機械でもあれば植物でもあるようなリゾーム的思考がもし可能であるならば、サイボーグとしてのわれわれにとって、ポストモダン状況を生きる哲学となるのではないか。

担当講師: 船木 亨 (専修大学教授)

放送メディア:

ラジオ

放送時間:


2016年度 [第2学期] (木曜)
9時45分〜10時30分

単位認定試験 試験日・時限:

2016年度 [第2学期]
2017年1月22日 (日曜)
8時限 (17時55分~18時45分)

開設年度:

2011年度

科目区分:

専門科目

科目コード:

1554115

単位数:

2単位
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