仏教と儒教(’13)

主任講師: 竹村 牧男、髙島 元洋

仏教と儒教という、東洋思想を代表する二大思想について、基本的な理解を有するに至るとともに、それらが、どのような道筋をたどって日本の思想になっていったのかについて深く理解し、他の者に伝えることが出来るようになる。そのことをふまえ、現代の日本人の道徳・論理観や死生観について新たな観点を拓く。 検討中リストに追加

各回のテーマと放送内容

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第1回 序論 仏教の成立と広がり
日本仏教の思想を学ぶに当たり、仏教および日本仏教の概要について解説する。まず、インドにおいて仏教が釈尊によって開かれたあと、特に大乗仏教がどのような特徴を持って成立し、かつ広がっていったのかについて解説し、ついで中国の仏教を一覧し、さらに日本仏教の形成過程とその特質について概観する。なお、日本仏教の文化への影響について、簡単にふれておく。
担当講師: 竹村 牧男 (東洋大学学長)
第2回 仏教の日本への伝来
仏教の公伝は、552年と言われる。その後、聖徳太子は深く仏教を研鑽したとされ、太子独特の思想も唱えられた。奈良時代に入ると、三論宗・成実宗・法相宗・倶舎宗・華厳宗・律宗の六宗が成立し、大乗仏教の深い哲学が研究された。特に、法相宗の唯識思想や華厳宗の華厳思想の内容は現代的でさえあり、それらの思想について解説する。
担当講師: 竹村 牧男 (東洋大学学長)
第3回 平安時代の仏教
平安時代には、比叡山に拠った最澄と高野山に拠った空海という二人の巨人が出て、順に天台宗、真言宗の思想を唱えた。天台宗は『法華経』に基づき、真言宗は密教という独特の立場を展開する。二人の思想は大変、奥深く、またのちの日本仏教の母体となるものであった。この平安仏教の双璧のコスモロジーについて、分け入ってみたい。
担当講師: 竹村 牧男 (東洋大学学長)
第4回 鎌倉時代の仏教(1)  源信・法然
平安末期になると、時代の不安定な状況や末法思想の浸透等にともない、阿弥陀仏の浄土への往生を願う信仰が普及していく。そうした中で、易行としての念仏によりどんな人でも救われるという新しい仏教を唱えたのが法然であり、その下地を作ったのが源信である。仏教が日本に移植され、定着してきて、さらに民衆の仏教となったありようを源信・法然に探る。
担当講師: 竹村 牧男 (東洋大学学長)
第5回 鎌倉時代の仏教(2) 親鸞・一遍
法然によって創始された浄土教は、さらにその易行の救いを徹底させていく。親鸞によっては信のみよる救いが唱えられ、一遍によってはただ名号による救いが唱えられた。親鸞と一遍とは、さまざまな点で対照的であるが、いわば絶対他力による救いという点では一致している。そこに見られる日本的霊性を考えてみたい。
担当講師: 竹村 牧男 (東洋大学学長)
第6回 鎌倉時代の仏教(3) 栄西・道元・日蓮  
鎌倉時代には、中国の影響を受けて禅宗がさかんになってくる。栄西の臨済宗と道元の曹洞宗が成立し、武家などを中心に広まり、また墨絵や茶道等さまざまな文化を生み出していった。一方、日蓮は最澄の教えを独自に磨き上げ、『法華経』の題目を唱える唱題による仏教を国家・社会に訴えた。これらに見られる日本独特の仏教思想を紹介する。
担当講師: 竹村 牧男 (東洋大学学長)
第7回 近世・近代仏教
近世の仏教の特徴は、世俗倫理を補完するものとして仏教が機能したことにある。ここでは、鈴木正三、盤珪などの仏教者の思想について言及しつつその特徴を具体的に説明する。近代仏教としては、清沢満之、田中智学などを手がかりとして、西洋思想と仏教との出会いや仏教とナショナリズムについて説明する。
担当講師: 頼住 光子 (東京大学大学院教授)
第8回 仏教と日本文化
仏教が、日本文化に与えた影響は広く深い。ここでは仏教文学と「道」の思想という、観念と身体の関わる二つのテーマを中心に仏教思想が文化現象をどのように形作っているのかを具体的に検討する。仏教文学としては和歌・物語文学・随筆等を扱う。「道」の思想としては武道・茶道を扱う。
担当講師: 頼住 光子 (東京大学大学院教授)
第9回 中国文化と儒教
儒教は古代中国において成立する。春秋戦国時代、諸子百家といわれる思想家群が出現する。これらの諸学派は、陰陽家・儒家・墨家・法家・名家・道家の六家などとも分類される。このひとつが儒教である。儒教が思想としてまとまるのは孔子・孟子においてである。儒教が成立する意味、仁・義という思想について考える。また儒教が体系として完成するのは、12世紀の朱子による。今日のいわゆる儒教文化圏が形成される所以である。ここでは朱子学・陽明学の構造を理解する。
担当講師: 高島 元洋 (放送大学客員教授)
第10回 日本文化と儒教
日本文化はつねに中国文化の影響を受けていた。儒教の受容も一般的には仏教以前であるといわれている。しかし思想自体は日本独自の受容をする。一例として、中世の五山文学における仏教と儒教の関係、近世における武士道と儒教について考える。朱子学は五山において受容された。山鹿素行の思想は、武士道に対して士道とよばれ赤穂義士などに影響をあたえた。
担当講師: 高島 元洋 (放送大学客員教授)
第11回 日本における儒教の受容(朱子学・陽明学)
日本社会において本格的に儒教が必要になったのは近世においてである。儒教の受容は藤原惺窩にはじまり、日本朱子学は林羅山・山崎闇斎において形成される。また日本陽明学は中江藤樹・熊沢蕃山と継承される。これらの思想がどのようなものであったかを考える。
担当講師: 高島 元洋 (放送大学客員教授)
第12回 日本儒教の完成(古学)
朱子学・陽明学の受容が一段落すると、日本独自の儒教が形成される。伊藤仁斎の古学である。古学の思想を考えながら、なぜ日本独自の思想が生まれたかを、検討する。
担当講師: 高島 元洋 (放送大学客員教授)
第13回 日本儒教の完成(古学)
日本独自の儒教は、伊藤仁斎だけではない。荻生徂徠の古学が、これもまたまったく構造の異なる思想であった。仁斎にせよ徂徠にせよ、むろん朱子もそうであるが、同じ『論語』を解釈しながら、まったく違う読み方をする。なぜそうなるのかを考えたい。
担当講師: 高島 元洋 (放送大学客員教授)
第14回 日本社会における儒教の影響
日本社会においては江戸時代以降儒教の影響が強くはたらいた。まづ社会的機能がどのようなものであったかを考えてみたい。教育的啓蒙的な意味もあるし、また近代的な合理主義を形成する側面もある。さらにこのような儒教の考え方を「漢意」として批判する本居宣長のような思想家もいた。
担当講師: 高島 元洋 (放送大学客員教授)
第15回 日本の思想:神道・仏教・儒教と近代化
日本の思想で重要なところは習合思想という形態を考えることである。古代では「神仏習合」、中世では「本地垂迹説」とか「禅儒一致・儒仏不二」、近世になると「儒家神道」が成立する。習合思想の中心となる神道について、どのような問題があるかを考え、基本となる神観念から理解する。近世思想になると、仏教も神道も世俗化し、習合思想は崩壊する。そして本格的な近代化がはじまる。
担当講師: 高島 元洋 (放送大学客員教授)

放送メディア:

ラジオ

放送時間:


2017年度 [第1学期] (火曜)
6時00分〜6時45分
2016年度 [第2学期] (金曜)
9時45分〜10時30分

単位認定試験 試験日・時限:

2017年度 [第1学期]
2017年7月27日 (木曜)
7時限 (16時45分~17時35分)

単位認定試験 試験日・時限:

2016年度 [第2学期]
2017年1月25日 (水曜)
5時限 (14時25分~15時15分)

開設年度:

2013年度

科目区分:

専門科目

科目コード:

1554654

単位数:

2単位
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