日本近世史(’13)

主任講師: 杉森 哲也

日本の歴史のなかで近世がどのような時代であるのかについて、正確に理解することを基本的な目標とする。あわせて現在の近世史研究の成果や課題についても、理解することができるようにする。 検討中リストに追加

各回のテーマと放送内容

※テーマをクリックすると授業内容が表示されます。

第1回 都市社会の構造
まず最初に、本講義の視点と課題について述べる。次に第1回のテーマとして、都市社会の構造について講義する。具体的には京都を取り上げ、特に町人地を中心にその構造的特質を明らかにするとともに、基礎単位である町および町々によって形成されている組町や町組の運営について検討する。
担当講師: 杉森 哲也 (放送大学教授)
第2回 近世都市の社会問題
近世の都市で発生した社会問題について講義する。多くの人口を擁した近世の都市では、様々な社会問題が発生していた。今回はこのうち捨子という問題を取り上げ、それがどのように発生し、どのように取り扱われたのか、そしてその社会的背景などの問題について考える。具体的な事例として、幕末の京都で起きた捨子の一件を取り上げ、詳しく検討する。
担当講師: 杉森 哲也 (放送大学教授)
第3回 近世の都市災害
近世の都市災害について講義する。具体的な事例として、近世の京都で起きた次の三つの都市災害、すなわち火災として天明8(1788)年の京都大火、震災として文政13(1830)年の京都地震、戦災として元治元(1864)年の禁門の変を取り上げる。これらの災害について、史料に即してその状況を見るとともに、都市住民が災害にどのように対処したのか、また災害が都市社会にどのような影響を与えたのかなどについて考える。
担当講師: 杉森 哲也 (放送大学教授)
第4回 武家屋敷と都市社会
城下町は、前近代の日本における代表的な都市類型の一つであった。従来、城下町の歴史は、町人の成長に注目して語られてきたが、幕末に至るまで、城下町において武家は重要な存在であった。ここでは、最大規模の巨大都市へと発展した江戸について、都市の治安維持や消防、出入商人、邸内社の公開をとりあげ、武家と都市社会の諸関係をみていく。
担当講師: 岩淵 令治 (学習院女子大学教授)
第5回 江戸勤番武士と都市社会 
江戸には、参勤交代に随行して、各地から藩士が集まった(江戸勤番武士)。彼らは、江戸ッ子から田舎者と馬鹿にされた。また、現代の研究者からは、余暇をもてあまし、節約をしながら江戸中をくまなく探訪したと評価されている。ここでは、彼らの日記や江戸案内書から、こうした非日常的な存在というイメージを批判し、彼らによって成り立っている江戸、あるいは彼らが江戸をどのように見ていたのかを考えていく。
担当講師: 岩淵 令治 (学習院女子大学教授)
第6回 近世考古学の進展と都市江戸研究
武家地の研究は、1980年代後半以降に本格化した江戸遺跡の発掘調査に端を発している。ここでは、近世考古学のあゆみとその成果、そして現状についてみていく。
担当講師: 岩淵 令治 (学習院女子大学教授)
第7回 大名家臣団と城下町
萩藩領(現・山口県)における支配の拠点だった城下町・萩のあり方を考える。なかでも萩藩家臣団の動向と関連づけ、武家屋敷地の動向をとりあげる。軍事的な緊張関係のなかで建設されたあと、幕府国目付の派遣をきっかけにして、武家地の拡充がなされてゆく経緯を観察したい。
担当講師: 森下 徹 (山口大学教授)
第8回 山口町と地域経済
萩藩領の在町だった山口町を取り上げる。近世中期には大坂へ向けた木綿の移出拠点として繁栄したものの、やがて産地間競争に敗北。かわって市の開催や地元向け産物などを取り扱うようになった。近世後期になると瀬戸内の地域経済に密着することで存立を図っていった様子をのべる。
担当講師: 森下 徹 (山口大学教授)
第9回 瀬戸内地域の労働社会
萩藩領の瀬戸内沿岸部には、近世後期においても新田開発が盛んに行われていた。その建設には広域を移動する石工が関わっている。地元の業者など重層的な請負構造を介して雇用されていたことを明らかにする。それを通して瀬戸内各地を移動する職人・労働力のあり方を考えたい。
担当講師: 森下 徹 (山口大学教授)
第10回 房総の相給村落と用水
近世房総地域(現・千葉県)の平野部の村のあり方を、九十九里平野内部の村である、台方村(現・千葉県東金市)を具体例として、明らかにする。複数の領主・知行主が支配する相給という支配のあり方や村々の用水利用のあり方を通して、農村の基本的な存在形態を理解してもらうことが目的である。
担当講師: 後藤 雅知 (立教大学教授)
第11回 房総の海付村落
海に囲まれた房総半島の特徴をよく示す事例である海に面した村々=海付村落のありようを、その内部構造に注目しながら検討する。房総の沿岸村々を概観した上で、具体例として、金谷村(現・千葉県富津市)を取り上げて、漁業社会の実態にせまることにする。
担当講師: 後藤 雅知 (立教大学教授)
第12回 林産物の生産と輸送
丘陵地ながら山深い房総半島内部の社会構造を明らかにするとともに、そうした社会における林産物生産が江戸でのエネルギー需要と強く結びついたことを論じる。具体例として、筒森郷奥山御林での林産物生産と、林産物を輸送する養老川水運とを取り上げて、検討していく。
担当講師: 後藤 雅知 (立教大学教授)
第13回 寺院・僧侶の組織
近世の地域社会において、宗教者がどのように存在し、ひとびととどのような関係を取り結んでいたのか。これから三回の講義で、仏教教団・僧侶について、関東の事例から、具体的に考えていく。今回は、寺院・僧侶の編成のありかた、地域的な教団組織の実態、多様な寺院の、住職の選定・決定方法、などについて、具体的にみていく。
担当講師: 朴澤 直秀 (日本大学教授)
第14回 在地寺院の実態と運営
地域社会における寺院の多様なありさまについて、関東の具体的な事例をとりあげ、検討していく。まずは寺院が果たす諸機能について注目し、その寺院が村や檀家組織の関与をうけながらどのように運営されていくのか、住職のいない寺院はどのように維持管理されていくのか、といった点についてみていく。さらに、僧侶の京都留学や、村の寺院とは対照的な、寺院領主の様相も紹介する。
担当講師: 朴澤 直秀 (日本大学教授)
第15回 寺檀制度をめぐって
近世の仏教を特徴付けた、一つの大きな要素である「寺檀制度」について、関東の、地域での実態や、幕府による対応などに即して考えてみる。一般的な葬祭・宗判に関する寺檀関係だけでなく、祈禱をめぐる寺檀関係にも着目する。また、「半檀家」という慣行への、村・寺院・幕藩領主それぞれの対応にも着目し、「寺檀制度」の特質について考えていく。
担当講師: 朴澤 直秀 (日本大学教授)

放送メディア:

ラジオ

放送時間:


2017年度 [第1学期] (日曜)
13時00分〜13時45分
2016年度 [第2学期] (金曜)
23時00分〜23時45分

単位認定試験 試験日・時限:

2017年度 [第1学期]
2017年7月30日 (日曜)
6時限 (15時35分~16時25分)

単位認定試験 試験日・時限:

2016年度 [第2学期]
2017年1月24日 (火曜)
5時限 (14時25分~15時15分)

開設年度:

2013年度

科目区分:

専門科目

科目コード:

1554670

単位数:

2単位
このページの先頭へ