日本の物語文学(’13)

主任講師: 島内 裕子

第一に、『源氏物語』をはじめとする豊富な物語作品に触れることによって、物語文学の全体像と、日本文学の精髄を学ぶ。第二に、それぞれの物語の内容と原文を、具体的に学ぶ。第三に、物語文学を通して、広く日本文化の本質を実感し、科目群履修認証制度の「日本の文化と社会」の基盤を構成する科目とする。 検討中リストに追加

各回のテーマと放送内容

※テーマをクリックすると授業内容が表示されます。

第1回 物語文学へのいざない
「物語」とは何であり、何でないのか。そして、これから何でありうるのか。物語に影響を及ぼした古代神話や歴史記録などとの比較を通して、「物語」の輪郭を浮き彫りにする。
担当講師: 島内 裕子 (放送大学教授)
第2回 始まりとしての『竹取物語』
「物語の親」とされる『竹取物語』は、超越的主人公に人間の最高の「価値=宝物」が何であるかを探究させ、愛こそすべてという結論に達した。これが、以後の物語文学の主題と「ストーリー=話型」に大きな影響を与えた。そのような文化史的・文学史的な観点に立って、『竹取物語』の世界を読み解く。
担当講師: 島内 景二 (電気通信大学教授)
第3回 愛の文学 -『伊勢物語』を読む(1)-
『伊勢物語』は、『竹取物語』のたどり着いた「愛こそすべて」という主題を検証すべく、「男と女のさまざまな愛のパターン」を描き尽くした。そのために、在原業平という「色好み」の主人公が要請された。この回では、「愛のカタログ」としての『伊勢物語』の意義を明らかにする。
担当講師: 島内 景二 (電気通信大学教授)
第4回 人生という旅 -『伊勢物語』を読む(2)-
『伊勢物語』は、短編の集合体というスタイルであるが、「昔男=在原業平」の一代記でもある。ここに造型された「人間の生き方」は、「東下り」をはじめとする各地への「旅」として描かれることになった。いわゆる「貴種流離譚」の意味するものを、『伊勢物語』から読み解く。
担当講師: 島内 景二 (電気通信大学教授)
第5回 『源氏物語』への道 -前期物語の試み-
日本文学の最高峰とされる『源氏物語』が書かれるためには、さまざまな試行錯誤が必要だった。この回は、「源氏物語前史」という観点から、『うつほ物語』『大和物語』『落窪物語』『住吉物語』などの物語群を考察する。
担当講師: 島内 景二 (電気通信大学教授)
第6回 真実の自己を求めて -『源氏物語』第一部を読む-
『源氏物語』は、光源氏という貴種がさまざまな愛と遠くへの旅を体験することで、人生の真実をつかみ取ろうとした「心の旅路」だと考えられる。この回は、光源氏が「自分が自分ではない苦しみ」を通して、「自分が自分である喜び」を謳歌するに至るプロセスをたどる。
担当講師: 島内 景二 (電気通信大学教授)
第7回 遠ざかる自己実現 -『源氏物語』第二部を読む-
光源氏の40歳以後は、一転して「自分が自分でしかない、もどかしさ」を描き始める。青年期・壮年期とは異なる「老年期の人生」の価値とは何か。光源氏が自分という存在を超えようとして出家するまでの「心の旅路」を凝視した第二部の世界をたどる。
担当講師: 島内 景二 (電気通信大学教授)
第8回 『源氏物語』を超える『源氏物語』 -『源氏物語』第三部を読む-
「宇治十帖」と呼ばれる『源氏物語』第三部は、『源氏物語』を超える『源氏物語』である。作者の紫式部は、なぜ光源氏の登場しない物語を書き継いだのか。「物語作者」の執念を感じさせる第三部を概観しながら、作者と読者の「心の通路」について考察する。
担当講師: 島内 景二 (電気通信大学教授)
第9回 『源氏物語』の重力 -後期物語の苦闘-
『源氏物語』以後の物語は、『源氏物語』の重力に強く縛られることになった。読者は『源氏物語』の「再現=模倣」を期待し、作者は『源氏物語』の重力からの解放を願う。その種々相を、『狭衣物語』『夜の寝覚』『浜松中納言物語』『堤中納言物語』などの後期物語から観察する。
担当講師: 島内 景二 (電気通信大学教授)
第10回 鎌倉時代の擬古物語 -『松浦宮物語』を読む-
「擬古物語」と総称される、鎌倉時代に書かれた物語文学を概観し、平安時代の物語との相違点や新たな達成を明らかにすると共に、擬古物語の中から『松浦宮物語』を取り上げて、内容や表現の工夫などを詳しく考察する。
担当講師: 島内 裕子 (放送大学教授)
第11回 室町時代の御伽草子
室町時代の後期から江戸時代の初期にかけて、御伽草子という「物語」が短編として誕生した。現世的な視点からの人間社会への接近が、大胆に試みられた。『鉢かづき』や『さいき』、『長生の帝物語』などの御伽草子を取り上げて、物語が新しい時代に適応して変化したようすを見届ける。
担当講師: 島内 裕子 (放送大学教授)
第12回 仮名草子
近世は、印刷技術の進歩と読者層の拡大に伴い、さまざまな物語のジャンルが生まれた。近世初期の仮名草子から代表的な作品を取り上げて読み、中世の物語文学に連続する側面と、新たに萌芽した近世文学としての側面について理解する。
担当講師: 佐藤 至子 (日本大学准教授)
第13回 浮世草子・前期読本
井原西鶴の『好色一代男』に始まる浮世草子は、現実を見つめ、人間の本質を描いた文学である。前期読本は、漢学・国学を基盤とする知識人が生みだした文学である。代表的な作品に即して、それぞれの特色をとらえつつ、王朝文学がこれらのジャンルにおいてどのように受容されているかを理解する。
担当講師: 佐藤 至子 (日本大学准教授)
第14回 後期読本・合巻・人情本
近世後期には江戸の地でさまざまな文学ジャンルが花開く。読本は内容・文体ともに変化して幅広い読者層を獲得した。挿絵を主体とする合巻、恋愛小説である人情本も人気を集めた。それぞれの主題と素材について理解するとともに、幕府による出版統制の影響について考える。
担当講師: 佐藤 至子 (日本大学准教授)
第15回 物語文学のゆくえ
『竹取物語』以来、過去の読者たちが「物語」に対して求め続けたものは、何だったのか。そして物語は、読者の熱い要望に応えることができたのか。近代文学の夜明けを告げた樋口一葉の作品を読みながら、物語と小説との関係を捉え直す。
担当講師: 島内 裕子 (放送大学教授)

放送メディア:

ラジオ

放送時間:


2016年度 [第2学期] (水曜)
9時45分〜10時30分

単位認定試験 試験日・時限:

2016年度 [第2学期]
2017年1月24日 (火曜)
4時限 (13時15分~14時05分)

開設年度:

2013年度

科目区分:

専門科目

科目コード:

1554689

単位数:

2単位
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