ドイツ哲学の系譜(’14)

主任講師: 佐藤 康邦、湯浅 弘

近代哲学の歴史を飾るドイツ哲学の理解を通じて、哲学という学問がどのような問題を扱うのかの理解に達することが第一の目標である。カントに即すれば、『純粋理性批判』で認識問題、『実践理性批判』で道徳問題、『判断力批判』で美と有機体の問題が、それぞれ、哲学という場面でどのような扱いをされるかが理解される。続いて、この哲学的問いが、今日の学問、今日の社会、今日の文化の理解にどのように適用されるかを考えることが、第二の目標である。そこで、現代科学というものを、人間の知恵という立場から振り返り、現代人の生き甲斐というものを、知性に即して考えるということが探求される。 検討中リストに追加

各回のテーマと放送内容

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第1回 ドイツ哲学の誕生 -カントに先立つドイツ哲学-
「ドイツ哲学」と言っても、カントの先行者や同時代人にとってのドイツは今日のそれと同じではないし、ドイツ語で思索した人ばかりでもない。英仏の哲学の影響も無視できない。カントの登場を「ドイツ哲学」のこうしたオープンな性格の豊かな実りとして捉えたい。
担当講師: 山根 雄一郎  (大東文化大学教授)
第2回 カント『純粋理性批判』の考察
カントは、近代科学の進歩を強く意識しながら、人間の認識能力は何を・どこまで学問的に厳密に認識できるのかを吟味する批判的な方法によって、哲学の中枢を担ってきた形而上学の再構築を試みた。『純粋理性批判』を中心に理論哲学の諸問題を概観する。
担当講師: 山根 雄一郎  (大東文化大学教授)
第3回 カント『実践理性批判』の考察
カントは、感性的な欲望を理性的に統御することが「できる」点に人間の自由を認める自律的人間観を打ち出した。それは、互いの人格を目的として尊重する理想的共同態を説く点で、社会哲学への射程も有している。平和論を含む実践哲学の諸問題を概観する。
担当講師: 山根 雄一郎  (大東文化大学教授)
第4回 カント『判断力批判』の考察
カントは、理性・悟性と並ぶ上級認識能力である判断力を扱うにあたり、「自然の合目的性」の概念を問題にする。これを「美しいもの」と有機体とに適用して、自然の全体を、美と目的の観点から一個の体系として判定しようとする『判断力批判』の諸問題を概観する。
担当講師: 山根 雄一郎  (大東文化大学教授)
第5回 倫理的観念論から芸術的観念論へ
カントの超越論哲学の徹底化を図りながらも、図りきれないフィヒテの倫理的観念論、および、この主観性の限界の打破を目ざしつつも、躓くシェリングの芸術的観念論の哲学的特質を検討する。

担当講師: 山田 忠彰 (日本女子大学教授)
第6回 「クモの巣」としての『エンチュクロペディー』?
ドイツ観念論の集大成といわれるヘーゲルの哲学体系『エンチュクロペディー(哲学的諸学の百科事典)』の内実および方法論を瞥見しながら、先行者たちとの差異ないしこの体系の独自性と問題性を検討する。
担当講師: 山田 忠彰 (日本女子大学教授)
第7回 最後の哲学体系のその後
ヘーゲル哲学への対応の仕方を、イタリアの思想家たち、抽象芸術の先駆的芸術家ならびに芸術終焉論を唱える現代の芸術哲学者に探りながら、この哲学の影響力、射程の広さについて考える。
担当講師: 山田 忠彰 (日本女子大学教授)
第8回 ショーペンハウアーの人間論
最近のショーペンハウアー研究には、従来のショーペンハウアー像の修正の必要性を指摘する新しい動向がある。本講義では、その点も紹介しながらショーペンハウアー哲学についてその人間論を中心に考究する。
担当講師: 湯浅 弘 (放送大学客員教授)
第9回 ニーチェの伝統批判
ニーチェの思想的営みは、ヨーロッパのキリスト教的伝統に対する批判と自らの生肯定の哲学の構築に分けられる。前者を取り上げる本講義では、批判的視点の形成過程を紹介した上で『道徳の系譜』を中心に彼のキリスト教批判について考究する。
担当講師: 湯浅 弘 (放送大学客員教授)
第10回 ニーチェの生肯定の哲学
ニーチェの生肯定の哲学は永遠回帰思想をはじめとする後期ニーチェ哲学に結実しているが、本講義では、初期ニーチェの『悲劇の誕生』の世界観とも絡めてニーチェの生肯定の哲学について考究する。
担当講師: 湯浅 弘 (放送大学客員教授)
第11回 ニーチェと20世紀の思想
20世紀から現在に至るまで、ニーチェの影響には甚だ大きなものがある。それは哲学者や文学者に対してばかりではないが、本講義では、20世紀の思想に与えたニーチェのインパクトを検証する。
担当講師: 湯浅 弘 (放送大学客員教授)
第12回 フッサール現象学 -事象そのものへ- 
フッサールは一方では、学問の基礎付けを目指して、自然的態度をエポケーし、純粋意識に遡源する。しかし他方では、学問の危機という立場から科学的世界の基盤として生活世界の重要性を説く。今回は、この二面性を他者問題と関連づけながら考察する。
担当講師: 寿 卓三 (愛媛大学教授)
第13回 ハイデガーの存在論 -現象学者ハイデガー-   
ハイデガーは、現存在を世界内存在、関心(Sorge)として考察し、その存在体制である時間性を析出する。また、不安、退屈を手がかりに現存在の有り様を本来性と非本来性とに二分する。今回は、ハイデガーの現存在把握の基本特徴を考察する。
担当講師: 寿 卓三 (愛媛大学教授)
第14回 ハイデガーの思索と現代
環境問題の深刻化、科学技術への信頼の揺らぎ、ことばへの不信、不安の時代といったことが、今日しばしば話題となっている。これらはまさにハイデガー哲学の基本テーマに他ならない。今回は、一見無味乾燥な存在の思索としてのハイデガー哲学の今日性について考察する。
 
担当講師: 寿 卓三 (愛媛大学教授)
第15回 ドイツ哲学と日本
明治以来、哲学を学ぶ日本人にとってドイツ哲学は、第一に学ぶ対象であった。そのことをめぐっての座談会をもとに、ドイツ哲学と日本との関係について考える。
担当講師: 佐藤 康邦 (放送大学客員教授) 湯浅 弘 (放送大学客員教授) 山田 忠彰 (日本女子大学教授) 寿 卓三 (愛媛大学教授) 山根 雄一郎  (大東文化大学教授)

放送メディア:

ラジオ

放送時間:


2017年度 [第1学期] (月曜)
13時00分〜13時45分
2016年度 [第2学期] (火曜)
13時45分〜14時30分

単位認定試験 試験日・時限:

2017年度 [第1学期]
2017年7月25日 (火曜)
3時限 (11時35分~12時25分)

単位認定試験 試験日・時限:

2016年度 [第2学期]
2017年1月24日 (火曜)
8時限 (17時55分~18時45分)

開設年度:

2014年度

科目区分:

専門科目

科目コード:

1554735

単位数:

2単位
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