ヨーロッパ文学の読み方―古典篇(’14)

主任講師: 宮下 志朗、井口 篤

単なる概説ではなく、テクストの一節の濃密な読みから出発して、その作品の全体像に、あるいはその作品を生んだ時代の様相に迫ることで、学習者に対して、この作品を読んでみたいという強烈な動機付けを与え、古典と主体的に接してもらうこと。 検討中リストに追加

各回のテーマと放送内容

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第1回 ギリシア・ローマ(1) ホメロス『イリアス』
「怒りを歌え、ムーサよ」という呼びかけで始まる『イリアス』は戦いの文学ととらえられることが多いが、名誉・祖国・友情等のための戦いと殺戮の果てには大いなる赦し合いが輝いている。至高の叙事詩をとおしてギリシア人の人間理解を考える。
担当講師: 中務 哲郎 (京都大学名誉教授)
第2回 ギリシア・ローマ(2) ヘロドトス『歴史』
小国ギリシアはなぜ大帝国ペルシアに勝てたのか。ヘロドトスはペルシア戦争の記述を軸に、全世界の地理・歴史・風俗・伝承を語りつつ、自然界人間界を覆う神の叡智を明らかにしていく。トゥキュディデスの個別史の対極にあるヘロドトスの魅力を味わう。
担当講師: 中務 哲郎 (京都大学名誉教授)
第3回 ギリシア・ローマ(3) ソポクレス『アンティゴネ』
「逆賊を葬ってはならぬ」という国の掟を犯して兄を埋葬したため、アンティゴネは生きながら穴蔵に閉じ込められる。この劇に「自然法と国の掟の対立」を見たヘーゲルはじめ、様々な解釈を誘う問題劇を鑑賞する。
担当講師: 中務 哲郎 (京都大学名誉教授)
第4回 ギリシア・ローマ(4) ギリシアの小説
叙事詩・抒情詩・演劇・散文(哲学・歴史・弁論)と次々に新ジャンルを開拓してきたギリシア文学は、最後に古代小説を生み出した。その起源を考察した後、現存する五作品の中、牧歌小説『ダフニスとクロエ』と最高傑作『エチオピア物語』を中心に味わう。
担当講師: 中務 哲郎 (京都大学名誉教授)
第5回 ギリシア・ローマ(5) ウェルギリウス『アエネイス』
『アエネイス』は、『イリアス』や『オデュッセイア』を徹底的に研究し、模倣した叙事詩ですが、そのすぐれた独自性は歴史と神話を融合した点にあります。本作品のなかで、ローマの歴史がどのように扱われているかについて注目します。

担当講師: 日向 太郎 (東京大学准教授)
第6回 ギリシア・ローマ(6) オウィディウス『変身物語』
『変身物語』は神話の宝庫であり、ヨーロッパの諸芸術の形成に深くかかわってきました。今も多くの読者を惹き付けてやまない理由は、変身という主題の面白さもさることながら、巧みな物語叙述にあります。作品中、変身場面がどのように扱われているかについて注目します。
担当講師: 日向 太郎 (東京大学准教授)
第7回 中世・ルネサンス (1) 『トリスタンとイズー』 
ケルトの伝説に起源を有するという、マルク王の妻イズーと、マルク王の甥トリスタンの、媚薬ゆえの愛は、ヨーロッパ中に伝承されていった。「騙し」に着目して、ベルールの『トリスタン』を読むが、各国版の差異にも注目しつつ、この物語の本質に迫ってみたい。
担当講師: 宮下 志朗 (放送大学特任教授)
第8回 中世・ルネサンス(2) ダンテ『神曲』
どうしてダンテは『神曲』を書いたのか。そして、どうして読み継がれたのか。この作品の魅力の広がりや、恋愛論と知性論としての読み方の可能性を、21世紀の読者の視点から考えてみたい。具体的には、地獄編冒頭、フランチェスカ、ウリッセの物語とベアトリーチェ像をとりあげたい。
担当講師: 村松 真理子 (東京大学教授)
第9回 中世・ルネサンス(3) ボッカッチョ『デカメロン』
ダンテから下ることわずか一世代で書かれた『デカメロン』だが、共同体の危機の時代にこそ、女性読者のための娯楽文学という設定が生まれ、豊かな文体と多様な人間的価値観が可能もしくは必要となったことの意味を、今日の状況から読み直してみたい。具体的には特に、第一日序と、女性主人公の物語をいくつか紹介したい。
担当講師: 村松 真理子 (東京大学教授)
第10回 中世・ルネサンス(4) ジェフリー・チョーサー『カンタベリ物語』
14世紀後半のイングランドにおいて多様なジャンルの詩作品を生み出したジェフリー・チョーサーの作品群には、同時代の社会状況やヨーロッパ文学・思想の先達たちの刻印が消しがたく押されている。この講義ではチョーサーの代表作『カンタベリ物語』を大きな歴史的コンテクストの中で創造的な翻訳をする作家として位置づけつつ読む。
担当講師: 井口 篤  (慶應義塾大学准教授)
第11回 中世・ルネサンス (5) 『マージェリー・ケンプの書』
15世紀のイングランドに生きた敬虔な女性マージェリ・ケンプの自伝『マージェリ・ケンプの書』を読むことで、中世後期ヨーロッパの神秘主義について知識を深めるとともに、敬虔な一般信徒の女性が自らの信仰を実践する際にどのような困難がつきまとったのかについて考察する。
担当講師: 井口 篤  (慶應義塾大学准教授)
第12回 中世・ルネサンス(6) フランソワ・ヴィヨン
パリ大学出のインテリでありながら、さまざまな事件・犯罪にかかわり、たびたび入獄するも、その都度釈放を勝ち取った男。しかも、その間、『形見分け』『遺言』『隠語詩篇』など、わすれがたい作品を残してくれた男。ヴィヨンの謎と魅力にせまる。
担当講師: 宮下 志朗 (放送大学特任教授)
第13回 中世・ルネサンス(7) 『ティル・オイレンシュピーゲル』
各地に出没しては、ことばの表層をとらえていたずらをしでかし、放逐されて、どこかに去っていくティル・オイレンシュピーゲル。このトリックスターの物語の成立の謎を探ると同時に、フラマン語・フランス語・英語という、もう一つの系統についても紹介する。
担当講師: 宮下 志朗 (放送大学特任教授)
第14回 中世・ルネサンス(8) ラブレー『ガルガンチュアとパンタグリュエル』
巨人王と家来たちを主人公とした、言語遊戯や目録などの一見すると雑ぱくな要素に満ちた、この物語のおもしろさを伝えるとともに、その背後にいかなる思想やアクチュアリティが込められているのかについて、『第一の書 ガルガンチュア』を読みながら考えたい。
担当講師: 宮下 志朗 (放送大学特任教授)
第15回 古典を読む喜び
担当講師はいずれも、よの古典作品を対象にして研究・翻訳を実践している。各人の経験に基づいて、古典を読むことの喜びや、苦しさについてざっくばらんに語りあう。なお、「印刷教材」には、古典を読むことについての、各人のエッセイを掲載する。
担当講師: 担当講師全員

放送メディア:

ラジオ

放送時間:


2017年度 [第1学期] (火曜)
13時00分〜13時45分
2016年度 [第2学期] (木曜)
23時00分〜23時45分

単位認定試験 試験日・時限:

2017年度 [第1学期]
2017年7月23日 (日曜)
7時限 (16時45分~17時35分)

単位認定試験 試験日・時限:

2016年度 [第2学期]
2017年1月22日 (日曜)
5時限 (14時25分~15時15分)

開設年度:

2014年度

科目区分:

専門科目

科目コード:

1554760

単位数:

2単位
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