経験論から言語哲学へ(’16)

主任講師: 勢力 尚雅、古田 徹也

前半の目標は、「経験論」の思考を追体験することである。とかく「イギリス経験論 vs 大陸合理論」といったおおざっぱな図式のもとに思想家の名を連ねることで処理されがちな「経験論」であるが、具体的にはどのような思考なのだろうか。個々の論者が取り組んだテーマと考察をめぐって、言語および人間と社会についてのさまざまな観察と考察を辿っていく。
後半の目標は、経験論との関係のもとで「言語哲学」を理解することである。前半と同様に、思想家の名やその代表的なテーゼを確認するだけでなく、個々の思想家の思考を実際に追体験しながら、言語をめぐる哲学的思考の営みというものの意義と重要性を跡付けていく。 検討中リストに追加

各回のテーマと放送内容

※テーマをクリックすると授業内容が表示されます。

第1回 イギリス経験論のアクチュアリティー -デカルトとホッブズの衝撃
「経験論」とは何か。21世紀に生きるわれわれとどんな関係があるのか。なぜイギリス経験論に着目するところから始めるのかを理解する。
担当講師: 勢力 尚雅 (日本大学教授)
第2回 ロックと道徳感覚学派 -経験をどう反省してどんな秩序が生まれるのか
経験を認識するために欠くべからざるものとデカルトが考える「観念」は、経験の中でつくられる。そう考えたジョン・ロックの思考の特徴と帰結、そして、ロックの所説に対する批判的応答として、シャフツベリ、ハチスンの議論を考察する。
担当講師: 勢力 尚雅 (日本大学教授)
第3回 ヒュームによる蓋然的推理批判 -何かを「信じる」とき、何が生じているのか
経験を反省し秩序をつくる主体とは何か。われわれがもつさまざまな信念と、それを形成する蓋然的推理を批判したヒュームの議論とねらいについて考える。
担当講師: 勢力 尚雅 (日本大学教授)
第4回 ヒュームの懐疑論と寛容論 -想像力と言語はどのような関係にあるか
ヒュームの経験論は懐疑論に陥ったと批判されることがある。しかし、その懐疑は「人間の科学」という企てと背中合わせのプロセスである。「人間的自然」を生成の相で描こうとしたヒュームの懐疑と科学についての議論を考察する。
担当講師: 勢力 尚雅 (日本大学教授)
第5回 スミスにおける道徳哲学の展開 -交換性向と適切さの感覚は何を生むのか
われわれは想像力と経験に導かれて、どのような感覚を磨きながら、どのような生活様式に縛られるようになるか。ヒュームの始めた道徳哲学を引き継ぎ、多様な観察に基づいて推測を重ねたアダム・スミスのいくつかの議論を考察する。
担当講師: 勢力 尚雅 (日本大学教授)
第6回 ベンサムの言語論とミルの道徳科学 -古典的功利主義を支える経験論は何か
古典的な功利主義を代表する二人の人物、ジェレミー・ベンサムとジョン・スチュワート・ミルの議論をたどり、彼らが直面した状況と問題を視野に入れながら、イギリス経験論から功利主義がどのように生まれてきたかについて理解する。
担当講師: 勢力 尚雅 (日本大学教授)
第7回 パースの実験主義とジェイムズのプラグマティズム
これまでの章で見てきたイギリス経験論(とくにその言語論と学問的方法論)は、アメリカで「プラグマティズム」と呼ばれる経験論へと受け継がれる。その提唱者であるパースとジェイムズの議論を比較検討しながら、彼らの経験論を考察する。
担当講師: 勢力 尚雅 (日本大学教授)
第8回 現代的な経験論の源流
フランツ・ブレンターノとエルンスト・マッハの哲学を概観することにより、現代的な経験論の源流を見出し、近代と現代の英米哲学の結節点がどこにあるのかを探る。とりわけ、マッハの極端な経験論が後代に広範な影響を与えていることを確認する。
担当講師: 古田 徹也 (専修大学准教授)
第9回 言語哲学の源流
論理学的研究を基にした言語哲学(分析哲学)の源流となるゴットロープ・フレーゲの議論を跡づけ、経験論との立場の違いを確認する。
担当講師: 古田 徹也 (専修大学准教授)
第10回 前期ウィトゲンシュタイン
前期ウィトゲンシュタインの主著『論理哲学論考』の議論の枠組みを跡づけることで、この著作が引き起こした「言語論的転回」の内実を確認する。
担当講師: 古田 徹也 (専修大学准教授)
第11回 言語と世界のつながり
論理学的研究を基にした形式的な言語理論と、現実の経験的世界とのつながりについて、バートランド・ラッセルとウィトゲンシュタインがどのような思考を展開したのかを探る。
担当講師: 古田 徹也 (専修大学准教授)
第12回 論理実証主義
現代の言語哲学と経験論が融合した立場である「論理実証主義(論理的経験論)」の成り立ちと内実を跡づける。
担当講師: 古田 徹也 (専修大学准教授)
第13回 言語観の転換へ
経験論と言語哲学のかかわりをめぐる20世紀半ば~後半の代表的な議論を確認することで、感覚的経験を組織化する枠組みとしての言語観から転換する端緒を探究する。
担当講師: 古田 徹也 (専修大学准教授)
第14回 言語ゲーム論と言語行為論
言語を「行為」という観点から捉え直す、後期ウィトゲンシュタインの言語ゲーム論とJ・L・オースティンの言語行為論のアウトラインを辿る。
担当講師: 古田 徹也 (専修大学准教授)
第15回 経験と言語 -ロマン主義と世紀末芸術との邂逅を題材に
経験論から言語哲学へと論じてきた各論を、ロマン主義や世紀末ウィーンの芸術・哲学と関連づけて捉え直すことで、経験論と言語哲学の関係性と、今日におけるアクチュアリティーを考え、経験と言語のつながりについて討論する。
担当講師: 勢力 尚雅 (日本大学教授) 古田 徹也 (専修大学准教授)

放送メディア:

ラジオ

放送時間:


2017年度 [第2学期] (火曜)
7時30分〜8時15分

単位認定試験 試験日・時限:

2017年度 [第2学期]
2018年1月27日 (土曜)
2時限 (10時25分~11時15分)

開設年度:

2016年度

科目区分:

専門科目

科目コード:

1554859

単位数:

2単位
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