現代化学(’13)

主任講師: 濱田 嘉昭、菅原 正

人類は自然を利用しながら自然から学び、人工物質を合成することで天然物質より効率の良いエネルギー源や機能性に優れた物質を生産してきた。本教科では、エネルギー、機能物質、生命と健康を3つの柱として、化学という学問がそれらとどのように係わってきたかを学ぶ。また、どのような手段で原子の配列や分子の形を決定できるかについて、分光学、回折法、理論、計算機シミュレーションの基礎を修得する。さらに、人類を含めた生物は物質とどこが異なるのか、その機能はどこまで分子のレベルで理解できるようになったか、健康の問題に化学がどのように係わっているかを理解する。 検討中リストに追加

各回のテーマと放送内容

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第1回 化学の目指すところ
化学とはどのような学問であり、どのような役割を果たして来たかを歴史的に跡付けると共に、「現代化学」が現代および将来に、どのように係っていくのかを考察する。
担当講師: 濱田 嘉昭 (放送大学名誉教授) 菅原 正 (神奈川大学教授) 久保 貴哉 (東京大学特任教授) 石井 菊次郎 (学習院大学教授) 太田 成男 (日本医科大学大学院教授)
第2回 エネルギーと化学1 ~現代社会を支えるエネルギー~
エネルギーは様々な形態で存在することを確認し、それらが相互に変換する場合のプロセスや効率について解説する。化学エネルギーから熱エネルギーを取り出す過程の代表例として燃焼過程をとりあげ、電気エネルギーへ変換する技術として火力発発電技術を解説する。現代社会を支えるエネルギーの今後として、非在来型化石資源や再生可能エネルギーなどエネルギー源の多様化の重要性を解説する。


担当講師: 久保 貴哉 (東京大学特任教授)
第3回 エネルギーと化学2 ~天然物質と加工燃料~
天然物質(化石資源)を加工して利用価値を高めるための知恵について、石油精製技術、ガスの液化技術、水素製造技術について解説を行う。一方で、燃料の持つ化学エネルギーを運動エネルギーへ効率良く変換させるための人々の知恵と工夫を、自動車エンジンの高性能化の経緯を眺めながら解説する。
担当講師: 久保 貴哉 (東京大学特任教授)
第4回 エネルギーと化学3 ~電気エネルギーへの変換とその貯蔵技術~
光エネルギーを電気エネルギーへ直接変換する過程や、化学エネルギーから燃焼過程を経由せずに電気エネルギーを取り出す過程について解説する。それらの具体例として、太陽電池、燃料電池、リチウムイオン電池を取り上げる。今後益々重要性が高まるこれらの発電技術や蓄電技術の現状と課題についても解説する。
担当講師: 久保 貴哉 (東京大学特任教授)
第5回 エネルギーと化学4 ~自然に学ぶエネルギー変換技術~
緑色植物などが行う光合成には、エネルギー移動過程や電子移動過程など複数の反応過程が含まれており、それらは100%に近い効率で進行している。このすぐれたエネルギー変換過程との類似性に着目しながら、太陽電池と光触媒材料を解説する。
担当講師: 久保 貴哉 (東京大学特任教授)
第6回 機能性物質の化学1 ~物質の機能とは~
現代社会で用いられている多様な「機能性物質」を衣・食・住などをキーワードとして分類し、天然の物質と比較する。また、化学物質の優れた面と共に、新たに生じた問題についても紹介する。
担当講師: 石井 菊次郎 (学習院大学教授)
第7回 機能性物質の化学2 ~物質の微視的構造と巨視的性質~
物質の特徴的な性質が、その物質を構成する原子・分子の組み合わせといったミクロな構造から導かれていることを学ぶ。また、ナノテクノロジーなど、物質に関わる現代的な視点についても触れる。
担当講師: 石井 菊次郎 (学習院大学教授)
第8回 機能性物質の化学3 ~光と電子に注目して~
現代社会で用いられている「機能性物質」のいくつかを光や電子との関係に注目して取り上げ、それらの特徴などを解説するとともに、それらが実用化されるに至った「知恵」に触れる。
担当講師: 石井 菊次郎 (学習院大学教授)
第9回 機能性物質の化学4 ~快適で安全な暮らしのために~
まず,水との関係に注目していくつかの機能性物質を取り上げ,さらに、新たな機能性物質の開発のために化学が行っている努力について触れる。また,省エネルギー、資源の有効利用、環境保全,廃棄物処理など,これからの社会のために化学が担うべき役割について考える。
担当講師: 石井 菊次郎 (学習院大学教授)
第10回 化学における計測
分子や物質の構造は基本的には実験によって決められる。そのために、現代では様々な機器を用いた測定を行っている。まず、この測定の質を決める感度、分解能やダイナミックレンジといた要素を考察する。分子を測定を行う3つの異なる方法として分光法、回析法、および顕微鏡の原理を説明しつつ、それぞれの代表的な手法を紹介する。それぞれの方法でわかる分子や物質の構造と性質に関して例を挙げ解説する。
担当講師: 濱田 嘉昭 (放送大学名誉教授)
第11回 化学と生命・健康1 ~物質と生命をつなぐソフトマター~
物質から生命への架け橋として注目されているのが、ソフトマターである。物質としてのソフトマター、生体材料としてのソフトマターについて概観し、ソフトマターとしての性質が、どのように我々の生活に役立っているか、また食品として利用されているかについて述べる。
担当講師: 菅原 正 (神奈川大学教授)
第12回 化学と生命・健康2 ~生命の本質:化学からみた生命とは何か?~
生物(生命体)は、化学物質で構成されているが、単なる物質の集合体とどこが違うのだろう。生物は、物理化学の法則にしたがって、エネルギーを消費しながら秩序を形成し、生物特有の営みをしている。非生物と比較して生物の挙動の特徴について考察する。

担当講師: 太田 成男 (日本医科大学大学院教授)
第13回 化学と生命・健康3 ~生体分子と生体反応を見る~
様々な技術を駆使することによって、生体を構成する物質や生体内反応を見ることができるようになった。「見る」ことは、生命現象を理解するのに大いに貢献する。直接的な感覚に訴えることにより、生物の中で行われている反応を理解するのを助ける。
担当講師: 太田 成男 (日本医科大学大学院教授)
第14回 化学と生命・健康4 ~医療における化学の役割~
現代化学の叡智は広く病気の診断、創薬につかわれている。新しい薬を作り出すためには化学の知識が必須であり、酵素の立体構造解析が利用されている。病気になると体内の代謝物が変化することを利用して病気の早期発見や病因の究明がなされようとしている。
担当講師: 太田 成男 (日本医科大学大学院教授)
第15回 社会の発展と物質の進化
人類は化学を進歩させることで人工のエネルギーや機能物質を創り上げ、文明を飛躍的に進化させた。一方で、エネルギーの枯渇、環境汚染の出現などの問題が顕在化したが、今や人工物質の新しい設計指針が示されつつある。化学の対象が生命や健康にも広がりつつあることを踏まえ、本教材の内容を復習しつつ、化学の将来について考える。
担当講師: 濱田 嘉昭 (放送大学名誉教授) 菅原 正 (神奈川大学教授) 久保 貴哉 (東京大学特任教授) 石井 菊次郎 (学習院大学教授) 太田 成男 (日本医科大学大学院教授)

放送メディア:

テレビ

放送時間:


2016年度 [第2学期] (火曜)
11時15分〜12時00分

単位認定試験 試験日・時限:

2016年度 [第2学期]
2017年1月22日 (日曜)
5時限 (14時25分~15時15分)

開設年度:

2013年度

科目区分:

専門科目

科目コード:

1562649

単位数:

2単位
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