解析入門(’18)

主任講師: 河添 健

2変数関数に関する理解と計算力を養います。また発展として複素関数の不思議な性質とその応用を紹介します。証明の理解よりは、概念の把握、計算力、応用への理解を目標とします。 検討中リストに追加

各回のテーマと放送内容

※テーマをクリックすると授業内容が表示されます。

第1回 多変数関数の連続性
最初に15回の講義を概説し、勉強の仕方について述べる。1回目は多変数関数の必要性とその可視化から始める。2変数関数のグラフは3次元空間の曲面として視覚化される。そのグラフの平面への可視化の方法として、切り口や等高線を考える。関数が可視化されると連続や不連続が視覚で理解できるが、それをもとに連続と不連続の定義を解説する。
担当講師: 河添 健 (慶應義塾大学教授)
第2回 多変数関数の微分可能性
関数のなめらかさ、すなわちグラフのなめらかさを表す概念が微分である。1変数の微分の概念-接線とその傾き-を多変数関数に拡張する。このとき2つの考え方があり、それらが偏微分と全微分になる。今回はその幾何学的な意味をきちんと理解する。さらに勾配ベクトル、接平面、法線ベクトルを定義し、その求め方を習得する。
担当講師: 河添 健 (慶應義塾大学教授)
第3回 偏微分の計算
1変数関数の微分公式を復習するとともに、多変数関数の偏微分の計算方法を習得する。とくに多変数関数の合成関数の微分公式や高階の偏微分の公式を紹介する。また1変数関数が陰関数と呼ばれる多変数関数による表記方法で与えられたときの、その微分と偏微分との関係を理解する。
担当講師: 河添 健 (慶應義塾大学教授)
第4回 テイラー展開
1変数関数のテイラー展開を復習し、多変数関数のテイラー展開を求める。この際、第3回で学んだ高階の偏微分を用いる。項数が増えたとき誤差項が小さくなる場合はテイラー級数となる。多変数関数のテイラー展開からその近似-線形近似や多項式近似-が得られることを理解する。
担当講師: 河添 健 (慶應義塾大学教授)
第5回 極値問題
第4回のテイラー展開の応用として極値問題を考える。すなわち多変数関数を1次近似あるいは2次近似することにより、その極大点・極小点・停留点を探す。ヘッシアンとよばれる2階の偏微分からなる行列式を導入し、それを用いた極値の判定方法を紹介する。さらに応用上重要な制約条件があるもとでの極値問題も考える。
担当講師: 河添 健 (慶應義塾大学教授)
第6回 2変数関数の積分
1変数関数の定積分を復習する。とくにリーマン和の概念を拡張し、長方形領域で定義された多変数関数の重積分を定義する。さらに一般の領域での重積分を定義する。とくに定数関数1の重積分を考えることにより領域の面積が定義される。また重積分の計算が、累次積分と呼ばれる1変数関数の積分の繰り返しで与えられることを紹介する。
担当講師: 河添 健 (慶應義塾大学教授)
第7回 座標変換と面積・体積
1変数関数の置換積分-変数変換-の公式の拡張として、多変数関数の置換積分を考える。ヤコビアンと呼ばれる1階の偏導関数からなる行列式が表れる。とくに直交座標で書かれた関数の重積分を極座標や円柱座標の重積分に変換する公式を導く。具体的な例を中心に、重積分を用いて図形の面積や立体の体積の計算を行う。
担当講師: 河添 健 (慶應義塾大学教授)
第8回 複素数
この回から複素数とそれを変数とする複素関数について考える。最初に複素数の歴史を紹介する。次に複素数の四則演算や複素数と複素数平面との対応、複素数の極形式について学ぶ。またド・モアブルの公式を用いて高次方程式の複素数解を求めてみる。
担当講師: 河添 健 (慶應義塾大学教授)
第9回 複素関数
複素数を変数とする複素関数について、その定義域や値域を理解する。1変数関数のときと同様に、連続な複素関数や微分可能な複素関数-正則関数-を定義することができる。定義は1変数関数のときと同じだが、 正則関数はコーシー・リーマンの微分方程式を満たすことが分かり、違いが現われる。
担当講師: 河添 健 (慶應義塾大学教授)
第10回 整級数
級数の基本的な性質を復習する。つぎに整級数を定義する。整級数の収束半径の求め方や微分可能性などの基本的な性質を調べる。とくに整級数は正則関数となる。複素変数の指数関数や三角関数を整級数で定義し、オイラーの公式を導く。また実変数の対数関数やべき関数を複素変数に拡張する。
担当講師: 河添 健 (慶應義塾大学教授)
第11回 複素積分
複素関数の積分を考える。線積分と呼ばれる複素関数の複素数平面上の曲線にそった積分を定義する。線積分の基本的な性質を学び、この線積分を用いて複素関数の原始関数の概念を導入する。また次回で用いる2変数関数のグリーンの公式を紹介する。
担当講師: 河添 健 (慶應義塾大学教授)
第12回 コーシーの積分定理
正則関数の閉曲線上の線積分に関するコーシーの積分定理を導く。証明には前回に紹介したグリーンの定理を用いる。この定理から正則関数の線積分における積分路の変形原理が得られる。さらにコーシーの積分公式を導く。これらの定理と公式により、複素関数の閉曲線上の線積分が容易に得られるようになる。
担当講師: 河添 健 (慶應義塾大学教授)
第13回 テイラー級数と正則関数
コーシーの積分公式に注目すると正則関数が常にテイラー級数に展開ができることが分かる。整級数と正則関数の概念は一致する。実関数では成り立たないリウヴィルの定理、一致の定理、最大値の原理を紹介する。またリウヴィルの定理を用いて代数学の基本定理を証明する。
担当講師: 河添 健 (慶應義塾大学教授)
第14回 ローラン級数と特異点
この回では正則でない複素関数-特異点をもつ関数-を扱う。具体的な例を用いて正則でない関数に対するローラント級数展開を導入する。この級数展開の形から極などの特異点の分類を行う。さらにローラント級数の-1次の係数から留数を定義し、その計算方法を紹介する。
担当講師: 河添 健 (慶應義塾大学教授)
第15回 留数の原理とその応用
第14回で定義した留数に関する留数の原理を導く。この応用として、いくつかの1変数の実関数の定積分が用意に得られることが分かる。実関数の定積分を通常の積分で求めるには、いろいろな積分公式や技術を要したが、ここでは留数の原理により簡単に得られる。留数の原理の別の応用として、偏角の原理やルーシェの定理を紹介する。
担当講師: 河添 健 (慶應義塾大学教授)

放送メディア:

ラジオ

放送時間:


2018年度 [第1学期] (月曜)
13時45分〜14時30分

単位認定試験 試験日・時限:

2018年度 [第1学期]
2018年8月1日 (水曜)
8時限 (17時55分~18時45分)

開設年度:

2018年度

科目区分:

専門科目

科目コード:

1562886

単位数:

2単位
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