社会と銀行(’14)

主任講師: 吉野 直行

この科目では、伝統的な金融論の枠組みを越えて、幅広い視点から銀行の業務と社会的役割について再考し、ダイナミックに変化する現代社会における銀行の存在意義と公共性について考察することを目標とする。受講者は、金融論の文献に登場する銀行ではなく、生身の人間の集団としていまに生きる銀行の姿を理解し、その将来を展望する作業に参加して欲しい。 検討中リストに追加

各回のテーマと放送内容

※テーマをクリックすると授業内容が表示されます。

第1回 日本の資金循環 -お金の流れ
多くの人は経済といえばお金を連想するが、お金とはいったい何だろうか。わたしたちが銀行に預け入れたお金はどこへ行くのだろうか。金融機関はビジネスであると同時に、どのような公共的役割を担っているのだろうか。金融機関は何を仲介しているのだろうか。金融の流れと実体経済とはどのように関連しているのだろうか。銀行が国債を購入したり、企業に資金を貸し出す動きと、経済への影響を考察する。
担当講師: 吉野 直行 (慶應義塾大学名誉教授、アジア開発銀行研究所所長)
第2回 金融システムにおける銀行の役割
多くの金融機関や金融市場とそれを支える法律や制度が集まって金融システムは構成されている。その中で銀行が果たしている役割は何だろうか。銀行が扱うサービスはなぜ金融商品と呼ばれているのか。金融システムを特徴づける言葉としての直接金融と間接金融とはどのような意味なのだろうか。金融市場と銀行の関係についても言及したい。
担当講師: 吉野 直行 (慶應義塾大学名誉教授、アジア開発銀行研究所所長)
第3回 消費者と銀行
消費者にとって銀行はお金を預ける場所であり、お金を借りる場所でもある。銀行の消費者向けのサービスにはどのようなものがあるのか。銀行が扱う預金商品と投資信託商品はどう異なるのだろうか。住宅ローンや個人向けローンを借りるときの注意点はどのようなことだろうか。ATMでの送金はどのように行われているのだろうか。
担当講師: 吉野 直行 (慶應義塾大学名誉教授、アジア開発銀行研究所所長)
第4回 信託ビジネスとは
信託ビジネスとは何だろうか。高齢社会において消費者の資産運用ニーズはどう高まっているのだろうか。それに信託商品はどう応えられるのだろうか。なぜ預金と信託は区別された別の商品となっているのだろうか。信託サービスに必要な専門性とは何だろうか。信託勘定の収益状況を分析し、今後の課題を探ってみよう。
担当講師: 吉野 直行 (慶應義塾大学名誉教授、アジア開発銀行研究所所長)
第5回 企業と銀行
銀行とまったく取引のない企業は存在しない。企業に対して銀行はどのようなサービスを提供してくれるのだろうか。銀行の企業向け貸出にはどのような種類と特徴があるのだろうか。地方自治体など公共法人と銀行はどのような取引をしているのだろうか。外国にある商業銀行と投資銀行の区別は日本ではどうなっているのだろうか。企業の投資活動と銀行による貸出の関係についても解説する。
担当講師: 前多 康男 (慶應義塾大学教授)
第6回 資金決済ネットワーク
たとえ個別の銀行は倒産することがあっても、資金決済ネットワークは崩壊してはならないと言われる。小切手、手形、銀行間の資金決済、日本銀行との関係など、資金決済ネットワークはどのような仕組みで、誰によって担われているのだろうか。電子マネーの利用はどの程度進んだのだろうか。また、今後銀行以外の企業による送金業務への新たな参入は起こるのだろうか。
担当講師: 翁 百合 (日本総合研究所主席研究員・理事)
第7回 短期金融市場
たとえ個別の銀行は倒産することがあっても、資金決済ネットワークは崩壊してはならないと言われる。小切手、手形、銀行間の資金決済、日本銀行との関係など、資金決済ネットワークはどのような仕組みで、誰によって担われているのだろうか。電子マネーの利用はどの程度進んだのだろうか。また、今後銀行以外の企業による送金業務への新たな参入は起こるのだろうか。
担当講師: 福田 慎一 (東京大学教授)
第8回 日本銀行と金融政策
日本銀行は発券銀行であり、銀行の銀行であり、政府の銀行だと言われる。日本銀行の仕事は何だろうか。日本銀行は自由にお金を発行できるのだろうか。日本銀行の貸借対照表を見てみよう。日本銀行はどのような政策手段を用いて、何を目標として金融政策を行うのだろうか。
担当講師: 福田 慎一 (東京大学教授)
第9回 バブル・不良債権・預金保険機構
1980年代後半からの日本経済のバブル現象とそれに続くバブル崩壊はどのように進行したのだろうか。金融機関が抱えた大量の不良債権はどう処理され、金融機関の破綻処理はどう進められたのだろうか。公的資本増強はどのような効果を持っていたのだろうか。預金保険機構に求められる新たな役割とは何だろうか。バーゼル自己資本比率規制の強化とは、どのような内容かを解説したい。
担当講師: 吉野 直行 (慶應義塾大学名誉教授、アジア開発銀行研究所所長)
第10回 デリバティブ -新しい金融手法の発達
不動産貸付、企業向け貸出、債券、株式などを食材になぞらえれば、金融派生商品(デリバティブ)は華麗な料理に例えられるかもしれない。リスク分散や資産の流動化など、どのような目的でデリバティブは作られ、金融工学理論はどのような役割を果たしたのか。デリバティブの構造に立ち入り、新しい金融手法の発達が銀行にもたらす役割の変化に注目する。
担当講師: 前多 康男 (慶應義塾大学教授)
第11回 金融再編とメガバンク
2000年以降の日本では、大型金融再編が相次ぎ、4大メガバンクが誕生した。銀行に規模の利益はあるのだろうか。金融持株会社の意義はどこにあるのだろうか。メガバンクはどのような国際的な活動を行っているのだろうか。メガバンク化は国際的にも進展しているのだろうか。メガバンクの収益率を見てみよう。
担当講師: 吉野 直行 (慶應義塾大学名誉教授、アジア開発銀行研究所所長)
第12回 インターネット銀行
90年代以降金融機関に起こった大きな変化の1つは情報化だった。銀行と消費者や企業の間にはどのようなネットワークが拡大し、情報化によって店舗やアクセス市場はどう変化してきたのだろうか。インターネット銀行の新しさはどこにあるのだろうか。対面取引が減っていくことで、信用基盤や金融機関の安全性に心配はないのだろうか。セキュレティ(安全性)の確保のためには、インターネット金融取引では、どのような注意が必要であるかを解説する。
担当講師: 吉野 直行 (慶應義塾大学名誉教授、アジア開発銀行研究所所長)
第13回 地域金融の役割と中小企業金融
日本の企業の99%以上は中小企業だと言われる。中小企業貸出は大企業貸出や定型化された債券市場とどのように異なるのだろうか。地域銀行にはどのような種類があり、どのような特徴を持っているのだろうか。リレーションシップバンキングはなぜ見直されているのだろうか。この分野における公的金融機関の役割は何だろうか。
担当講師: 吉野 直行 (慶應義塾大学名誉教授、アジア開発銀行研究所所長)
第14回 金融監督と金融制度改革
日本の金融市場にとって1990年代は混乱から大変革に至った激動の時代だった。規制緩和はどう進められ、その効果はどう評価されるのだろうか。バブル崩壊後、日本の金融制度改革はどう進められたのだろうか。経営健全性規則、金融商品取引法などは何を目指し、どのような市場の姿を期待しているのだろうか。
担当講師: 翁 百合 (日本総合研究所主席研究員・理事)
第15回 グローバル競争時代の銀行
グローバルな決済の動きについて概観する。その中でも、海外との外国為替取引について説明する。日本から海外への資金の流れ、海外直接投資、ポートフォリオ投資(債権・株式)、銀行貸出の動きを見る。また、アジア地域とアメリカ・ヨーロッパとの間の資金の流れについて説明し、アジアの高い貯蓄を如何にアジア域内で循環させるか、さらに、日本の金融業が、アジアを含む海外で活発に活動できるための方策について説明する。
担当講師: 吉野 直行 (慶應義塾大学名誉教授、アジア開発銀行研究所所長)

放送メディア:

テレビ

放送時間:


2017年度 [第1学期] (水曜)
22時15分〜23時00分
2016年度 [第2学期] (木曜)
12時00分〜12時45分

単位認定試験 試験日・時限:

2017年度 [第1学期]
2017年7月23日 (日曜)
4時限 (13時15分~14時05分)

単位認定試験 試験日・時限:

2016年度 [第2学期]
2017年1月22日 (日曜)
2時限 (10時25分~11時15分)

開設年度:

2014年度

科目区分:

専門科目

科目コード:

1639285

単位数:

2単位
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