グローバル化と日本のものづくり(’15)

主任講師: 藤本 隆宏、新宅 純二郎

大切なことは事実を知ることである。製造業に関する毀誉褒貶を排し、日本経済を支える「ものづくり」の過去と現在を、グローバル化を軸につぶさに点検しながら、私たちの社会の「今」を等身大で理解する。 検討中リストに追加

各回のテーマと放送内容

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第1回 グローバル化と日本のものづくり

担当講師: 藤本 隆宏 (東京大学大学院教授)
第2回 「ものづくり」とは何か
①機械・電気・材料・化学といった「工学」はそれぞれの固有技術を支えるが、それぞれの技術を動員して束ね、人工物(もの・製品)をつくり、消費者(お客)に届けるプロセスの総体が「ものづくり」である。 ②国際的な日本の立ち位置をふまえ、ものづくり経営論の意義を考える。
担当講師: 藤本 隆宏 (東京大学大学院教授)
第3回 統合型ものづくり組織能力 -トヨタ・システムの例-
トヨタ生産方式を例にとり、情報の転写やプロセスフロー、組織能力の構築やシステム全体の進化などの諸観点から日本のものづくりの1つの特徴を示す。
担当講師: 藤本 隆宏 (東京大学大学院教授)
第4回 設計構想としてのアーキテクチャ
①製品の設計思想、アーキテクチャ論はものづくり経営論の骨格をなす理論である。インテグラル(擦りあわせ)型とモジュラー(組み合わせ)型はどう違うか、アーキテクチャ論の視点からの説明。 ②クルマ、家電、パソコンなど、製品によって「つくり方」は異なる。日本が得意なものと下手なもの。製造業の中の強い業種と弱い業種などの説明。
担当講師: 藤本 隆宏 (東京大学大学院教授)
第5回 日本製造業の競争力の変遷
戦後、日本の製造業は輸出で発展してきたが、輸出産業は繊維から鉄鋼、電機、半導体へと変遷してきた。急激な輸出増は日米貿易摩擦や急速な円高を招いた。日本企業はその環境変化に合理化等で対応するとともに、既存産業に新規の技術を取り込む脱成熟を実施することで競争力を強化していったプロセスを概説する。
担当講師: 新宅 純二郎 (東京大学大学院教授)
第6回 日本製造業の苦境と海外生産の展開
1980年代半ばに絶頂期を迎えた日本の製造業に対して、海外でも日本的経営が着目されるようになった。しかし、1980年代後半以降の円高と90年代のバブル崩壊で日本企業は大きな苦境に立たされた。その中で、国際競争力を失っていく産業も出てくると同時に、この時期に急速に進んだのが海外生産の拡大とその影響について説明する。
担当講師: 新宅 純二郎 (東京大学大学院教授)
第7回 「ものづくり」の基盤と中小企業の技術
たくさんの「素材」や「技術」がかかわってものはつくられている。トヨタやホンダといった完成品のメーカーの周辺には、一次協力、二次協力と、さまざまな専門技術をもった中小のメーカーが存在する。この章では「相談」しながらものをつくる日本の特徴を明らかにしつつ、中小企業の役割の意味や、ソフトとハードの関係、そしてものづくりにまつわる多くの誤解をただす。
担当講師: 藤本 隆宏 (東京大学大学院教授) ゲスト : 中沢 孝夫(福井県立大学特任教授)
第8回 中小企業の海外進出とその特徴
中小企業の海外展開は大企業よりも少しおそい。まず完成品のメーカーが進出し、次に協力メーカーがいく。「もの」は消費地に近いところで作った方がよいので、途上国の経済発展とともに、海外への直接投資(工場をつくったりする)もまた増大する。本章では中小企業の移転の理由やそのことによる国内への影響の積極的な意味を通して明らかにする。それは必ずしも空洞化ではない。
担当講師: 新宅 純二郎 (東京大学大学院教授) ゲスト : 中沢 孝夫(福井県立大学特任教授)
第9回 オープンシステムとしての工場 :オペレーションの安定と進化
工場は外部からのインプットによってオペレーションを実施する「オープンシステム」である。インプットはバラツキがあり、それは工場立地が多極化するとともに、多様であり、また拡大する。オープンシステムである以上、工場は問題が発生するのが常である。そうした中で、日系企業が海外展開の中でオペレーションの安定と高度化を同時実現する上での論点を論じていきたい。
担当講師: 善本 哲夫 (立命館大学教授)
第10回 グローバル生産体制における海外シニア工場
量産経験の未熟な新設工場と、日本工場ではオペレーションの実態が大きく違い、両者での技術移転がうまくいかない場合がある。海外の主力量産拠点の現場育成に努めてきた日系企業は、その現場を新設工場に対する技術移転する主体として活用する。アジア域内の海外工場が、単なる低賃金利用や量産機能のみならず、グローバル生産体制構築に欠かせない存在になってきている姿を議論したい。
担当講師: 善本 哲夫 (立命館大学教授)
第11回 既存工場の能力再評価とグローバル生産体制
オペレーション経験が豊富な海外工場であっても、グローバル生産体制の再編や見直しの中で閉鎖される場合がある。単純には人件費の高騰が理由となる。しかしながら、海外の優良現場を能力によって評価し、そのポテンシャルを有効活用する日系企業が存在する。「すでに役割を終えたかにみえる海外工場」から新たな生産サービスを引き出すことで、グローバル生産体制を支える存在へと変換したケースを検討する。
担当講師: 善本 哲夫 (立命館大学教授)
第12回 東アジアの国際分業の動向と日本企業のものづくり
①直接投資を受け入れた東アジア諸国は急速に経済成長。20年間のアジアを中心とする国際分業の構図を整理②アジアとの国際分業を前提にものづくりのあり方を見直す必要性。その際、アーキテクチャ論をふまえ日本に何を残し、何を外へ出すべきか、ものづくりの比較優位論をベースに国際分業論を展開する。
担当講師: 新宅 純二郎 (東京大学大学院教授)
第13回 新興国市場戦略とものづくり
①製造業ベースで、中国、東南アジア、インドなどが大きく経済発展し、1人当たりGDPも伸びた。地域間格差は存在するが、貧困層比率が減少し、都市部は成長力ある市場へ。②サービス業進出、生産拠点だけでなく市場でもある新興国市場での製販一体化したものづくりの定着を論じる。③各国多国籍企業との競争になるが、日本の優位性はどこかを探る。
担当講師: 新宅 純二郎 (東京大学大学院教授)
第14回 新時代の技術経営とものづくり
①現代の競争は複雑化してきており、知的財産をどう扱うか、世界的な標準化戦略をどう構築していくのかということが、ものづくりの存続においても、クリティカルな要素となってきている。②日本企業のこれまでのものづくり経営は、そうした観点からどう評価されるのか、また今後環境や新技術が到来するなかでどのような課題を抱えているかを述べる。
担当講師: 新宅 純二郎 (東京大学大学院教授)
第15回 日本のものづくりの今後の展望と課題
①グローバル化と日本の産業、②擦りあわせ優位論の可能性と注意点、③産業の垣根を越える「開かれたものづくり」、④実践的な含意-「良い現場」を日本に残そう
担当講師: 藤本 隆宏 (東京大学大学院教授)

放送メディア:

テレビ

放送時間:


2017年度 [第1学期] (日曜)
9時00分〜9時45分
2016年度 [第2学期] (金曜)
21時30分〜22時15分

単位認定試験 試験日・時限:

2017年度 [第1学期]
2017年7月27日 (木曜)
3時限 (11時35分~12時25分)

単位認定試験 試験日・時限:

2016年度 [第2学期]
2017年1月25日 (水曜)
1時限 (9時15分~10時05分)

開設年度:

2015年度

科目区分:

専門科目

科目コード:

1639390

単位数:

2単位
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