東アジアの政治社会と国際関係(’16)

主任講師: 家近 亮子、川島 真

①現代東アジアの諸地域の政治と社会の相互関係を、グローバルな視点から位置づける視角の重要性を認識する。
②東アジア諸地域の政治と社会の相互関係から各政治体制の特徴を再定義し、それぞれの歴史的意義をとらえなおす。
③各国および地域が国際環境の変化をどのようにとらえて内在化してきたかを歴史の文脈から分析し、それぞれの国際関係認識の特徴を再構築する。
④21世紀の東アジア関係の理解に資することとする。 検討中リストに追加

各回のテーマと放送内容

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第1回 「東アジアの政治社会と国際関係」のガイダンス
初回となる本講義においては、「東アジアの政治社会と国際関係」のガイダンスをおこない、授業全体の概要、到達目標、テキスト、成績評価などについて説明する。また、導入として東アジアの地域的特徴、及び東アジア近代史を概観し、東アジアが共通に抱えた諸問題、または個別に直面した諸問題を分析し、今日との連続性は何かを考察していく。
到達目標は、東アジアの地域性、相互関係史を理解することにある。
担当講師: 家近 亮子 (敬愛大学教授)
第2回 現代東アジアのはじまり
アジア・太平洋戦争が終結に向かう中、連合国の一員たる中国がいかなる戦後構想をもっていたのか、そして日本はいかに敗戦し、敗戦後にはどのような占領政策がとられたか、ということを中心に考察する。また、中国での国共内線、朝鮮半島の分断統治により、新たな東アジアがどのように形成されたのかを展望する。
担当講師: 川島 真 (東京大学教授)
第3回 中国(1):建国から社会主義建設へ
中国の内戦期から中華人民共和国建国、社会主義建設への過程を概観する。ここでは共産党が毛沢東の新民主主義論と連合政府論によって労働者、農民、知識人を糾合して中国国民党勢力を排除し、新国家を建設し、社会主義建設をおこなう過程を理解する。また、社会主義建設の急進化の失敗から経済調整を迎えざるを得なかった政治・経済・社会状況を分析する。
到達目標は、中華人民共和国が成立後どのような過程を経て、社会主義建設をおこなったかを理解することにある。
担当講師: 家近 亮子 (敬愛大学教授)
第4回 中国(2):経済調整から文化大革命
劉少奇・鄧小平主導の経済調整政策によって、「改革・開放」政策の萌芽を見せた中国において、毛沢東の巻き返しにより、人民公社による全国的農民の組織化、あらゆる社会の公共財の公有化が急速に進んでいった過程を概観する。ここでは、文化大革命を三つの時期に分けて、その政治・経済・社会・国際関係を理解し、文化大革命の歴史的位相を考察する。
到達目標は、中国の二つの路線対立の実態とそれぞれがどの様な方法で国家目標を達成しようとしたかを理解することにある。
担当講師: 家近 亮子 (敬愛大学教授)
第5回 中国(3):改革開放前期
1976年9月の毛沢東の死、華国鋒による四人組の逮捕、鄧小平の復活による文化大革命の終息の過程を概観し、1978年12月に開始された改革開放政策がもたらした政治的、経済的、社会的変容を分析する。本講義では、1992年10月の共産党14全大会までを改革開放前期と規定し、その特徴を理解する。また、改革開放、および1989年の天安門事件がもたらした国際関係の変化を考察する。
到達目標は、改革・開放政策をそれまでの時代と比較し、理解することにある。
担当講師: 家近 亮子 (敬愛大学教授)
第6回 中国(4):改革開放後期
「中国の総設計士」といわれた鄧小平が目指した国家建設と改革開放の新たな展開を概観する。ここでは改革開放の深化がもたらした政治的、経済的、社会的、国際的特徴、及びひずみに焦点をあて、現在中国が抱える格差問題の諸要因を分析する。また、中国の大国化が国際関係、とくに東アジアの国際関係に与える影響について考察する。
到達目標は、改革開放の深化とそれがもたらした社会格差の要因と実態を理解し、習近平国家主席がおこなおうとしている「中華の復興」を中心とする「中国の夢」実現の展望を考察することにある。
担当講師: 家近 亮子 (敬愛大学教授)
第7回 台湾(1):民主化以前
中華民国は1949年に遷台した後、いかにして台湾における統治体制を固めたのか、またそれは台湾社会にどのような影響を与えたのか、ということを日米中関係、中国大陸の関係を視野に入れながら講義する。また、台湾を五十年統治した日本との関係や、台湾(2)の背景としての台湾民主化運動、独立運動についても触れていく。
担当講師: 川島 真   (東京大学教授)
第8回 台湾(2):民主化以後
台湾の民主化、台湾化の過程を講義する。1970年代初頭に始まった、蔣介石から蔣経国への権力委譲にともない、中華民国の内外政には次第に変化が見られ始めた。1980年代後半には戒厳令が解除され、民主進歩党が誕生するなど一党独裁体制が崩れ始めた。以後、1996年の総統選挙など、台湾では経済発展にともなう民主化が進行し、それにともなって台湾社会ではいわゆる「台湾化」が進行していった。
担当講師: 川島 真   (東京大学教授)
第9回 香港・マカオ
英領植民地香港は1997年に、ポルトガル領マカオは1999年に中国に返還され、社会主義中国の中で資本主義体制を維持する「一国二制度」方式で統治される特別行政区となった。そこでは中国大陸とは異なる政治体制が採用され、社会は大陸と異なる特徴を保っている。香港の漸進的な民主化と、急成長する中国大陸との関係を中心に、「一国二制度」の運用状況を検討する。
担当講師: 倉田 徹 (立教大学教授)
第10回 朝鮮半島(1) -解放、分断、ふたつの道
第二次世界大戦後、朝鮮半島は日本の植民地統治から解放されたが、即時独立はかなわず米ソにより分割占領された。その後冷戦が朝鮮半島にも影を落とし、1948年に大韓民国と朝鮮民主主義人民共和国という二つの国家が誕生した。さらに朝鮮戦争によって朝鮮半島の分断が固定化した。その後、両政権は、東西の陣営を異にしてそれぞれの道を歩みながら、体制の優劣をめぐる競争が続いた。それは双方の命運をかける激しい闘争であった。
担当講師: 平岩 俊司 (南山大学教授)
第11回 朝鮮半島(2) -冷戦終結と北朝鮮の核問題
韓国では学生革命、軍事クーデターなど政治的に不安定な状況が続いたが、重工業化に成功し経済発展を達成した。一方、北朝鮮は中ソ論争で動揺する社会主義陣営内で独自の社会主義建設を目指し、韓国に対しては硬軟織り交ぜた働きかけを行い、体制の優劣を巡る競争で優位に立とうとした。こうした競争は1988年に開催されたソウルオリンピックと、その後の冷戦終結で決着がついた。しかし、北朝鮮は自らの劣勢を受け入れられず核危機を演出して米国との交渉に突破口を探った。朝鮮半島問題は一気に国際問題化し、流動化したのである。
担当講師: 平岩 俊司 (南山大学教授)
第12回 戦後東アジアの地域秩序(1)
戦後の東アジアであった地域統合、地域秩序形成について講義する。反共同盟としてのASPACなどをはじめ、東西両陣営別の地域統合についてまず考察する。次いで、日本の大平首相、福田首相がアジア太平洋の地域統合秩序について問題提起をおこなっていき、またASEANが形成されて次第に反共以外の役割を果たすようになる等、新たな動きが生じていくことを概観する。
担当講師: 川島 真   (東京大学教授)
第13回 戦後東アジアの地域秩序(2)
冷戦崩壊後の東アジアにおける新たな地域秩序形成の動きを、ASEANの主導性、日本のイニシアティブ、中国の周辺外交、アジア通貨危機といった観点から考察する。ここでは、安全保障の分断線を内包したまま、経済的な秩序形成を中心に進行した東アジア的な地域協力の特徴を見いだし、その可能性、限界について指摘していく。
担当講師: 川島 真   (東京大学教授)
第14回 日米中関係と東アジア -安全保障・領土問題を中心に-
地域協力が進む中で、東アジアにはさまざまな領土問題、安全保障上の問題が発生している。ここでは、それぞれの問題の背景、展開過程について講義する。これは、NATOの展開とともに進行した欧州統合と、安全保障上の分岐を残したまま地域協力が進行した東アジアの比較検討でもある。
担当講師: 川島 真   (東京大学教授)
第15回 日本と東アジア:歴史認識問題を中心に
東アジアの地域協力の阻害要因であり、「世界の不安定要因」といわれるまでに悪化した、日中間および日韓間を中心とした東アジアの歴史認識問題について考察する。歴史認識問題は、各国内の歴史に対する解釈とその解釈権をめぐる闘争が深く影響している。ここでは先ず、最も問題視されている日本の戦後歴史認識問題を述べ、それが政治化し、国際化した背景を分析する。
到達目標は、歴史認識問題とは何かを歴史的文脈から理解することにある。
担当講師: 家近 亮子 (敬愛大学教授)

放送メディア:

ラジオ

放送時間:


2018年度 [第1学期] (水曜)
0時45分〜1時30分
2017年度 [第2学期] (木曜)
12時00分〜12時45分

単位認定試験 試験日・時限:

2018年度 [第1学期]
2018年8月2日 (木曜)
8時限 (17時55分~18時45分)

単位認定試験 試験日・時限:

2017年度 [第2学期]
2018年1月24日 (水曜)
6時限 (15時35分~16時25分)

開設年度:

2016年度

科目区分:

専門科目

科目コード:

1639439

単位数:

2単位
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