物質・材料工学と社会(’17)

主任講師: 谷岡 明彦、里 達雄

この科目は放送大学に学ぶ学生の専門科目として深い教養を養うことを目的とするだけでなく、一般の大学の工学部や高等工業専門学校の学生に将来の展望を描く上で役立ててもらうことも目的とする。現代の産業社会、個人生活に有用な、施設、設備、製品などがどのような材料により構成されているか、その機能は何か、それを支える原子・分子との関連は何かを概観することを目的とする。 検討中リストに追加

各回のテーマと放送内容

※テーマをクリックすると授業内容が表示されます。

第1回 現代社会と物質・材料工学
日本の産業の実勢を述べ、その中で鉱工業の役割の大きさを認識し、そこで行われている生産はほとんど材料に関係していることを知る。本講義では、現象から本質へ、トップダウンすることにより、材料に対する認識を容易にすることを論ずる。原子・分子や結晶を理解するために、元素周期表の重要性を解説する。
担当講師: 谷岡 明彦 (東京工業大学名誉教授)  里 達雄 (東京工業大学名誉教授)  ゲスト:秋鹿 研一(東京工業大学名誉教授)
第2回 橋梁・構造物
社会基盤であるインフラの要として、橋梁、構造物を取り上げ、どのような材料が使われ、また、機能が活かされているのかを学ぶ。橋梁の例として明石海峡大橋を、構造物の例として東京スカイツリーに着目し、形状や構造を理解する。また、構成材料として、鉄鋼材料や高強度鋼の強度特性の特徴やコンクリートについて学ぶ。基礎事項として結合様式などを学ぶ。
担当講師: 里 達雄 (東京工業大学名誉教授) ゲスト:二羽 淳一郎(東京工業大学教授)
第3回 鉄道とその車両
大量輸送手段として鉄道を取り上げ、近年の高速新幹線を例に構成材料や材料機能を紹介する。特に、鉄鋼材料や鋳鉄の強度や耐摩耗性について学ぶ。また、高速走行や走行制御を可能とする車両の軽量化に寄与するアルミニウム合金の高強度化について学ぶ。一方、超高速のリニアモーターカーに活用されている磁性材料や超伝導材料について磁化挙動と材料の観点から学ぶ。
担当講師: 里 達雄 (東京工業大学名誉教授)
第4回 自動車Ⅰ 車体構造と材料
自動車について、はじめに車体構造と主な構成材料ならびにそれらの変遷を学ぶ。車体には安全性、燃費効率、排ガス低減、デザイン性の観点から軽量性、高強度化、高成形性などが求められることを学び、材料がどのように開発されてきたかを学ぶ。基礎事項として金属の結晶粒径や集合組織について理解を深める。
担当講師: 里 達雄 (東京工業大学名誉教授) ゲスト:神戸 洋史(日産自動車)、吉永 直樹(新日鐵住金)
第5回 自動車Ⅱ エンジン・二次電池・燃料電池
自動車のエンジン、二次電池、燃料電池を取り上げ、それらの仕組み、構造、構成材料について学ぶ。エンジンについては、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、EVの構造、仕組みと使用材料について学ぶ。さらに、二次電池や燃料電池の主要部の材料と使用理由や今後の開発の要点などを学ぶ。基礎事項として、電池反応、セパレータ材などについて理解を深める。
担当講師: 里 達雄 (東京工業大学名誉教授) ゲスト:秋鹿 研一(東京工業大学名誉教授)
第6回 車とインフラにおける有機材料
近年、地球温暖化対策、災害からの防御、地球規模での渇水化対策が求められ、軽量で機能性に富んだ有機材料の重要性が増している。ここでは高分子の合成や物性について学んだあと、具体的例としてタイヤや免振装置のゴム、家屋建築の木材、断熱材や衝撃吸収用高分子、海水を真水にする逆浸透膜について知識を深める。
担当講師: 谷岡 明彦 (東京工業大学名誉教授)  ゲスト:高田 十志和(東京工業大学教授)、秋鹿 研一(東京工業大学名誉教授)
第7回 航空機・宇宙ロケット
航空宇宙分野で使用される材料とそれらの特徴を学ぶ。ここでは、航空機の機体やジェットエンジン、また、宇宙ロケットの構造とそれらを構成する材料について学ぶ。航空機や宇宙ロケットには燃料や運搬効率の点からより軽量で高強度材が求められる。このような観点から変遷があり、近年、高強度アルミニウム合金や炭素繊維が使用されている状況を学ぶ。
担当講師: 里 達雄 (東京工業大学名誉教授) ゲスト:正木 彰樹(IHIジェットサービス)
第8回 ファッションと航空機
天然繊維である木綿、絹、羊毛の構造や機能を探求する。化学繊維である、ポリエステル、ナイロン、ポリアクリロニトリルの製造法を学ぶ。繊維が紡績や織・編により布になることを学習する。ポリアクリロニトリルからカーボンファイバーを製造し、織・編技術を用いて航空機に利用される過程を学ぶ。これらの材料に関連する分子の構造、元素の性質を検討する。
担当講師: 谷岡 明彦 (東京工業大学名誉教授) ゲスト:鞠谷 雄士(東京工業大学教授)
第9回 発電・エネルギーキャリア
火力発電、原子力発電、太陽光発電、風力発電などの仕組み、発電機、蒸気タービン、ガスタービンの概要を学び、さらに、原子力発電の仕組みや廃棄物処理などについても学ぶ。再生可能エネルギー変換の技術を概観し、そこで使われる材料、機能を学ぶ。電力のエネルギー貯蔵、水素のエネルギー利用、化学物質への変換、輸送の技術、などを学び、低炭素社会を展望する。
担当講師: 里 達雄 (東京工業大学名誉教授) ゲスト:小長井 誠(東京工業大学名誉教授)、秋鹿 研一(東京工業大学名誉教授)
第10回 家電製品
LED及び太陽電池の仕組みを学び半導体のp-n接合での光電変換を利用したものであることを学習する。光触媒の原理から陶磁器やガラスの汚れ防止に利用されていることを学習する。エアコンと冷蔵庫を作動させるヒートポンプの熱力学などを学び、ポンプを動かすモーターの原理と磁性材料などを学習する。
担当講師: 谷岡 明彦 (東京工業大学名誉教授) ゲスト:中島 章(東京工業大学教授)、秋鹿 研一(東京工業大学名誉教授)
第11回 情報機器Ⅰ 電子材料
テレビ、パソコン、スマートフォンなどの情報機器に使用される、電子材料を学ぶ。基盤単結晶生成、半導体素子蒸着、電子回路焼付け、などがどのようなプロセスで行われているかを紹介する。基本的なシリコントランジスター素子の機能、原理を学ぶ。
担当講師: 谷岡 明彦 (東京工業大学名誉教授) ゲスト:森 健彦(東京工業大学教授)、秋鹿 研一(東京工業大学名誉教授)
第12回 情報機器Ⅱ ディスプレイ
ディスプレイ材料の原理を学ぶ。液晶は電気信号に応じて分子配向を変えるから、その熱、電圧、光特性を学ぶ。また偏光フィルムの構造や光の偏光原理も学ぶ。複写機の仕組みと、省エネルギーへの取り組みを知る。印刷技術がディスプレイのカラーフィルターにも貢献していることや有機EL、導電性高分子の構造や機能なども解説する。
担当講師: 谷岡 明彦 (東京工業大学名誉教授)  ゲスト:バッハ・マーティン(東京工業大学教授)、秋鹿 研一(東京工業大学名誉教授)
第13回 医療・介護
人工透析、カテーテル、人工心臓などに高分子材料が使用されている。介護に不可欠な紙おむつでも高分子材料独特の機能性を利用している。ここでは、材料の役割とその機能を高分子の分子構造から解き明かし、材料をどのように構成すればこのような機能が生かされ役立つか学習する。
担当講師: 谷岡 明彦 (東京工業大学名誉教授)   ゲスト:大塚 英幸(東京工業大学教授)
第14回 材料評価とコンピュータ設計
分析装置の進歩は著しく、機能表面の構造や原子の分布を評価して材料設計に反映している。これらの分析の手法や原理を学ぶ。また、材料は一般に複数の化合物を使用し、最適な構造や機能を果たしている。最適な設計をするために、化合物分子の構造や動的挙動を計算したり、シミュレートすることが行われている。その方法についても学ぶ。
担当講師: 里 達雄 (東京工業大学名誉教授) 谷岡 明彦 (東京工業大学名誉教授)    ゲスト:秋鹿 研一(東京工業大学名誉教授)
第15回 明日の材料開発
資源問題、リサイクルを見据えた新しい材料設計の研究事例を探求する。材料設計における環境規制、安全規制の重要性を認識する。省エネ、省資源に関して現在の材料の問題点を指摘し、望まれる未来の材料を論ずる。JISだけではなく国際的標準規格であるISOについても学ぶ。
担当講師: 谷岡 明彦 (東京工業大学名誉教授) 里 達雄 (東京工業大学名誉教授) ゲスト:秋鹿 研一(東京工業大学名誉教授)

放送メディア:

テレビ

放送時間:


2018年度 [第1学期] (金曜)
6時45分〜7時30分
2017年度 [第2学期] (木曜)
7時30分〜8時15分

単位認定試験 試験日・時限:

2018年度 [第1学期]
2018年8月1日 (水曜)
8時限 (17時55分~18時45分)

単位認定試験 試験日・時限:

2017年度 [第2学期]
2018年1月23日 (火曜)
6時限 (15時35分~16時25分)

開設年度:

2017年度

科目区分:

専門科目

科目コード:

1639560

単位数:

2単位
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