政治学へのいざない(’16)

主任講師: 御厨 貴、山岡 龍一

入門講義の体裁をとりながら、広くかつ深く政治学を味わうことができる。政治学という学問が本来もっている楽しさを充分に理解してもらえるよう工夫したい。 検討中リストに追加

各回のテーマと放送内容

※テーマをクリックすると授業内容が表示されます。

第1回 東は東、西は西
近代をどうとらえるか。「西洋暦」と「元号」のせめぎあいに始まる。そしてキップリングの「東は東、西は西」に及ぶ。果たしてキップリングは帝国主義者だったのか。キップリングの読み直しが重要だ。
担当講師: 御厨 貴 (放送大学客員教授)
第2回 明治 世紀末の東京
十九世紀末の東京人3人をとりあげる。まずは幸田露伴の『一国の首都』をどう読むか。星亨の市政掌握と田口卯吉の反対論の意味を問う。東京の世紀末の原風景は、どうして汚職とテロになってしまったのか。
担当講師: 御厨 貴 (放送大学客員教授)
第3回 昭和 束の間の充実の東京
関東大震災は東京の何を破壊したのか。この破壊を「天罰」とみるか「社会革命」へとみるか。震災後、東京は私鉄と共に西方拡大する。そして「大東京」が実現し、束の間の「山の手文化」が開花する。
担当講師: 御厨 貴 (放送大学客員教授)
第4回 セルフメイド・マンが行く
デモクラシーならぬセルフメイドクラシーを表象した笹川良一、そして石原廣一郎。彼らの「獄中日記」を読み解きながら、「巣鴨プリズン」における人間の究極の姿を描き出す。そして問う、セルフメイド・マンとは何か。
担当講師: 御厨 貴 (放送大学客員教授)
第5回 「赤頭巾」と「狼」のラビリンス
戦後の一時期に徒花の如く咲いた、都会的センスに満ちた庄司薫の世界を、『赤頭巾ちゃん気をつけて』と『狼なんかこわくない』が相俟ってくり広げるラビリンスの構想から読み解き、今に至る意味を考える。
担当講師: 御厨 貴 (放送大学客員教授)
第6回 都市空間と政治
1960年代の日本は、急速に進む経済成長と都市化によって、社会が大きく変容する時代だった。現在の情報化社会にまでつらなってゆく、そうした変化と政治意識とのかかわりを考察するとともに、「政治」の古典的な概念の基盤となった、市民による自治都市のイメージとの対比を試みる。
担当講師: 苅部 直 (東京大学教授)
第7回 オオヤケから「公共」へ
政治の空間を考えることは、「公共」の領域とは何かという問題と密接に関連する。ここでは、日本的な「オオヤケ」のイメージと西洋思想のpublicの概念との違いをまず検討する。そして、儒学の「公」概念を基盤に「公共」の政治のあり方を考えた横井小楠の思想を概観し、それが議会制度の受容につながったことの意味を考える。
担当講師: 苅部 直 (東京大学教授)
第8回 福澤諭吉と「文明の政治」
「政治」に関連するさまざまな問題は、NPOや企業などの小集団の内でも起こりうる。そうした「小政治」と国家の「大政治」との関わりについて、伝統的な日本文化と西洋の政治思想のあいだには大きなちがいがあった。その断層をのりこえようとした福澤諭吉の、「文明の政治」と「自由」への問いを検証する。
担当講師: 苅部 直 (東京大学教授)
第9回 「日本」の政治学
「自由」の気風を欠き、「権力の偏重」によって色づけられた、伝統的な日本の政治文化は、二十世紀に至り新たな形で問題化されることになった。その動きを主導した丸山眞男の思想的な営みを再検討し、「日本」の政治学と「二十世紀」の政治学との関わりを考える。
担当講師: 苅部 直 (東京大学教授)
第10回 政治的リアリズムとは何か
政治が現実との交渉の営みである以上、そこには利害の計算や相手を説得するための演技がつきまとう。政治における「偽善」の問題をめぐって、福田恆存と丸山眞男とが1960年代に闘わせた論争をふりかえりながら、政治的判断に必要なリアリズムとは何か、市民は政治といかにつきあってゆくべきかについて検討する。
担当講師: 苅部 直 (東京大学教授)
第11回 西洋政治思想と政治Ⅰ -善き生の追求
西洋における「政治的なるもの」をめぐる哲学的考察を、古代ギリシアからイタリアルネサンスまで概観する。主としてとりあげる思想家は、ソクラテス、プラトン、アリストテレス、アウグスティヌス、マキアヴェッリである。ソクラテスの中心的な問いを「善く生きるとは何か」としながら、この問いの継承と変容として、西洋政治思想の伝統をまとめ、いくつかの基本的な考え方を明確化する。
担当講師: 山岡 龍一 (放送大学教授)
第12回 西洋政治思想と政治Ⅱ -近代国家の思想
西洋における「政治的なるもの」をめぐる哲学的考察を、イタリアルネサンスから近代ドイツまで概観する。主としてとりあげる思想家は、マキアヴェッリ、ホッブズ、ロック、ルソー、ヘーゲルである。前章での問いを引き継ぎつつ、政治的空間としての近代国家をめぐる思想を、その性質と正当性について、特に個人の自由と国家の関係に留意しながら検討する。
担当講師: 山岡 龍一 (放送大学教授)
第13回 制度と政治
古代の国制論と、混合政体論を概観する。混合政体論の近代への影響を考察することで、政治と制度をめぐる思想、特に権力分立の制度の思想がどのようにして形成されたかを確認する。主としてとりあげる思想家は、プラトン、アリストテレス、ポリュビオス、マキアヴェッリ、ハリントン、モンテスキュー、バジョットである。大統領制と議院内閣制の簡単な比較的理解をするとともに、西洋において自由の政治と制度の関係性がいかに重要であったかを検討する。
担当講師: 山岡 龍一 (放送大学教授)
第14回 党派と政治
党派をめぐる政治思想の多様な現れを検討する。基本的に党派による政治は、病理的なものと理解されていたことを確認しながら、党派による政治を肯定的にとらえる考え方がどのようにして形成されてきたかを検討する。主としてとりあげる思想家は、プラトン、アリストテレス、ホッブズ、ルソー、キケロ、マキアヴェッリ、ハリントン、ヒューム、ボリングブルック、バーク、マディソンである。自由な政治の探求が、党派の理解にどのような多様性を生んでいるのかを理解することで、政党や圧力団体といった現代政治における党派の理解を深める。
担当講師: 山岡 龍一 (放送大学教授)
第15回 民主主義と正義
政治的規範としての民主主義を再検討する。民主制の基本的考え方を確認したうえで、代表民主制に結実した近代民主主義に対する正当化と批判の両方の理解を目指す。特に、多数の暴政として知られる問題に対するさまざまな対応について、自由や正義をめぐる議論を中心に検討する。主としてとりあげられる思想家は、ベンサム、トクヴィル、J,S,ミル、ロールズである。最終的には、民主主義と立憲主義のあいだにある根本的な緊張関係の把握を通じた、現代政治への反省的考察の知的準備を整える。
担当講師: 山岡 龍一 (放送大学教授)

放送メディア:

ラジオ

放送時間:


2018年度 [第1学期] (日曜)
7時30分〜8時15分
2017年度 [第2学期] (火曜)
12時00分〜12時45分

単位認定試験 試験日・時限:

2018年度 [第1学期]
2018年7月29日 (日曜)
5時限 (14時25分~15時15分)

単位認定試験 試験日・時限:

2017年度 [第2学期]
2018年1月21日 (日曜)
3時限 (11時35分~12時25分)

開設年度:

2016年度

科目区分:

導入科目

科目コード:

1730029

単位数:

2単位
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