物理の世界(’17)

主任講師: 岸根 順一郎、松井 哲男

大学教養課程程度の物理学の見方・考え方を示すと同時に、物理学の対象領域の全体像を示す。これによって、より進んだ物理学の学習への契機を提供する。
本科目の具体的到達目標は以下のとおりである。
・物理学自然観を修得する
・物理学の骨格となる力学、電磁気学、熱・統計力学、量子力学の基本法則を理解し、簡単な例に応用する力を身に付ける
・現代の物理学の到達地点を教養レベルで把握する 検討中リストに追加

各回のテーマと放送内容

※テーマをクリックすると授業内容が表示されます。

第1回 物理の世界への序章
ガリレオ、ニュートン、ファラデー、アインシュタイン、ボーアといった物理学の巨人達の思考の跡を辿りながら、物理学がいかにつくられてきたか、その成立の原点を歴史的背景とともに述べる。「力と運動」、「粒子と場」、「エントロピー」、「量子」といった重要な考え方が物理学的な自然認識において果たす役割を解説する。特に、ファラデーの自然観を通して実験観察が物理学に果たす役割を強調する。さらに、今後物理学の学習をどのように進めたらよいのかを述べる。
担当講師: 岸根 順一郎 (放送大学教授) 松井 哲男 (放送大学教授)
第2回 力と運動の基本法則
物理学の出発点は「力と運動の物理」つまり「力学」である。ここでは、力を受けた粒子の運動を記述する方法を学ぶ。特に、ニュートンの運動方程式を微分方程式として捉え、これを解くことで運動を解析する方法の基礎を学ぶ。例として、雨粒の落下運動などを扱う。また、欧州原子核研究機構(CERN)の加速器を例に、力学の基本原理と先端物理学の繋がりを述べる。質量の起源にも触れる。
担当講師: 岸根 順一郎 (放送大学教授)
第3回 運動に潜む保存量
運動の過程で変化しない量、つまり保存量に着目して運動を捉える見方は、物理学全体を通して極めて重要である。一見複雑な運動に潜む保存量を見つけ出し、これを活用する方法を学ぶ。特に、力学的エネルギー保存則の起源とその役割を強調する。ついで、角運動量保存則を学び惑星運動の解析(ケプラー問題)において保存則が果たす役割を述べる。さらに、CERNでの加速器実験を例に運動量保存則の重要性を述べる。
担当講師: 岸根 順一郎 (放送大学教授)
第4回 質点系から剛体へ
相互作用するたくさんの粒子からなる系の運動をどのように記述するのかを述べる。さらにここからの展開として、形と大きさを持つ「剛体」の力学について初歩的な事柄を扱う。コマの動きを通して量子力学的なスピンの概念を紹介し、ファラデーが終世追い続けた電気と磁気の関連性にも触れる。
担当講師: 岸根 順一郎 (放送大学教授)
第5回 熱とエネルギー
今日私たちはまわりの物質が全て膨大な数の原子から構成されていることを知っているが、そのような認識が確立されたのは20世紀に入ってからで、それまでは物質を直接観測できる量によって記述する方法を発展させてきた。その方法は2つの基本法則によって組み立てられ、熱力学と呼ばれている。この回では、熱力学の第1法則について学ぶ。
担当講師: 松井 哲男 (放送大学教授)
第6回 熱とエントロピー
この回では、熱力学の第2法則について解説する。第2法則は、エネルギー保存則を意味する第1法則と違って、熱力学に特徴的な法則で一種の禁止則を含む。第2法則によって絶対温度とともに導入されるエントロピーとその増大則がこの回の中心テーマとなる。
担当講師: 松井 哲男 (放送大学教授)
第7回 振動から波動へ
振動と波動はいろいろな所で現れる普遍的な物理現象である。波動は、隣同士がバネでつながったたくさんのおもりの連成振動ととらえることができる。この回では、振動と波動のそのような共通した見方について学ぶ。
担当講師: 松井 哲男 (放送大学教授)
第8回 波の伝播と干渉
前回求めた波動方程式は、媒質中を伝わる波も記述する。この回では、波動方程式を使って波の伝播を記述し、進行波の干渉によって現れる様々な現象を学ぶ。
担当講師: 松井 哲男 (放送大学教授)
第9回 電気と磁気の世界:場のとらえ方
ニュートン力学は「粒子」の物理であるのに対し、電気と磁気の物理は「場」の物理である。ここでは粒子と場の対比を強調しながら、場の記述方法を学ぶ。また、ファラデーの実験研究の足跡をたどりながら場の概念がいかに誕生したかを述べる。
担当講師: 岸根 順一郎 (放送大学教授)
第10回 電場と磁場の法則
電荷が電場をつくり、電流が磁場をつくる仕組みを記述する方法を学ぶ。関連して、金属の性質、電流の捉え方を述べる。物質の電磁気的性質についても少し触れる。ファラデーの電磁誘導の法則と、これが現代物理学、工学に及ぼした多大な影響を強調する。
担当講師: 岸根 順一郎 (放送大学教授)
第11回 電磁場と物質
「光が電磁波である」という認識は、古典物理学の一つの最高到達点である。ここでは、時間変化する電磁場の論理を紐解きながら、電磁波の起源を学ぶ。電磁波を生み出す機構にも触れる。ファラデーが発見した磁気光学効果にも触れ、光と物質の相互作用を概観する。
担当講師: 岸根 順一郎 (放送大学教授)
第12回 時間と空間:相対論の世界
相対論と量子論は、20世紀における物理学の新時代を切り開いた2つの重要な学問体系である。相対論は19世紀の電磁気学の発展のなかから生まれ、時間と空間に関するそれまでの常識を変えた。この回では、相対性理論における新しい時間と空間の考え方について学ぶ。
担当講師: 松井 哲男 (放送大学教授)
第13回 光子と電子:量子論の世界
量子論は、19世紀までの力学や電磁気学でどうしても説明できない現象が見つかり、それを理解しようとする多くの試行錯誤の中から生まれた。その体系化は1920年代の半ばに量子力学として一応の完成をみた。この回では、量子論の基本的な考え方を初期の歴史的な発展に沿って学ぶ。
担当講師: 松井 哲男 (放送大学教授)
第14回 極微の世界へ
放射能の発見に続く原子核の発見によって、原子のサイズより更に4桁も小さい極微の世界があることがわかった。そして、物質の質量の99.9%はこの小さな原子核がになっていることがわかったのである。この回では、この極微の世界の探求とそれから人類が得た新しいエネルギー源について解説する。
担当講師: 松井 哲男 (放送大学教授)
第15回 物理の世界の広がり
これまでに学んできたことを踏まえて19世紀を代表するファラデーと、21世紀の先端を走る欧州原子核研究機構(CERN)を対比させ、その間を繋ぐ形で物理学の世界全体を俯瞰する。特にCERNで進行している物理学研究の先端がどのようになっているのかを覗いてみる。物理学の特徴は、先端研究が基礎的な物理法則と直結する点である。この点を強調しながら物理学の特徴をもう一度整理し、今後の物理学の学習を展望する。
担当講師: 岸根 順一郎 (放送大学教授) 松井 哲男 (放送

放送メディア:

テレビ

放送時間:


2018年度 [第1学期] (水曜)
21時30分〜22時15分
2017年度 [第2学期] (木曜)
6時00分〜6時45分

単位認定試験 試験日・時限:

2018年度 [第1学期]
2018年8月4日 (土曜)
6時限 (15時35分~16時25分)

単位認定試験 試験日・時限:

2017年度 [第2学期]
2018年1月25日 (木曜)
4時限 (13時15分~14時05分)

開設年度:

2017年度

科目区分:

導入科目

科目コード:

1760068

単位数:

2単位
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