文学のエコロジー(’13)

主任講師: 宮下 志朗

授業の目標:「文学」について、いわば搦め手から攻めることで、あらためてこの言語芸術作品に興味をいだいてもらうと同時に、「文学」が、たとえば法律や経済など、さまざまな領域と密接に関連した存在であることを実感してください。 検討中リストに追加

各回のテーマと放送内容

※テーマをクリックすると授業内容が表示されます。

第1回 口承文学と写本
まず、エコロジー(生態学・環境学)という視点から「文学」を見ることについて、説明をおこなう。次に、中世フランスで成立した叙事詩『ロランの歌』を鑑賞しつつ、口承性、作者の問題といったことについて考えてみる。
担当講師: 宮下 志朗 (放送大学特任教授)
第2回 中世の読書とその変容
ヨーロッパ中世の時代、文学は徐々に音声やパフォーマンスの現場を離れていくことになる。読みのふるまいの変容を、聖と俗、大学とスコラ学といった観点から考察してみる。
担当講師: 宮下 志朗 (放送大学特任教授)
第3回 中世文学とパトロン -謹呈と恩赦
文学・芸術とパトロネージ(パトロン・システム)は、切っても切れない関係にある。中世の作者は、特定の庇護者を第一の読者と想定して、物質的な見返りや赦免を期待して作品を執筆していた。そうした実情を探る。
担当講師: 宮下 志朗 (放送大学特任教授)
第4回 ルネサンス人の読書のエコロジー
ペトラルカ、マキァヴェッリ、モンテーニュという、ルネサンスを代表する3人の著作家の、読みのふるまいと、その象徴性について具体的に考察する。
担当講師: 宮下 志朗 (放送大学特任教授)
第5回 著作権前史
近代的な著作権の前身としての「特認」システムについて学び、次いで私信の公刊をめぐる裁判を通して、著作権のモノからの離陸について解説する。
担当講師: 宮下 志朗 (放送大学特任教授)
第6回 アジア漢字圏における本と読書(1) 明末における白話小説の成立
『三国志演義』や『水滸伝』などの白話小説は、中国明代の後期に突然のように出現した。この現象はなぜ起こったのか。この問題について、その精神的及び物理的背景について考える。
担当講師: 大木 康 (東京大学教授)
第7回 アジア漢字圏における本と読書(2) -明清時代における文学作品の出版と流通
明清時代における文学作品の出版と流通をめぐる状況を、より広い観点から解説する。
担当講師: 大木 康 (東京大学教授)
第8回 読み書きの民主化 -識字率について
書かれたものとしての「文学」を受容する前提は、文字を読めることである。「識字率」とその変遷について、過去の人々の読み書き能力を知る方法などについて学ぶ。
担当講師: 宮下 志朗 (放送大学特任教授)
第9回 バルザックのメディア戦記
出版業、活字製造業、ブッククラブと、さまざまな試みをしたあげく借金まみれとなったおかげで《人間喜劇》を残せた、バルザックの戦いの人生をたどり、19世紀の「文学のエコロジー」が抱えていた諸問題を浮き彫りにする。
担当講師: 宮下 志朗 (放送大学特任教授)
第10回 文学と金銭 -フロベールのジレンマ
「文学」と「金銭」とは、両立可能なものなのだろうか? 一度も職業につくことなく、ひたすら小説の書き直しを続けたフロベール が、原稿料に対すて示した逆説的なふるまいについて、具体的に解説する。
担当講師: 宮下 志朗 (放送大学特任教授)
第11回 「文芸家協会」「アカデミー」「文学賞」
読者マーケットと対峙することになった作家たちの、象徴的なふるまいとして、「文学」をめぐる保護や顕彰のシステムの成立について解説する
担当講師: 宮下 志朗 (放送大学特任教授)
第12回 近代中国における文学出版の環境
中国における近代文学という制度の成立およびその政治との関係の過程,加えてその背景となった大都市におけるマスメディア・出版社の発展過程,また著作権制度や原稿料制度の動きについて解説する。
担当講師: 尾崎 文昭 (東京大学名誉教授)
第13回 「手紙と著作権」再考、そしてインターネットの世紀へ
第5回で、イギリスにおける書簡の著作権をめぐる裁判を紹介したが、わが国では、ごく最近もこの問題が裁判沙汰となっている。「三島由紀夫手紙事件」について、判決を読んでみる。最後に、電子媒体としての文学について簡単にふれる。
担当講師: 宮下 志朗 (放送大学特任教授)
第14回 出版の経済学
出版とはどういう仕事なのか。出版業界とはどういう仕組みで動いているのか。本作りから編集~印刷・製本を経て取次・書店から読者へ。本のコストとは? 出版には企画立案、初版部数と定価決定など、さまざまな局面があり、そうした諸問題について出版現場から報告する。
担当講師: 西谷 能英 (未来社社長)
第15回 文学のこれから、出版のこれから
14回までの内容に関して、おたがいに疑問点を出して、理解を深める。また、紙の本の文化の大切さを基調としながら、電子ブックなど、インターネット環境における、文学・人文書のあり方について話し合う
担当講師: 宮下 志朗 (放送大学特任教授) 西谷 能英 (未来社社長) 大木 康 (東京大学教授)

放送メディア:

ラジオ

放送時間:


2017年度 [第1学期] (火曜)
20時00分〜20時45分
2016年度 [第2学期] (火曜)
22時15分〜23時00分

単位認定試験 試験日・時限:

2017年度 [第1学期]
2017年7月29日 (土曜)
6時限 (15時35分~16時25分)

単位認定試験 試験日・時限:

2016年度 [第2学期]
2017年1月25日 (水曜)
2時限 (10時25分~11時15分)

開設年度:

2013年度

科目区分:

総合科目

科目コード:

1847449

単位数:

2単位
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