暮らしに役立つバイオサイエンス(’15)

主任講師: 岩橋 均、重松 亨

「微生物」は、味噌、酒などの醸造食品、抗生物質、化成原料などの有用物質生産、病原性大腸菌等による疾患、汚染物質の分解等の排水処理等など、様々な分野で我々の暮らしと深く関わっています。このことを知り、各人の「微生物」に対する理解を深め「微生物」に対する科学的概念の構築を促します。 検討中リストに追加

各回のテーマと放送内容

※テーマをクリックすると授業内容が表示されます。

第1回 バイオサイエンスの主役、微生物とは
バイオサイエンスの主役とも言える微生物は、目に見えない程小さい生物の総称です。動物や植物のように日頃、目にする事はありません。時にはキノコのように我々の前に姿を現し、赤潮などのように存在を確認できることはあります。微生物の姿を観察し、どのような種類の微生物がいるかを学びます。
担当講師: 岩橋 均 (岐阜大学教授)
第2回 微生物の利用と微生物の発見
微生物利用の歴史は古く、ワインなどのアルコール飲料、豆科植物を利用した圃場への施肥など、微生物の存在を認識することなく、人類は利用してきました。初めて微生物を観察したのは17世紀に入ってからです。その後、微生物の理解は、生物の自然発生説を否定し、微生物学は近代生物学の発展に大きく貢献してきました。微生物学の「いにしえ」を学びます。
担当講師: 重松 亨 (新潟薬科大学教授)
第3回 自然界の微生物
微生物は自然界のいたる所に存在します。そして、生態系を構成する一員となっています。微生物は過酷な環境下でも上手に適応しながら生きています。本講義では、微生物がどのような場所に住んでいるのか、一般的な微生物から始まり、空飛ぶ微生物、深海微生物、極限環境微生物を学びます。
担当講師: 安部 博子 (産業技術総合研究所主任研究員)
第4回 微生物から食品を守る
自然界のいたる所に微生物がいることは既に学びました。人類は微生物を利用する一方で、食品を微生物から守る必要もありました。微生物はどのような条件で生育し、食品を汚染するのかを学びます。さらに、微生物から食品を守る方法を学びます。
担当講師: 井口 晃徳 (新潟薬科大学助教)
第5回 微生物を利用した伝統食品
中央アジアの遊牧民が家畜の乳をしぼり、放置したところ、酸味をもつ液体になっていました。最初の発酵食品と言われています。ワインやヨーグルトのように、多くの発酵食品はある一定の条件に、食材を温めることで生産されます。このとき微生物が食材に働きかけ、別の食材を我々に提供してくれます。このとき、微生物はどのような働きをしているのかを学びます。
担当講師: 岩橋 均 (岐阜大学教授)
第6回 微生物を用いた匠の時代
食酢やビールは、単に食材を温めるだけで生産することは至難の業です。一度、アルコールやブドウ糖に変化させた後に、微生物によって新たな食材へと変化させていきます。人類は単純な発酵から、複雑な発酵技術を開発しました。これは、ある食材を微生物から守り、目的の微生物だけを生育させるという、高度な技を必要としていました。微生物などを組み合わせて、目的の食材に変化させる匠の技を学びます。
担当講師: 岩橋 均 (岐阜大学教授)
第7回 匠から技術へ、微生物工業の夜明け
フレミングによるペニシリンの発見は、食品を提供する微生物から、医薬品や工業品を提供してくれる微生物へ、微生物を利用したバイオサイエンスの発展のきっかけとなりました。医薬品を生産するために、微生物の育種技術や微生物を大量に効率よく生育させる発酵技術が開発されたからです。多くの製品が我々の暮らしに供給され始めました。微生物の育種技術や発酵技術を匠の技と比較しながら学びます。
担当講師: 髙橋 淳子 (産業技術総合研究所主任研究員)
第8回 生産する微生物
発酵槽の開発と培養工学の進展、育種学の進展により、微生物を小さな工場にして、多くの工業製品が生産され始めました。味の素などの調味料、ペニシリンに代表される抗生物質など、暮らしに役立つ製品が次々に生産されています。どのようにして微生物工場を設計し、生産しているのかを学びます。
担当講師: 岩橋 均 (岐阜大学教授)
第9回 変換する微生物
微生物工場が有する機能の一部だけを利用して、物質を変換することも可能です。飲料の甘み成分として利用される異性化糖はブドウ糖を果糖に変換して甘みを増してくれます。変換技術や変換技術の主役となる微生物酵素の生産を学びます。
担当講師: 重松 亨 (新潟薬科大学教授)
第10回 分解する微生物
微生物のもっとも得意とする技は、物質を分解する事です。元々自然界で活躍していた分解力を、人類は暮らしの中に取り入れました。排水処理や有害物質の分解処理などです。日頃、目にすることはありませんが、我々の暮らしと環境を陰で支える、微生物の分解力を学びます。
担当講師: 髙橋 淳子 (産業技術総合研究所主任研究員)
第11回 遺伝子組換え微生物の登場
20世紀後半に革新的な技術が登場します。遺伝子の操作技術です。遺伝子とは生物の設計図ですが、これを書き換えることが可能になりました。その結果、微生物の生産、変換、分解能力が格段に向上しました。遺伝子操作技術の基本原理を学び、遺伝子組換え微生物をどのように設計、利用していくかを学びます。
担当講師: 重松 亨 (新潟薬科大学教授)
第12回 遺伝子組換え(微)生物を用いた新しい技術
遺伝子組換え技術により、ブタのインシュリンを毎日利用していた糖尿病患者は、微生物が生産するヒト・インシュリンを利用できるようになりました。こうして始まったバイオ医薬品は、タンパク質工学の進歩に伴って抗体医薬品へと発展しました。一方、遺伝子組換え技術を応用した食品も登場してきました。このように、遺伝子組換えによって可能になった新しい技術を学びます。
担当講師: 重松 亨 (新潟薬科大学教授)
第13回 解読される微生物遺伝子
遺伝子操作技術は、目的遺伝子の増幅を容易にし、遺伝子の構造解読が進んでいます。さらに、今世紀に入ると、バイオサイエンスがナノテクノロジーやインフォマティクスと融合し、微生物を中心に飛躍的に遺伝子の解読が進んでいます。生物学そのものも変わりつつあります。その変化を学びます。
担当講師: 井口 晃徳 (新潟薬科大学助教)
第14回 現代のバイオサイエンス関連産業
暮らしの中で微生物がその役割を果たしていることは、これまでに学びました。それでは、グローバルに展開される現代産業の中で、バイオサイエンス関連産業はどのように貢献しているのでしょうか。伝統発酵食品から始まる微生物を主役とするバイオサイエンス関連産業の復習をしながら、産業への貢献を学びます。
担当講師: 岩橋 均 (岐阜大学教授)
第15回 バイオサイエンスをささえる微生物に与えられた課題
食品から始まった微生物の利用技術は、医薬品を中心とした工業技術、環境技術へと発展して来ました。現在は、化成品生産への期待、バイオエタノールで知られるエネルギー生産への期待が高まっていますが、本当に可能なのでしょうか。現在の技術では何ができて何ができないのか、何を解決しなければならないのかを学びます。
担当講師: 重松 亨 (新潟薬科大学教授)

放送メディア:

テレビ

放送時間:


2017年度 [第1学期] (土曜)
11時15分〜12時00分
2016年度 [第2学期] (水曜)
14時30分〜15時15分

単位認定試験 試験日・時限:

2017年度 [第1学期]
2017年7月30日 (日曜)
8時限 (17時55分~18時45分)

単位認定試験 試験日・時限:

2016年度 [第2学期]
2017年1月26日 (木曜)
1時限 (9時15分~10時05分)

開設年度:

2015年度

科目区分:

総合科目

科目コード:

1847503

単位数:

2単位
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