社会福祉と法(’16)

主任講師: 大曽根 寛

本教材は、社会福祉学と法律学をまたぐものであり、難しく感じられるかもしれない。しかし、この科目は放送大学において、福祉領域の専門科目をほぼ修得した学生や法律・政治学関連の専門科目をほぼ修得した学生が、複眼的な視点から、応用編として、福祉と法の接点に位置づく問題を、具体的な事件や事例を素材としながら学ぶものであり、社会経験豊富な本学学生にとっては、身近にある福祉関係の諸問題を解き明かすために必要な科目となるであろう。 検討中リストに追加

各回のテーマと放送内容

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第1回 社会福祉と法の歴史
本教材のイントロダクションである。近代社会の始まりとともに、社会福祉と法をめぐる歩みが始まった。今回は、第二次大戦後における福祉専門職の生き方を通して、社会福祉と法が別々に展開してきたのではなく、相互に関係しあいながら形成されてきたものであることを理解する。
担当講師: 大曽根 寛 (放送大学教授)
第2回 社会福祉への法的なアプローチ
社会福祉の領域と法的な論理の世界は、全然別のものと考えられているかもしれない。しかし、現代社会においては、社会福祉と法は、密接な関係にあり、社会福祉の現実が、法を生み出してきた面があるし、また、法が社会福祉の枠組みをあえて作り出してきたという面もある。このことを、事例を用いながら学んでいこう。
担当講師: 大曽根 寛 (放送大学教授)
第3回 サービス提供の安定と行政の役割
社会福祉基礎構造改革以降、社会福祉サービスは利用者主体を旨とし、事業所との対等性を実現するべくスタートした。安心して利用できるサービス提供の環境整備に関する行政の権限について考える。また法規制の対象外となる事業所への対応についても事例を通して学ぶ。
担当講師: 原田 欣宏 (高崎健康福祉大学専任講師)
第4回 利用者ニーズとサービス提供の限界
福祉サービスへの多様なニーズには、法の範囲を超えた希望・要望が必ず存在する。これらを受け止め、かつ活かすための社会福祉法による苦情解決の果たす役割を学ぶ。また生活のために必要な支援を得ることと限られた社会資源を活用することとの間のバランスについて事例を通して学ぶ。
担当講師: 原田 欣宏 (高崎健康福祉大学専任講師)
第5回 後見と社会福祉法制
成年後見制度の活用の範囲が広がってきたが、新たな問題も発生している。今回は成年後見人の担い手について焦点を当て、様々な要因で問題が起きていることを学ぶ。また成年後見制度と社会福祉法制の連携の重要性についても考える。
担当講師: 原田 欣宏 (高崎健康福祉大学専任講師)
第6回 家族支援と法政策
高齢者の介護は、介護保険によってショートステイやデイサービス等が整備されているにもかかわらず、介護する家族の生活に大きな影響を及ぼしている。認知症高齢者による鉄道事故に対する家族の損害賠償責任が問われたケースを取り上げて、家族の法的責任や成年後見制度、障害者・高齢者の家族支援について考える。
担当講師: 廣田 久美子 (宮崎産業経営大学教授)
第7回 事業者による差別的取扱い
就労・移動をはじめとする社会生活のあらゆる場面で、私人による差別や虐待などの権利侵害を受けやすい立場の方が、権利を侵害されることなく、社会の一員として生活していくことができるような、さまざまな支援のあり方や地域社会の役割について考えていく。
担当講師: 木村 茂喜 (西南女学院大学准教授)
第8回 社会福祉における紛争解決
福祉サービスの利用者と提供者との間の紛争を解決する方法としては、運営適正委員会による苦情解決や、裁判のほか、裁判外紛争解決(ADR)による方法もある。国民生活センターなどで扱われた福祉に関する紛争事例を通じて、福祉サービスにおける裁判外紛争解決制度の可能性について考える。
担当講師: 木村 茂喜 (西南女学院大学准教授)
第9回 社会福祉における行政責任
行政による措置の制度から、利用者と提供者との契約に基づく福祉サービス提供が中心となった社会福祉の領域においても、制度運営や提供者への監督によるサービスの質の維持向上など、行政が責任を負う部分はなお多い。ここでは、基盤整備、情報管理、リスクマネジメントを中心に、福祉分野の行政責任について論ずる。
担当講師: 木村 茂喜 (西南女学院大学准教授)
第10回 刑事法と社会福祉
発達障害のある人への支援は、全体として児童の発達障害の早期発見・早期の発達支援に重点を置いているが、同時に支援を受ける機会のないまま成人した人への対応も重要となる。発達障害のある人の刑事事件を通して、発達障害のある人への支援と司法のあり方について論じる。
担当講師: 廣田 久美子 (宮崎産業経営大学教授)
第11回 移動の権利と社会福祉
障害者が地域で生活するためには、障害者の移動の権利の保障と移動支援は不可欠なものである。本章では、障害者の航空機単独搭乗が拒否された事例を取り上げ、移動に関する法的関係と人権について検討する。
担当講師: 廣田 久美子 (宮崎産業経営大学教授)
第12回 公的扶助と現代の貧困
生活保護法を中心とする公的扶助制度の歴史を俯瞰したうえで、生存権思想の変遷、時代の経過につれ新たに生じてきた貧困問題について論じる。また近年、いわゆる「第2のセーフティ・ネット」政策も進められつつあるので、それらについても検討する。
担当講師: 奥貫 妃文 (相模女子大学専任講師)
第13回 社会福祉における自立と就労
近年、「就労による自立」に力点を置く傾向が高まりをみせている。これは諸外国にも共通する方向性となっている。しかし、就労を唯一かつ最大の到達目標とすることによって、新たな問題も発生している。本章では、社会福祉分野において「自立」概念がどのように構築され、そして変遷を遂げてきたのか振り返りながら、「自立」と「就労」の関係性について考えてみたい。
担当講師: 奥貫 妃文 (相模女子大学専任講師)
第14回 多国籍・多民族化と社会福祉
日本に在住する外国人の視点から、現在の社会福祉制度・労働政策を振り返り、いかなる問題があるのか、法政策的な視点と実際の運用の両面から検証する。さらに、外国人技能実習制度の概要ならびに問題点についても言及したい。
担当講師: 奥貫 妃文 (相模女子大学専任講師)
第15回 法の変化と今後の展望
東日本大震災や政権の度重なる交替によって、社会福祉に対する市民の見方も大きく変化している。いくつかのエピソードなどを素材としながら、社会福祉と法にかかわる今後の展望をしてみよう。社会福祉制度との関係で、市民の権利はどのように守られていくか、これからの課題が論じられる。
担当講師: 大曽根 寛 (放送大学教授)

放送メディア:

ラジオ

放送時間:


2018年度 [第1学期] (金曜)
21時30分〜22時15分
2017年度 [第2学期] (水曜)
19時00分〜19時45分

単位認定試験 試験日・時限:

2018年度 [第1学期]
2018年7月31日 (火曜)
5時限 (14時25分~15時15分)

単位認定試験 試験日・時限:

2017年度 [第2学期]
2018年1月28日 (日曜)
3時限 (11時35分~12時25分)

開設年度:

2016年度

科目区分:

総合科目

科目コード:

1910019

単位数:

2単位
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