生活リスクマネジメント(’11)

主任講師: 奈良 由美子

リスクの増大化・複雑化する現代において、生活上のリスクを把握し管理することが社会的にも求められている。本科目では、喫緊の課題ともいえる生活リスクマネジメントについて、知識の提供と実践能力の育成を行うことを目的とする。その際、生活者自身はもちろん、地域、企業、行政といった立場の異なるリスク管理主体の協働までを射程に入れた検討を行いたい。 検討中リストに追加

各回のテーマと放送内容

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第1回 リスク研究へのいざない
科目全体の導入回として、この回では、現代社会にあってリスクを理解しこれを管理することの意義についての問題提起を行う。その際に、生活あるいは生活者の視点からリスクをとらえる本書の立場を示しておきたい。また、リスク研究についての関連学問領域におけるアプローチを紹介する。


担当講師: 奈良 由美子 (放送大学教授)
第2回 リスク概念
リスクの本質は不確実性にある。リスクとは何であるかを理解するためには、リスクの特性と不確実性とのかかわり、また不確実性から生じる評価の問題、認識の問題、さらには対応の問題を理解することが必要となる。これらの内容を中心に、リスクの定義、リスクの成分といった項目についても見ていく。


担当講師: 奈良 由美子 (放送大学教授)
第3回 リスクの実際
この回のねらいは、わたしたちの生活にどのようなリスクがどの程度の大きさで存在しているのかを把握することによって、リスクの様相の局面を理解することである。具体的には、人間の死亡についての統計データをみることで、いくつかのリスクの大きさをとらえる。また、現代社会および一人の人間の生活に発生するリスクについての分類を提示する。


担当講師: 奈良 由美子 (放送大学教授)
第4回 リスク認知とバイアス
リスクの本質は不確実性にあり、これに人間の認知能力の制約が関わることで、リスク情報の処理の過程には認知バイアスが生じる。この認知のゆがみが、主観リスクと客観リスクとの乖離をうむ。この回では、リスク認知のバイアスとは何かについて、具体的ないくつかの認知バイアスをとりあげながら説明する。


担当講師: 奈良 由美子 (放送大学教授)
第5回 リスクイメージとリスクの受容
わたしたちはリスクについてのイメージを形成し、そのイメージによってリスクを判断している。ひとびとのリスクイメージとリスク認知について見ていく。また、ひとびとのリスクの受容の実態とその要因について、もっとも低いレベルでのリスク受容すなわちゼロリスク要求にも言及しながら考える。


担当講師: 奈良 由美子 (放送大学教授)
第6回 社会のなかのリスク
リスクについての認識はひとによって違う。これは、各個人がおかれている社会的コンテクストが異なるためである。この回では、リスクに対する見方や考え方がどのように社会的に構成されるのかについて考える。日本におけるリスク観の特徴やその背景にも触れる。


担当講師: 奈良 由美子 (放送大学教授)
第7回 リスクマネジメントの基本
リスクを低減するための管理手法であるリスクマネジメントに関して、その意義と基本を提示する。リスクの分析や評価、リスク処理の手法を含む具体的なリスクマネジメントプロセスについて述べる。また、生活者が自らの生活にリスクマネジメントを導入する際の留意点や積極性についても言及する。


担当講師: 奈良 由美子 (放送大学教授)
第8回 リスクコミュニケーション
あるリスクについて立場の異なる複数の主体が関係するとき、リスクについての問題解決が困難になることが多い。リスクに対する考え方や意見の違いがあるとき、リスクコミュニケーションが必要となる。この回では、リスクコミュニケーションについて、その意義と基本的な方法を考える。


担当講師: 奈良 由美子 (放送大学教授)
第9回 自然災害
わが国は世界有数の自然災害国である。自然災害は生活に大きな損害をもたらす。この回では自然災害について、その様相、認識、対処の局面を考える。とくに地震災害に焦点をすえながら、社会と生活者にとっての対処の方法と課題を検討する。


担当講師: 奈良 由美子 (放送大学教授)
第10回 犯罪
わが国の安全神話の崩壊が指摘されて久しい。この回では、生活の安全・安心を脅かす犯罪について、リスクの様相、認識、対処の局面からアプローチする。具体的には、犯罪の認知件数や被害状況等から犯罪の実際をおさえるとともに、生活者の体感治安と犯罪不安の様子を見ることで、犯罪に対する安全と安心の阻害状況を理解する。そのうえで、犯罪への対処の方策について考えていきたい。


担当講師: 奈良 由美子 (放送大学教授)
第11回 製品安全
科学技術が進展し消費者のニーズも多様化する現代社会にあって、さまざまな製品が開発・販売され、生活の利便性を高めている。同時に、その使用による被害も指摘されている。この回では、日常生活で使用する製品をとりあげ、事故や被害実態を見たうえで、製品安全に対する生活者の認識をおさえ、さらにこれへの対処を行政、事業者、そして消費者の立場から考えていく。

担当講師: 奈良 由美子 (放送大学教授)
第12回 食品安全
食の安全・安心に対するひとびとの関心は高い。この回では食品の安全性について、客観的な様相を具体的なデータによっておさえ、これとひとびとの主観的な認識との差がどうであるか、さらにはその差の要因は何かを考察する。総じて、現代社会にあってわたしたちが食品リスクに向かい合うための手がかりを考えていきたい。

担当講師: 奈良 由美子 (放送大学教授)
第13回 信頼とリスク
現代社会においてリスクを考えるとき、重要な分析概念のひとつとなるのが「信頼」である。この回では、まず信頼の意味ならびに生活の安全・安心と信頼との関わりをおさえる。そのうえで、リスクをめぐる複数の主体のあいだで信頼を構築することの意義と可能性について、主要モデルや具体的事例を示しながら考えていく。


担当講師: 奈良 由美子 (放送大学教授)
第14回 生活者の主体性とリスクガバナンス
この回では、生活者がリスク社会に主体的に関わることの意義と可能性を検討する。具体的には、ソーシャル・キャピタルの醸成とリスクガバナンスの展開をとりあげ、そこに生活者が能動的に参加することでもたらされる新たなリスク対処資源や問題解決手法について検討していく。


担当講師: 奈良 由美子 (放送大学教授)
第15回 安全と安心、そして信頼の構築にむけて
これまでに現代社会における生活リスクについて、その様相、認識、対処の局面から述べてきた。最終回では、それらの内容を①ゼロリスクを前提としない実際的なリスクマネジメントの導入、②安全に裏付けられた安心の実現、③生活者のリスク管理の主体としての復権の観点から総括することで、本書全体のまとめを行う。


担当講師: 奈良 由美子 (放送大学教授)

放送メディア:

ラジオ

放送時間:


2016年度 [第2学期] (火曜)
19時00分〜19時45分

単位認定試験 試験日・時限:

2016年度 [第2学期]
2017年1月21日 (土曜)
2時限 (10時25分~11時15分)

開設年度:

2011年度

科目区分:

大学院科目

科目コード:

8910600

単位数:

2単位
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