生活支援の社会福祉(’14)

主任講師: 松村 祥子、山田 知子

この講義では、社会福祉の対象である政策と実践の双方を取り扱う。さらに歴史や思想的側面からの研究課題と研究方法を示す。履修者は各自の抱える研究テーマに関する多角的なアプローチを学ぶことができる。 検討中リストに追加

各回のテーマと放送内容

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第1回 Ⅰ 近年の生活変化と社会福祉  生活支援の社会福祉とは何か
社会福祉が人々の抱える生活問題にどのように対応しているかについて検討する。特に近年の社会福祉の対象と方法の変化とそこから生じている課題を明らかにする。そして生活支援の社会福祉(生活者の真のニーズに対応し、生活者を育てる社会福祉)への転換の必要性と方向を示す。
担当講師: 松村 祥子 (放送大学名誉教授)
第2回 Ⅰ 近年の生活変化と社会福祉  生活の不安定性の創出 -生活支柱のゆらぎと波動-
世界的経済変動のなかで生活問題は多様化、複雑化している。生活問題は経済的貧困の度合いで推し測ることがある程度可能であるが、十分ではない。一歩手前、あるいは、周辺にある生活の不安定性に着目することで問題の本質が見えてくる。経済的貧困、および生活の不安定性、その発現過程と特徴についてみることを通して、生活がどのようにして動揺し生活問題として発現するのか考える。
担当講師: 山田 知子 (放送大学教授)
第3回 Ⅱ 社会福祉の特色(他の領域との違い等)  生活支援のあゆみ -公私関係の視点から-
イギリスと日本で、19世紀から20世紀前半にかけて行われた公的部門の生活を支援するための施策(ここでは「生活支援施策」とする)と民間部門の生活を支援するための活動(ここでは「生活支援活動」とする)の形成過程と展開を明らかにする。また、生活支援施策と生活支援活動の相互関係を両国の特質を踏まえて検討する。
担当講師: 金子 光一 (東洋大学教授)
第4回 Ⅱ 社会福祉の特色(他の領域との違い等)  日本におけるセーフティネットの特徴
日本のセーフティネットは国際比較という鏡を通して見た場合、どのような特徴をもち、どんな姿をしているのであろうか。最初に、1980年代末までうまく機能していた日本の社会保障システムの特徴とその背景を概観し、その上で、OECDの資料を用いて、日本のセーフティネットの構成要素のそれぞれの特徴を明らかにし、最後に、日本のセーフティネット全体としての特徴をまとめる。
担当講師: 埋橋 孝文 (同志社大学教授)
第5回 Ⅱ 社会福祉の特色(他の領域との違い等)  現代社会における位置づけ(実践的方法)
社会福祉の支援方法である現代ソーシャルワーク理論について検討する。まず、ソーシャルワークの国際定義から目標や特徴を理解する。そして、約100年のソーシャルワーク理論史を概観したうえで、代表的な理論をとりあげて比較検討していく。
近年、社会福祉の対象となる生活問題は、広範化、、多様化し、それに対応する福祉サービスも多元化しているなかで、ソーシャルワークはどうあるべきかを考えたい。
担当講師: 横山 登志子 (札幌学院大学教授)
第6回 Ⅲ 社会福祉の対象分析  生活問題を中心として
貧困や生活上の問題に着目する生活問題論と利用者のニーズ(必要)を中心にすえる福祉ニーズ論の双方から、社会福祉の対象分析の視座と方法について述べる。
担当講師: 山田 知子 (放送大学教授)
第7回 Ⅲ 社会福祉の対象分析  コミュニティの変化と市場化
福祉改革の焦点である地方分権化(市町村主体)と市場化(民間営利企業の参入を含めた規制緩和)は、社会福祉をどう変化させ、社会福祉の利用者の生活に影響をもたらしたのだろうか。政府の政策の変遷を辿り、家族、地域社会の変貌、女性の社会進出などと関連させながら、社会福祉の基礎構造の変化とはなにかを考える。
担当講師: 山田 知子 (放送大学教授)
第8回 Ⅳ 社会福祉研究の課題  福祉政策の新しい動向と日本の課題
本章では、まず、ワークフェア、メイキング・ワーク・ペイ、タックス・クレジット、ディーセントワークなど新しい国際動向を取り上げ、その特徴を指摘する。次に、新たな課題として浮上してきているワーキングプア問題にどのように対応すべきかを論じる。最後に、近年影響力を増しているメイキング・ワーク・ペイの動きを「援商品化」「助商品化」と捉え、現代資本主義との関係について述べる。
担当講師: 埋橋 孝文 (同志社大学教授)
第9回 Ⅳ 社会福祉研究の課題  社会福祉の組織研究
社会福祉の供給主体の多様化によって、公的組織と民間組織のあり方への関心が高まっている。国から、市町村への任務の移行(地方分権化)や民間による社会福祉供給体制の拡大(民営化)の現状と問題点を明らかにする。行政主導型社会福祉から公民協働型社会福祉への円滑な移行のための組織に関する研究課題について検討したい。
担当講師: 松村 祥子 (放送大学名誉教授)
第10回 Ⅳ 社会福祉研究の課題  方法論的研究 -ソーシャルワークの実践研究-
ソーシャルワークの実践研究について検討する。ソーシャルワークの実践的・理論的向上のために研究は不可欠であるが、そもそも実践研究とは何か、またどのような意義や目的があるのかを確認する。そして、実践研究をはじめるにあたって確認すべき問いを提示したうえで、実践研究の方法、特に近年のソーシャルワーク研究で増えている質的研究の方法を概観する。
研究は、研究者だけのものではない。特に実践研究は支援者にとって大きな意義があり、近年ではソーシャルワーカーにも実践研究を遂行する力が求められるようになってきている。利用者の「福利の増進」に貢献するような、実践に還元できる生きた研究とはどのようなものかを検討していく。
担当講師: 横山 登志子 (札幌学院大学教授)
第11回 Ⅳ 社会福祉研究の課題  社会福祉史研究の現状と課題 -「生活支援史研究」の視点から-
社会福祉史研究の現状と課題を、生活支援の側面から明らかにするために、海外史研究に焦点を当てながら、研究の視点と枠組みを中心に検証する。また、今後の社会福祉史研究の方向性として、生活者と社会のありようを前提として、その構造と機能を分析し、一定の法則や相互昂進関係の過程を探究することの重要性を提起する。
担当講師: 金子 光一 (東洋大学教授)
第12回 Ⅳ 社会福祉研究の課題  福祉政策における国際比較研究
1980年代後半から海外では福祉国家の国際比較研究が著しく進展し、わが国でもそうした影響のもと、1990年代半ば以降、多くの研究が現れることになった。
本章では、まず、この間の研究によって明らかになった点と、ひとつの大きな「曲がり角」にあるといってよい国際比較研究の現時点での特徴を確認し、それらを踏まえつつ、今後の方向と展望を明らかにしていく。
担当講師: 埋橋 孝文 (同志社大学教授)
第13回 Ⅴ 生活支援の社会福祉を展開するために  ソーシャルワークの向上にむけて
生活問題を抱えた利用者の問題解決や社会の変革をめざすソーシャルワークにおいて、理論と実践が有機的に結びつき向上していくことが求められている。理論と実践の循環に焦点をあてて、理論と実践がどのように循環するといえるのか、あるいは理論と実践を媒介する「現場における実践者の経験」という要素はどのように関与するのかを検討する。そして、ソーシャルワークの向上にむけて実践者や研究者に何が求められているのかについて考える。
担当講師: 横山 登志子 (札幌学院大学教授)
第14回 Ⅴ 生活支援の社会福祉を展開するために  戦略としての当事者主権
生活上の困難やニーズ(必要)を最もよく理解している当事者を中心にすえて、社会システムや社会サービスのあり方を組み立ててみることの重要性について考える。
担当講師: 山田 知子 (放送大学教授)
第15回 Ⅴ 生活支援の社会福祉を展開するために  生活支援の社会福祉を推進するために
生活支援の社会福祉は生活の外側にあるサービスの質量を高めるだけでなく、社会福祉という仕組みの中で、生活の内側の力を引き出しながら生活問題を予防・緩和・解決していく。少子高齢化、経済停滞、グローバリゼーションによって拡大し変容する生活問題に対して、生活支援の社会福祉が有効な力を発揮するために必要な方策と方向を検討する。
担当講師: 松村 祥子 (放送大学名誉教授)

放送メディア:

ラジオ

放送時間:


2017年度 [第1学期] (土曜)
18時15分〜19時00分
2016年度 [第2学期] (水曜)
19時00分〜19時45分

単位認定試験 試験日・時限:

2017年度 [第1学期]
2017年7月21日 (金曜)
8時限 (17時55分~18時45分)

単位認定試験 試験日・時限:

2016年度 [第2学期]
2017年1月21日 (土曜)
7時限 (16時45分~17時35分)

開設年度:

2014年度

科目区分:

大学院科目

科目コード:

8910642

単位数:

2単位
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