家族生活研究(’15)

主任講師: 清水 新二、宮本 みち子

家族現象に関して、生活者として、また、民間NPO団体や地域あるいは行政・企業で家族や人間生活にかかわる仕事をしている担当者が、動きつつある家族の実態を多角的視点から柔軟に認識し、科学的知識や理論を修得し、家族をミクロ・マクロの両レベルから理解できることをねらいとする。また、個人・地域・公共の場で必要とされる家族をめぐる問題理解を深め、その対応についても社会的サービスや行政政策の観点から視野を広げる。 検討中リストに追加

各回のテーマと放送内容

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第1回 現代社会と家族状況
家族のありようは、社会構造の影響を受けるとともに、家族のありようが社会構造に変化をもたらし、ひいては社会制度の変革も促す。本章では社会-家族-個人の相互連関性の中で、家族のありようないしは景色をマクロとミクロの両側面から検討し、複合的に概観する。さらに旧版と本改訂版刊行の間に生じた、最近のいくつかの顕著な社会経済的な状況変化を取り上げつつ、現在とこれからの家族生活を考える場合に関心を向けるべき家族の景色について説明して理解を広げる。
担当講師: 清水 新二 (奈良女子大学名誉教授)
第2回 家族発達とライフコース
人、成長、成熟、老衰、死亡など生命現象によって規定された一生のコースを生活現象として捉え直し、その規則的な推移に注目するライフサイクル論について解説するとともに、平均的ライフサイクルとその変化を、統計データを用いて具体的に概観する。ライフサイクル論の限界を踏まえつつ、ライフコースアプローチの理論的枠組みをその古典的研究を紹介しながら概説する。
担当講師: 吉原 千賀 (高千穂大学准教授)
第3回 老いと家族
誰もが避けることのできない「老い」のプロセスにおける家族との関わりやそこで浮かび上がってくる現代的諸問題について再考するとともに、「長期化するモデルなき高齢期を、誰と、どのように生きていくのか」は、今や高齢者だけの問題ではなく、若年世代にとっても高齢期に入る前から考え、備えるべき問題であることを学習する。
担当講師: 吉原 千賀 (高千穂大学准教授)
第4回 社会システムとしての家族
近代から現代へ社会の変化にともなう家族システム一般にみられる変化の大きな特徴を、社会中心の家族観から生活者中心の家族観への変化として捉え、現代社会における生活システムと家族システムとの相互連関について解説する。具体的な事例をもとに、生活者としての夫と妻とが家族システムを形成する過程、変容させる過程について理解をはかりたい。さらに、生活主体としての子どもの育ちを支える子育ち支援システムとそこでの家族(保護者)の責任について問題提起をおこなう。
担当講師: 神原 文子 (神戸学院大学教授)
第5回 相互作用としての家族
家族社会学では家族を小集団とみなし、その中で展開される家族成員間の相互作用に焦点を合わせて内部構造研究を展開させてきた。一方外部社会への関心が希薄になりがちなことから、家族システム論やジェンダー論から批判的見解も寄せられた。また最近では構築主義などの解釈学的アプローチからも再度家族相互作用が研究されている。これらの理論枠組みの展開と系譜について具体的研究成果を紹介しながら理解を深める。
担当講師: 清水 新二 (奈良女子大学名誉教授)
第6回 ネットワークのなかの家族
個人をとりまくネットワークの一部として家族をとらえる。個人のアイデンティティが固定化されるにはネットワークが供給する「重要な他者」が不可欠であり、重要な他者の供給装置としての家族の意義を概説する。そして家族ネットワークからのインターネットを利用したサポートの動員などについてもみていく。
担当講師: 上野 加代子 (徳島大学教授)
第7回 グローバル化のなかの家族
グローバル化が家族生活に及ぼす影響を概説する。国境を越えたひとやものの往来が日常化している時代において、ひとつの国土に照準した家族研究の方法論には限界がある。ここでは主に移民研究からの方法論を借りて、再生産労働のグローバル化、個人のライフコースのトランスナショナル化、そしてこれらと関連している家族のトランスナショナル化について具体的に説明する。
担当講師: 上野 加代子 (徳島大学教授)
第8回 家族の個人化
家族の個人化という観点から動きつつある現代家族の実態とその背景を説明する。「家族の個人化」研究を紹介すると共に、単に理論的紹介にとどまらず近代から現代家族への推移を、わが国の歴史的現実に即して家族の個人化、個別化、私事化などの傾向と関連させつつ述べる。
担当講師: 清水 新二 (奈良女子大学名誉教授)
第9回 生活者と家族ライフスタイル
生活者にとっての家族ライフスタイルの多様なとらえ方と、家族ライフスタイルが多様化することの意味を解説するとともに、家族ライフスタイルの多様化を左右するライフチャンスについて問題提起する。子づれシングルの多くが生きづらい状況にある現実をふまえて、社会的排除によりライフチャンスが制限されている現状について問題提起する。また、だれもが生きやすく、生きる権利を尊重されるためのライフチャンスの条件整備を喚起したい。
担当講師: 神原 文子 (神戸学院大学教授)
第10回 ジェンダーと家族
近代化にともなう「近代家族」の誕生が、ジェンダー関係にどのような影響を及ぼしたかをみる。また、子育てや介護などのケア・ワークに焦点を当てて、ジェンダーの視点からみる。最後に、家族の仕事・時間・お金を、ジェンダーの切り口で整理する。
担当講師: 宮本 みち子 (放送大学副学長)
第11回 家族と病い
病いが決して個人的事柄ではなく周囲をも含めた社会的な事柄、とりわけ家族にとってしばしば大きな生活上の出来事となって影響をおよぼすことを確認する。そのうえで病者本人と周囲の相互作用について学び、これを家族の生活に当てはめて考えるとどうなるかを検討する。
担当講師: 清水 新二 (奈良女子大学名誉教授)
第12回 別れと遺族支援
家族生活に焦点をあわせながら、別れと悲嘆、そしてそこからの回復について、自死(自殺)遺族の場合を取り上げ、東日本大震災の経験も含めてその実態、直面する苦悩、課題を理解する。その上でそうした家族問題への社会的対応一般について学び考える機会とする。
担当講師: 清水 新二 (奈良女子大学名誉教授)
第13回 職業と家族
家族は職業・労働を通して所得を得て家族生活を再生産している。この回では家族と職業・労働をどのように結びつけて捉えるかを整理する。さらに、時代の推移とともに、職業と労働とがどのように発展し、そのことが家族にどのような影響を及ぼしてきたかをみていく。
担当講師: 宮本 みち子 (放送大学副学長)
第14回 人口構造と家族
わが国の人口構造は、少産少死という歴史的な転換期の最終段階にあるが、「超少子化」といわれる低い出生率の状態が続いている。このような少子高齢化は社会の様相を大きく変えつつある。その実態をおさえ、少子高齢化がマクロレベルとミクロレベルでどのような世代間関係と関わっていくのかを整理する。
担当講師: 宮本 みち子 (放送大学副学長)
第15回 社会政策と家族
家族にかかわる社会政策の構成と、それが家族とどのような関連性を有しているのか、近年の社会政策の特徴をみていく。また、現代家族が生活保障システムとどのようにかかわりながら変容を遂げ、そこにどのような課題があるのかを検討する。併せてこれからの家族政策の方向性、あり様についても解説する。
担当講師: 宮本 みち子 (放送大学副学長)

放送メディア:

ラジオ

放送時間:


2017年度 [第1学期] (火曜)
10時30分〜11時15分
2016年度 [第2学期] (水曜)
6時00分〜6時45分

単位認定試験 試験日・時限:

2017年度 [第1学期]
2017年7月22日 (土曜)
6時限 (15時35分~16時25分)

単位認定試験 試験日・時限:

2016年度 [第2学期]
2017年1月20日 (金曜)
5時限 (14時25分~15時15分)

開設年度:

2015年度

科目区分:

大学院科目

科目コード:

8910669

単位数:

2単位
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