海外の教育改革(’15)

主任講師: 坂野 慎二、藤田 晃之

世界的な教育改革の共通性と多様性を理解し、日本の教育改革の方向性について根拠に基づいて自分の考え方を説明することができる。 検討中リストに追加

各回のテーマと放送内容

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第1回 教育改革の根底にあるもの
教育改革は、義務教育制度の導入、前期中等教育の義務化、そして高等教育の大衆化という段階を経てきた。今日の欧米諸国の教育政策は、グローバル化や成果(卒業率、成績等)の重視といった多くの共通点が見いだされる。OECDやEUといった国家の枠を超えた組織を媒介として、教育に国がどの程度費用を投入し、どのような成果を挙げるのかが問われている。
担当講師: 坂野 慎二 (玉川大学教授)
第2回 教育的疎外状況の克服に向けて
1945年に採択されたユネスコ憲章は、すべての人に教育機会を保障することを謳っている。今日、教育を受ける権利の保障は、世界的な合意事項であるといえよう。しかし、実際には、開発途上国においても、また、先進諸国においても、教育機会の保障は多くの課題を抱えている。
担当講師: 藤田 晃之 (筑波大学教授)
第3回 イギリスの教育改革(1) -教育の質保障-
イギリス(イングランド)における教育の質保障は、全国共通教育課程及び全国共通教育試験の実施、教員の専門職基準や管理職養成の取り組み、第三者の専門家による学校監査の実施という3つの視点から、進められている。イギリスでは、学校が、地方の支援を受けながら、自律性をもって教育活動に取り組み、その取り組みの成果を国が定めた基準に基づいて評価を行うことにより、国全体の教育の質保障を行っているのである。
担当講師: 植田 みどり (国立教育政策研究所統括研究官)
第4回 イギリスの教育改革(2) -多様性と親の参画-
イギリス(イングランド)の公費で営まれる学校は、自由裁量権の幅や設置者及びスポンサー等の関与の度合いにより多様な設置形態がある。また、学校現場には教員以外にも多様な専門性をもったサポートスタッフが配置され、協業による組織体制を組むことで教育環境の整備を図っている。一方で、学校理事会制度や家庭と学校の教育協約などを実践している。
担当講師: 植田 みどり (国立教育政策研究所統括研究官)
第5回 アメリカの教育改革(1) -基礎学力をどう保障するか-
アメリカでは教育が各州政府及び学校区の権限とされ、連邦教育省には教育行政上の命令権がない。しかし連邦政府による教育政策は、連邦補助金として具体化され、全米の教育に大きな影響を与え、その方向性を決定づけている。
担当講師: 藤田 晃之 (筑波大学教授)
第6回 アメリカの教育改革(2) -働くための教育-
国を挙げて学力向上に向けた教育を推し進めているアメリカにおいて、人種・民族間の学力格差は今日でも大きな課題である。アメリカのキャリア教育は、「スワール型」とも呼ばれる移行プロセスを特色として、学校から職業生活への移行を中核に進められている。
担当講師: 藤田 晃之 (筑波大学教授)
第7回 北欧の教育改革(1) -個性重視による学力保障-
北欧諸国は、民主主義、平等、総合制学校と生涯学習の普及を特色としたが、90年代に経済危機に直面し、新自由主義的な教育改革手法を導入するようになった。2000年代からは学力向上のためにテストによる評価を重視する教育改革を導入したスウェーデン、デンマークおよびノルウェーに対し、フィンランドでは、学校と教師の裁量を拡大することによる学校改善を図っている。
担当講師: 澤野 由紀子 (聖心女子大学教授)
第8回 北欧の教育改革(2) -自立を促す教育-
北欧諸国の後期中等教育は社会人としての自立への第一歩となっている。学校体系は国によって異なるが、いずれも80~90年代には普通教育と職業教育の壁を低くし、職業コースからも大学進学を可能とする教育改革を実施した。だが進路選択のミスマッチによる若年失業者問題は現在も未解決である。
担当講師: 澤野 由紀子 (聖心女子大学教授)
第9回 ヨーロッパの教育改革(1) -多様性と基礎学力-
EU(ヨーロッパ連合)各国は、教育政策において、共通の目標を設定し、それぞれの手法で目標を実現することを目指し、年限を定めて調査・報告されるという政策サイクルを定着させようとしている。共通する教育政策として、第一に、多様な子ども達(移民の背景を持つ子ども等)に、学校教育の機会を実質的に確保するか、第二に、学力と学校システムの効率性を高めるのか、という課題がある。
担当講師: 坂野 慎二 (玉川大学教授)
第10回 ヨーロッパの教育改革(2) -ドイツにおける教育改革-
EUの中でも経済的にも、そして政治的にも重要な役割を演じているドイツは、教育改革が遅れた国の1つである。ドイツでは、2000年PISA調査の結果を受けて、移民の背景をもつ子どもを中心として、学力の全体的な底上げを図るために、就学前教育や学校以外の活動の充実によって、教育機会を実質的に確保する政策を進め、2012年PISA調査では、一定の学力向上に成功した。
担当講師: 坂野 慎二 (玉川大学教授)
第11回 アジアの教育改革(1) -国家戦略と教育-
アジア諸国の教育の発展状況は多様で、それぞれの抱える課題もまた多様である。一部の国では、初中等教育でのドロップアウト、教育進学などでの男女格差、公立学校の荒廃などが問題となっている。一方、シンガポールと中国では高い選抜圧力、受験のストレス、知識偏重教育による教育のゆがみなどの問題が深刻化している。
担当講師: 杉本 均 (京都大学教授)
第12回 アジアの教育改革(2) -エリート教育の光と陰-
アジアの高等教育は多くの国で急速な拡大が始まっている。特に(1)高等教育の市場化、そして(2)高等教育のグローバル化が進展している。改革は国内の一部の有力大学から行われ、また改革資源も一部の大学などに集中させたことから、国内大学間の格差の拡大、二極化が生じている。ここではマレーシア、中国、オーストラリア、日本の事例を中心に考察する。
担当講師: 杉本 均 (京都大学教授)
第13回 高等教育改革と人材育成 -人材と国家戦略-
今日の高等教育は量的にも質的にも大きな変貌をとげようとしている。高等教育改革と人材養成の観点から見ると、高等教育には2つの機能が存在する。1つは国民の知識・技能を向上させる機能とそれによる高い職業的地位の達成を助ける機能。もう1つは社会の産業構造の変化に対応して、それに適した規模とレベルの人材を選抜して、ふさわしい資格を与える機能である。
担当講師: 杉本 均 (京都大学教授)
第14回 生涯学習社会における学習 -人生を切り拓く多様な学び-
「生涯学習」の概念は、1960年代後半から、各国の教育改革のマスター・コンセプトとなっていった。生涯学習社会においては、生涯にわたって継続する学びと生活の中に広がる幅広い学びを包括的に支援することが理想とされる。個々人が取り組む多様な学びの成果を生涯学習として包括的に評価し、キャリア形成にもつながる道筋を自ら開拓することを促すガイダンスやカウンセリングなどの支援が重要となる。この面ではEUの取り組みが参考となる。
担当講師: 澤野 由紀子 (聖心女子大学教授)
第15回 世界の教育改革と日本 -何のための教育改革か-
イギリスやアメリカから普及してきたNPMによって、各国は市場原理を基盤とした競争的で成果主義的な教育改革を進めることとなった。今日の教育政策で成果とされているのは、PISA調査に代表される読解力等のキー・コンピテンシー、そしてその枠組みそのものを検討することが求められる。また、教育支出を抑えて教育改革を進めていく場合、弱者に対する社会的公正の観点が重要である。
担当講師: 坂野 慎二 (玉川大学教授)

放送メディア:

ラジオ

放送時間:


2017年度 [第1学期] (日曜)
0時00分〜0時45分
2016年度 [第2学期] (金曜)
21時30分〜22時15分

単位認定試験 試験日・時限:

2017年度 [第1学期]
2017年7月22日 (土曜)
7時限 (16時45分~17時35分)

単位認定試験 試験日・時限:

2016年度 [第2学期]
2017年1月20日 (金曜)
6時限 (15時35分~16時25分)

開設年度:

2015年度

科目区分:

大学院科目

科目コード:

8920664

単位数:

2単位
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