教育行政と学校経営(’16)

主任講師: 小川 正人、勝野 正章

全15回の講義を通して、大きく変動している国、自治体、学校の教育システムの実情と問題、政策課題を理解することができることを目標とする。受講生としては、現職教職員、学校管理職、教育行政職員などを想定し、教育に強い関心をもつ市民等にとっても関心を持てるように、最新の動向と具体的事例を学べるものにしたい。 検討中リストに追加

各回のテーマと放送内容

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第1回 戦後教育行政と学校経営の展開 -沿革と課題-
本科目の序論として、戦後の教育行政と学校経営の展開を学び、近年の教育行政と学校経営をめぐる政策動向から今後の基本的課題を考える。
担当講師: 小川 正人 (放送大学教授)
第2回 国の教育行政機関と教育政策過程
国の教育行政決定過程や行政運営の実際をそれに携わる政府(内閣、文部科学省)や政党等の活動を通して学ぶ。特に、戦後長期間に亘った旧自民党政権時代の一党優位体制下における教育政策決定のしくみと過程の特徴を概観した後、それらが2001年の中央省庁再編等と2009年、2012年の政権交代でどのように改革され変化したのかを確認しながら国の教育政策決定のあり方について考える。
担当講師: 小川 正人 (放送大学教授)
第3回 国と地方の教育行財政制度
戦後の教育行政運営に係る基本的原則とその考え方、及び国と地方を通した義務教育行財政制度のしくみや特徴を学びながら、戦後の教育行政に関する中央地方関係をめぐる問題と課題を考える。
担当講師: 小川 正人 (放送大学教授)
第4回 国の予算と教育
日本の教育行政の特質とこれを取りまく国レベルの教育財政制度を、教育費支出および予算過程を中心にとりあげる。内閣制度のもとで各省庁の制度上の配置に注目し、これがどのような政策的帰結をもたらしているかを考察する。予算執行及び決算による統制もまた重要な予算過程であることを理解するとともに、予算という資源をめぐる他の行政分野とのバランスを視野に入れて理解できるようになることを目指す。
担当講師: 本多 正人 (国立教育政策研究所総括研究官)
第5回 教育行政の独立性:教育委員会
戦後、アメリカに倣って導入された教育委員会制度に期待された役割と実際の機能を中心に、地方自治体の総合行政と教育行政の独立性とのバランスを重視することで現われた日本型教育委員会の特徴について、近年の改革の方向性を踏まえて考察する。また、地方自治体の長による教育行政への関与に関して、専門職支配の意義と限界、政治的正統性と政治的中立性といった多面的な角度から評価できるよう理解を深める。
担当講師: 本多 正人 (国立教育政策研究所総括研究官)
第6回 教育課程行政と新学力育成の課題
児童生徒の学びと成長・発達に必要な教育・文化の組織化と計画である教育課程は多岐にわたる課題を含んでいるが、本章では、主に、その編成や管理運営等に係る教育課程の行政と政策を取り上げる。教育課程の編成、管理運営等に関する法制やその中心にある学習指導要領をめぐる論議や課題、新学力=21世紀型学力育成の社会経済的背景と新学力をめぐる論議、新しい時代における資質・能力育成にむけた高校・大学教育改革など、近年の教育課程行政の動向と課題を考える。
担当講師: 小川 正人 (放送大学教授)
第7回 教員の給与と勤務
教員の人事管理や教員個々の職業生活のあり方に深く関わる教員給与の政策と法制度を学びながら、教員給与をめぐる今日的な課題を考える。また、教員給与の法制度と一体的な関係にある教員の勤務形態の問題と改善に向けた課題を検討する。
担当講師: 小川 正人 (放送大学教授)
第8回 教育費問題と教育の機会均等保障
教育は、社会的身分、経済的地位等によって差別されないように機会均等が保障されなくてはならないが、今日の日本では子育てや教育に多額の家計負担を要するのが実態である。教育費負担と小・中・高校段階の経済的困窮家庭への修学支援制度の実情や問題を学び、それらを巡る諸課題を考える。
担当講師: 小川 正人 (放送大学教授)
第9回 学校経営をめぐる政策動向
今日、グローバリゼーションなどの社会変化を背景に世界の国々や諸地域で教育改革が進められている。本章では、特に学校選択などの教育の市場化、学校の自主性・自律性の確立、学校のアカウンタビリティ強化など、学校経営に関わる政策の基本を学ぶ。事実や国内外の研究成果に基づき、こうした政策の効果や問題点を評価、考察できるようにしたい。
担当講師: 勝野 正章 (東京大学教授)
第10回 学校の組織と文化
学校は官僚制組織としての側面を持つ一方で、官僚制とも、企業組織とも異なる特徴を有している。本章では、学校組織の特徴に関する研究の大まかな流れと基本的な理論・概念を学び、そのうえで、近年の学校改革を「信頼モデル」と「管理・統制モデル」という2つのモデルの視点から考察する。さらに、学校の組織文化とはどのようなものであり、近年の日本における学校改革では、どのような学校の組織文化が構築されようとしているのかを学習する。
担当講師: 勝野 正章 (東京大学教授)
第11回 学校におけるリーダーシップ
本章では、スクール・リーダーシップ研究の展開を概観する。日本では、1990年代後半頃から、学校の自主性・自律性やアカウンタビリティをめぐる議論が盛んになり、経営責任の明確化や機動的な学校運営を促進するという観点から、校長の権限や資質・能力に対する関心が高まった。さらに近年では、新たに設置された職である主幹教諭や主任などの中堅層がミドルリーダーと呼ばれ、学校運営の要として注目を集めるようになっている。学校におけるリーダーシップの現状を分析し、今後のあり方を考察するために理論的知見を身につけておきたい。
担当講師: 勝野 正章 (東京大学教授)
第12回 学校評価と学校改善
今日の学校経営においては、学校評価をPDCA(plan-do-check-action)マネジメントサイクルに組み込み、「学校運営の改善」や「教育水準の向上」に努めることが当然のことと見なされるようになっている。本章では、自己評価、関係者評価、第三者評価によって構成される学校評価システムが構築されてきた背景・経緯、その現状と課題について学習する。さらに、学校評価が目的とする学校改善に関する組織学習や「専門家の学習共同体(professional learning community: PLC)」の視点を学ぶ。
担当講師: 勝野 正章 (東京大学教授)
第13回 学校の財務管理
学校の自主性・自律性確立の視点を踏まえて、学校管理運営において学校関係者に求められる財務事務についての基本的原則や改善の方途等を中心に考える。とくに公立学校を介した公費及び私費の資金の流れや、学校における財務運営上の効率性、有効性、合規性といった観点からの学校管理運営に係る現状と課題について考察する。
担当講師: 本多 正人 (国立教育政策研究所総括研究官)
第14回 教員の評価と職能成長
本章では、日本の「新しい教員評価」の現状と導入の背景を概観してから、「成果主義型」教員評価と「能力開発型」教員評価の論理について学習する。教員評価に関する国内及び国際調査の結果からは、教員評価が必ずしも期待されているような効果をもたらしていないことがうかがえる。このことを踏まえ、第1に目的と目的に相応しい方法論、第2に具体的な評価の対象と基準、第3に評価の手続きとツールという、教員評価を再検討する視点を提示する。
担当講師: 勝野 正章 (東京大学教授)
第15回 学校のガバナンスと経営
本章では、学校評議員制度と学校運営協議会(コミュニティ・スクール)制度について概観した後、専門性と民主性の調整問題、実質的な民主主義の実現という、学校のソーシャル・ガバナンスの基本的問題について考察する。最後に、学校のソーシャル・ガバナンスと並行して進んでいるNPM型学校ガバナンスが、教員の専門性を否定することにより教育の格差拡大助長などの問題を生じさせる危険性について述べる。
担当講師: 勝野 正章 (東京大学教授)

放送メディア:

ラジオ

放送時間:


2018年度 [第1学期] (木曜)
16時45分〜17時30分
2017年度 [第2学期] (火曜)
6時00分〜6時45分

単位認定試験 試験日・時限:

2018年度 [第1学期]
2018年7月28日 (土曜)
2時限 (10時25分~11時15分)

単位認定試験 試験日・時限:

2017年度 [第2学期]
2018年1月19日 (金曜)
1時限 (9時15分~10時05分)

開設年度:

2016年度

科目区分:

大学院科目

科目コード:

8920702

単位数:

2単位
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