教育文化の社会学(’17)

主任講師: 稲垣 恭子

教育文化を社会学的に分析・解明するための基本概念や方法論を学ぶことを通して、さまざまな教育現象について、具体的かつ深く分析する力を身につけることを目的としている。 検討中リストに追加

各回のテーマと放送内容

※テーマをクリックすると授業内容が表示されます。

第1回 教育文化へのアプローチ
あらゆる社会には、その社会を支える文化を継承・発展させていくための独自のしくみが存在している。そのなかには、家族や地域、社会のなかで蓄積されてきた育児や子育ての慣習から、学校や公共の教育施設、メディアなどの文化装置まで、多様な場や媒体が含まれる。この講義では、広い意味での教育文化がどのようにつくられ、変容してきたのか、その社会的なしくみや機能を社会学的な視点から理解することを目的としている。
初回では、教育文化を社会学的にとらえるための基本的なみかたや方法論及び講義の全体の流れについて紹介する。
担当講師: 稲垣 恭子 (京都大学大学院教授)
第2回 子どもと大人の関係をどうみるか
近年、「子どもが変わった」とか「子どもがみえなくなった」といわれることがしばしばある。この回では、「子ども」を「教育」という視点からとらえるまなざしや枠組がどのように成立し広がってきたのかを歴史社会学的な視点からたどり直し、その意味を明らかにすると同時に、変容しつつある現代の「子ども」と「大人」の関係について考える。
担当講師: 稲垣 恭子 (京都大学大学院教授) ゲスト:竹内 里欧(京都大学大学院准教授)
第3回 「教育する家族」の誕生と変容
日本において、「子ども」を特別な教育的配慮の下で育てようとする「教育する家族」が誕生するのは、大正期になってからといわれる。この回では、「教育する家族」の誕生とその広がりや変容の過程をみていきながら、現代の家庭と教育をめぐる諸問題について考える。
担当講師: 稲垣 恭子 (京都大学大学院教授) ゲスト:多賀 太(関西大学教授)
第4回 変容する家族の物語
家族の衰退がいわれるようになって久しいが、家族を補完する「擬制家族」についてはあまり関心が向けられてこなかった。この回では、「擬制家族」「疑似共同体家族」という視点を軸に、現在の家族と教育をめぐる状況について考える。具体的にはテレビドラマを事例として、家族であること、成長と自立、つながりとは何かについて考えていきたい。
担当講師: 稲垣 恭子 (京都大学大学院教授) ゲスト:竹内 里欧(京都大学大学院准教授)
第5回 文化装置としての学校
教育にかかわる文化装置のなかで中心的な位置を占めてきたのは学校である。この回では、校舎や校庭などの空間配置や、机や椅子、黒板といったモノの配置、カリキュラムや授業スタイルなど、私たちが見慣れた学校空間が、どのように構成され機能してきたのかをたどり直すことによって、文化装置としての近代学校の特質とその揺らぎについて考察する。
担当講師: 稲垣 恭子 (京都大学大学院教授) ゲスト:太田 拓紀(滋賀大学准教授)
第6回 感情共同体としての学校
学校は、合理的組織であると同時に、学校への愛着や帰属意識といった感情共同体としての側面ももっている。この回では、入学式や卒業式などの学校行事や、同窓会、クラス会などに焦点をあてて、感情共同体としての学校の意味や社会的機能について考える。
担当講師: 稲垣 恭子 (京都大学大学院教授)
第7回 生徒文化と学校空間の変容
学校を通して身につけられる文化のなかで、生徒たち自身によってつくられる文化も重要な意味と役割をもっている。近年、メディアなどを媒介とした若者文化の学校への浸透によって、生徒文化=サブカルチャーも大きく変化しつつある。この回では、主に高校生の文化を軸にして、生徒文化の特質とその変化をたどりながら、生徒文化と学校空間の意味の変容について考える。
担当講師: 稲垣 恭子 (京都大学大学院教授)
第8回 学生文化と教養の変容
現在、大学に進学する学生は50%を超えてユニバーサル化している。大学の大衆化が進むなかで学生文化はどのように変容してきたのだろうか。この回では、戦前から現在にいたる学生文化の変容過程を、読書と教養という視点を軸に概観し、大学と学生文化の現在について考える。
担当講師: 稲垣 恭子 (京都大学大学院教授)
第9回 女学生の文化と教養
戦前期における女学校を中心とする女学生文化は、男子を中心とする教養主義の系譜とはまた異なる教養の水脈をつくってきた。この回では、女学生文化を軸としながら、もうひとつの教養の系譜をたどり直すことによって、現代の教育と教養文化について再考する。
担当講師: 稲垣 恭子 (京都大学大学院教授)
第10回 〈師弟関係〉という文化
〈教える-学ぶ〉という関係は、教育の営みの中核である。そのあり方は、学校における教師と生徒・学生の関係だけでなく、社会一般に浸透する教育の重要な文化装置である。この回では、広い意味での〈教える-学ぶ〉関係の原型としての師弟関係に焦点をあて、その特徴としくみをみていくことによって、現代の教育関係を新しい角度から考える。
担当講師: 稲垣 恭子 (京都大学大学院教授) ゲスト:日向 ひまわり(講談師)
第11回 近代教育の表層と深層
現代の教育においては、従来の近代的な知を前提とした教育から、より流動的でフラット化したポスト近代的な教育スタイルへと移行しつつあるといわれる。この回では、教育を表層と深層から成る重層的なしくみとしてとらえ、近代教育からポスト近代教育へと移行しつつあるといわれる現代の教育について新しい角度から考える。
担当講師: 稲垣 恭子 (京都大学大学院教授) ゲスト:太田 拓紀(滋賀大学准教授)
第12回 〈私淑〉の文化
「私淑」は、直接的な指導関係にはないが、読書やインターネットなどを通した、より間接的な師事のスタイルである。ここでは、社会一般に存在する「私淑」という文化の諸相を通して、現代における教育文化の意味を再考する。
担当講師: 稲垣 恭子 (京都大学大学院教授)
第13回 メディアと教養文化
日本における教養文化の特質を考える上で、メディアの役割は重要である。この回では、「総合雑誌」から「ネット論壇」にわたる教養メディアを軸に、戦後日本におけるメディアと教養の関係とその変容について考える。
担当講師: 稲垣 恭子 (京都大学大学院教授) ゲスト:大澤 聡(近畿大学准教授)
第14回 努力主義と日本型メリトクラシーのゆくえ
日本の教育文化において、「努力」「勤勉」が大きな位置を占めてきたことはよく知られている。しかし近年、「日本型メリトクラシー」を支えてきた勉強=努力主義が後退しつつあることがしばしば指摘される。この回では、勉強=努力主義を軸にしながら、日本における教育文化とメリトクラシーの特質と変容について考える。
担当講師: 稲垣 恭子 (京都大学大学院教授)
第15回 現代日本の教育文化 -まとめと課題-
教育文化は文化の継承全体に関わる広い事象である。本講義では、子育てをめぐる慣習から家族、学校、メディアなどの文化装置まで、広い意味での教育文化の諸相を歴史的・社会的な多様性のなかで検討し、その意味について社会学的な視点から考察してきた。最終回では、これらの知見をまとめた上で、これからの教育文化と教育文化研究について展望する。
担当講師: 稲垣 恭子 (京都大学大学院教授) ゲスト:竹内 洋(京都大学名誉教授)

放送メディア:

ラジオ

放送時間:


2018年度 [第1学期] (水曜)
16時45分〜17時30分
2017年度 [第2学期] (月曜)
9時00分〜9時45分

単位認定試験 試験日・時限:

2018年度 [第1学期]
2018年7月27日 (金曜)
6時限 (15時35分~16時25分)

単位認定試験 試験日・時限:

2017年度 [第2学期]
2018年1月20日 (土曜)
5時限 (14時25分~15時15分)

開設年度:

2017年度

科目区分:

大学院科目

科目コード:

8920737

単位数:

2単位
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