行政裁量論(’11)

主任講師: 原島 良成、筑紫 圭一

行政法理論を現実の社会問題に適用して、自ら思考する能力を養う。 検討中リストに追加

各回のテーマと放送内容

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第1回 行政法の基礎理論
行政活動を法的に統制する必要性から生まれた「行政法総論」の意義を確認する。「法」による統制ではなく「法律」による統制が行政法総論の基本原理とされていることの意味とその限界を探る中で、行政裁量論の目的と方法を明らかにしていく。
担当講師: 原島 良成 (熊本大学准教授) 筑紫 圭一 (上智大学准教授) ゲスト : 阪本 昌成(近畿大学教授)
第2回 行政裁量の概念
行政裁量とは何か。また、行政裁量はなぜ存在するのか。行政裁量の意義と存在理由を、具体例を挙げて説明する。
担当講師: 原島 良成 (熊本大学准教授) 筑紫 圭一 (上智大学准教授)
第3回 行政裁量に対する制約 -行政裁量の有無を中心に
行政裁量は、何を手がかりとして、どのような場合に認められるのか。行政裁量が「法律による行政」の原理の例外に当たるとすれば、どういった場合に「例外」を認めるかは、重要な問題である。①行政裁量の発見方法に関する学説の変遷を示した上で、②実際の紛争事例を取り上げ、行政裁量の有無が問題となる場面を具体的に分析する。
担当講師: 原島 良成 (熊本大学准教授) 筑紫 圭一 (上智大学准教授)
第4回 行政処分と裁量
行政処分は、原則として、法律が提示する一定の基準のもとでなされるべきである。しかし、一般的、抽象的な書き振りの法律は、個別具体の案件に適用するに当たり、疑義が生じることがある。すなわち、法律の示すところを一義的に劃定できないことがある。結果として、行政がある枠内で自由に判断しているように見えることがある。それは本当に「自由」なのか。具体例を挙げて検証する。
担当講師: 原島 良成 (熊本大学准教授) 筑紫 圭一 (上智大学准教授)
第5回 行政立法と裁量
法律の指示するところが曖昧である場合にも、行政処分は一定の基準の下で公平に行われなければならないことに、変わりはない。政令、省令といった行政立法のかたちで、法律の規範内容が充填されることは、時に、法律で明示的に予定されているところでもある。行政処分の場面と対比しながら、また国会の立法裁量との相違も意識しながら、行政立法裁量の特殊性を把握する。
担当講師: 原島 良成 (熊本大学准教授) 筑紫 圭一  (上智大学准教授)
第6回 行政計画と裁量
複雑かつ不確実な世界で公益を擁護する現代行政には、法律から行政立法が生まれ行政処分に到る、という、シンプルなモデルでは説明しきれない事象が多い。長期的な展望の下、規制、誘導に関する諸手法を組み合わせた計画としての法政策に対する需要が、行政国家化を後押ししている。そのような政策立案主体としての役割は、必然的に広範な裁量を要求する。
担当講師: 原島 良成 (熊本大学准教授) 筑紫 圭一 (上智大学准教授) ゲスト : 川合 敏樹(國學院大學准教授)
第7回 行政指導と裁量
行政活動を法行為のみで語りつくすことは、到底できない。法的効果を伴わない「事実行為」に対する行政法学の対応は、比較的簡素なものであったが、今日では、行政指導の適法性を中心に裁判例の充実が見られる。行政処分、行政立法における裁量との関連で、行政指導の実際を眺め、その限界を考察する。
担当講師: 原島 良成 (熊本大学准教授) 筑紫 圭一 (上智大学准教授)
第8回 行政裁量概念の再検討 (講義前半のまとめ)
行政過程を法律家の問題意識をもって眺めるということは、行政裁量の現象を学びその適正なあり方を構想することにほかならない。行政には、機械的な法律の執行を超えて、公共の福祉を擁護し増進させるという、実に「裁量的」な振る舞いが求められている。行政を縛るはずの法は、そのことをどのように受け止めているか。これまでに見た具体例を整理し、行政裁量概念を再確認する。
担当講師: 原島 良成 (熊本大学准教授) 筑紫 圭一 (上智大学准教授)
第9回 行政裁量統制の仕組み
行政裁量がどこまで認められているのか。これは行政現場で法を執行する職員にとっての切実な関心事であるが、行政裁量の影響を受ける市民の視点からすると、行政裁量をどのように統制し、恣意的専断的な行政にいかに歯止めをかけるか、ということに、関心が向けられる。そのための手続について、法整備と裁判例蓄積の経緯を踏まえながら、概説する。
担当講師: 原島 良成 (熊本大学准教授) 筑紫 圭一 (上智大学准教授)
第10回 行政立法の司法審査
従来、行政立法の適法性を訴訟で争う機会は、限定されていた。しかし2004年の改正行政事件訴訟法は、公法上の当事者訴訟として確認訴訟を明記し、行政立法を争う途を拡大したものと期待されている。こうした動向と今後の展望について論じるとともに、行政立法の裁量論を深化させる必要性について述べる。
担当講師: 原島 良成 (熊本大学准教授) 筑紫 圭一 (上智大学准教授) ゲスト : 野口 貴公美(中央大学教授)
第11回 行政立法の手続的統制
行政手続は、行政機関が裁量を行使する過程に影響を及ぼし、慎重な考慮を確保して恣意的な権限行使を防止したり、国民の意見を反映した合理的な意思決定を促進したりする。2005年に行政手続法の改正で実定法化されたパブリック・コメント手続(行政手続法第6章38-45条)は、行政立法の制定過程に影響を与える、一つの重要な裁量統制手段である。
担当講師: 原島 良成 (熊本大学准教授) 筑紫 圭一 (上智大学准教授)
第12回 行政立法の議会統制と行政内部統制
行政立法に対しては、司法的統制以外にも、様々な統制が及ぶ。たとえば国会は、法律の制定改廃や各種手続の整備を通じ、行政立法の制定に関与している。また行政内部においても、様々な調整活動が行われており、個々の行政立法もその影響を受けている。ここでは、①国会の統制と行政内部の統制について整理した上で、②今後の展望について若干の検討を加える。
担当講師: 原島 良成 (熊本大学准教授) 筑紫 圭一 (上智大学准教授)
第13回 アメリカにおける行政立法の司法審査
行政立法の司法審査は、他国でも重要な問題である。米国では、行政立法の適用前審査を早くから認め、厳格な統制を加えてきた。日本と事情が異なる外国の例を学ぶことは、日本行政法の特徴を把握することに役立つであろう。
担当講師: 原島 良成 (熊本大学准教授) 筑紫 圭一 (上智大学准教授) ゲスト : 古城 誠(上智大学教授)
第14回 行政立法統制の課題 (講義後半のまとめ)
行政立法に対する司法審査は、どうあるべきか。第10回から第13回の授業内容を踏まえつつ、今後の課題について論じる。
担当講師: 原島 良成 (熊本大学准教授) 筑紫 圭一 (上智大学准教授)
第15回 行政裁量論の展望
これまでの講義内容を総括し、行政裁量を論じる上で必要な視点を整理する。
担当講師: 原島 良成 (熊本大学准教授) 筑紫 圭一 (上智大学准教授)

放送メディア:

ラジオ

放送時間:


2016年度 [第2学期] (日曜)
10時30分〜11時15分

単位認定試験 試験日・時限:

2016年度 [第2学期]
2017年1月21日 (土曜)
4時限 (13時15分~14時05分)

開設年度:

2011年度

科目区分:

大学院科目

科目コード:

8930589

単位数:

2単位
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