東アジアの歴史と社会(’10)

主任講師: 吉田 光男

講師ごとに提示される、歴史研究の多様な方法や視点を学び、東アジア史研究の最前線がどのような研究をしているのかを理解するとともに、史料批判と史料読解に基づく歴史研究の方法を身につける。また、現代の国家的枠組みにとらわれない、時代的実態に合わせたフレキシブルな地域理解を目標とする。 検討中リストに追加

各回のテーマと放送内容

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第1回 総説 -東アジア史を研究する視点
本講座で検討対象とする東アジア(中国・朝鮮)史の研究方法について、中国史・朝鮮史を専門とする4人の講師がそれぞれの立場から論じる。従来の研究を基礎としながら、第2章から始まる各論を見すえて全体像を提示し、実際の東アジア史研究をどのように行うかについて示していく。
担当講師: 上田 信 (立教大学教授) 鶴間 和幸 (学習院大学教授) 橋谷 弘 (東京経済大学教授) 吉田 光男 (放送大学教授)
第2回 中国文明から東アジア文明へ -文明の多様性と多元性
中国文明の舞台は黄河と長江が作り出した平原にある。その自然環境の変化と地域文化の多様性に注目しながら、中国文明が東アジア文明として広がっていくことを見ていく。紅山遺跡の玉器と三星堆遺跡の青銅器を素材として取り上げる。
担当講師: 鶴間 和幸 (学習院大学教授)
第3回 古代中華帝国の成立 -始皇帝の時代
中国史上最初の帝国と皇帝の誕生の歴史を資料に基づいて見ていく。始皇帝の秦時代の暗殺未遂事件の解明、統一後の巡行と刻石(顕彰碑)の検討を中心に進めていく。基本文献である『史記』への見直しでもある。
担当講師: 鶴間 和幸 (学習院大学教授)
第4回 隋唐帝国 -東アジア世界における古代
秦漢帝国に続く隋唐帝国を東アジア世界から見ていく。内陸の帝都長安も実は東方の平原や東アジアの海域とつながっていた。遣隋使や遣唐使の海域の海路と中国の運河の水運ネットワークの結びつきなども解明していく。
担当講師: 鶴間 和幸 (学習院大学教授)
第5回 モンゴル帝国以後の海域アジア史
13世紀以降、中国の歴史を、東シナ海・南シナ海・インド洋と連なる海域アジアとの交流のなかで、大局的に把握する。そこに活躍する人々の姿を、歴史として見るためには、どのような方法があるのだろうか。科学を標榜する歴史学は「英雄史観」から脱却するために、人物を描くことに消極的であった。一個の人物の多様な側面を、史料を通じて客観的に把握するめための方法を提示する。
担当講師: 上田 信 (立教大学教授)
第6回 碑文を通してみる明初の世界 -鄭和
七回にわたる大航海をしたことで知られる鄭和は、雲南のムスリムの家に生まれた。明軍の雲南攻略のなかで去勢され、明朝第3代の皇帝・朱棣(永楽帝)の宦官となった鄭和が、なぜ大航海の率いることになったのか。この航海がその後の中国に残したものは何だったのか。鄭和に関する碑文を読み解くことで、明らかにしてゆく
担当講師: 上田 信 (立教大学教授)
第7回 武装海洋商人の世界 -王直
新安商人として知られる商人グループの故郷・徽州で生まれた王直は、なぜ倭寇の統領として名を歴史に留めることになったのか。王直本人が記したとされる上訴を読み解くことで、考察していく。明朝・ポルトガル人・日本人など、立場を異にする人々が記した史料から、日本に拠点をおいた王直の実像に迫る。また、今日における日中間の人物評価の違いにも目を向ける。
担当講師: 上田 信 (立教大学教授)
第8回 清朝の勃興と海域アジアの変容 -鄭成功
日本人を母に持ち、中国海洋商人を父とする鄭成功がどのようなヴィジョンを持っていたのか、オランダ語史料に残された鄭成功が出した布告を手掛かりにして迫る。また、「実録」と呼ばれる史料の読み方を示す。
担当講師: 上田 信 (立教大学教授)
第9回 清代行政文書から見える社会 -陳弘謀
清代を通じて最も有能な地方官僚の1人として知られる陳弘謀は、詳細な行政文書を後世に残した。この文書を読み解くことで、18世紀の人口爆発に清朝がどのように対応しようとしたのか、地方の情報を官僚がどのように把握していたのか、地方官は皇帝とどのような関係を持っていたのか、具体的に知ることができる。海域アジアに在住する華人への政策をめぐる公文書を読む。
担当講師: 上田 信 (立教大学教授)
第10回 近代世界システムと中国 -ウィリアム=ジャーディン
アヘン戦争の仕掛け人として、中国史に悪名を残すジャーディンは、スコットランドで生まれ、イギリス東インド会社の船医からカントリー・トレーダーに転身、茶葉とアヘンの交易で活躍する。彼が創立したジャーディン・マセソン商会は、アジア有数の商社として、発展を遂げる。転機となったアヘン戦争を、書簡から読み解いていく。
担当講師: 上田 信 (立教大学教授)
第11回 高麗と元帝国・東アジア
モンゴルと高麗の間は、支配服属関係で語られる。しかし、高麗国王は元の王女を妻にむかえ、元王室の婿として駙馬高麗国王という特殊な地位を得た元王室の一員の地位にもあった。元の強大な軍事力による東アジアの変動の中で高麗のとった外交政策が可能だった背景を探り、朝鮮史料を中心として考察することによりし、日本・中国から見たのとは異なった東アジア史像を構想する。
担当講師: 吉田 光男 (放送大学教授)
第12回 東アジアの国際関係と近世の朝鮮
近世の日朝関係において、朝鮮王朝から江戸幕府に派遣されてきた通信使が注目されている。東アジアの外交現場で、お互いの利益をかけた戦いが繰り広げられていた。さらに朝鮮は清に燕行使を派遣し、北方の安定化もはかっていた。それぞれがどのような思惑で国際関係を結んでいったのか、日本・朝朝・中国の史料を対比しながら、同時代の歴史的リアリティーに迫る方法を探求する。
担当講師: 吉田 光男 (放送大学教授)
第13回 戸籍で見る朝鮮の近世社会
朝鮮王朝は14世紀末の創建以来、3年ごとに全国一律の住民調査を行い、戸籍大帳というかたちでまとめていた。この戸籍大帳を資料として用いて、朝鮮近世社会の実態を人口を通して探求する。また、歴史学における通説的理解のできかたと問題点、その批判と克服の方法について提示してみる
担当講師: 吉田 光男 (放送大学教授)
第14回 植民地期の朝鮮
朝鮮における植民地支配の歴史を取り上げ、欧米の植民地支配との比較、産米増殖計画、植民地工業化の意味、植民地都市の形成、皇民化政策などの問題について、史料や統計を示しながら具体的に検討する。また、解放後の歴史との関連や、現代からの視点も意識して取り入れる。
担当講師: 橋谷 弘 (東京経済大学教授)
第15回 アジアNIESとしての韓国
20世紀後半の世界史特徴づけるアジア工業化の一環としての韓国の工業化の歴史を取り上げ、欧米や日本の工業化との比較、アジアNIES(新興工業経済地域)の工業化プロセスの特徴などについて、史料や統計を示しながら具体的に検討する。また、「ポストアジアNIES」ともいえる80年代以降の展開についても考察する。
担当講師: 橋谷 弘 (東京経済大学教授)

放送メディア:

テレビ

放送時間:


2016年度 [第2学期] (土曜)
17時30分〜18時15分

単位認定試験 試験日・時限:

2016年度 [第2学期]
2017年1月21日 (土曜)
1時限 (9時15分~10時05分)

開設年度:

2010年度

科目区分:

大学院科目

科目コード:

8940541

単位数:

2単位
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