臨床心理学研究法特論(’12)

主任講師: 齋藤 高雅、元永 拓郎

臨床心理学領域におけるさまざまな研究を行う上での方法論と,研究の重要性,および困難さを理解することを目標にする。臨床心理学においては、臨床実践や調査研究とプライバシーを含む倫理面の問題および研究から得られる公共性との両立と相克が重要なテーマとなるが,究極的には、クライエントの利益に還元されることが優先される。これらの点について留意しながら、臨床心理学研究法について解説する。 検討中リストに追加

各回のテーマと放送内容

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第1回 臨床心理学の領域と研究法
本特論では、臨床心理学の5領域、心理療法・アセスメント・家族・高齢者およびコミュニティを取り上げる。研究として重要なことは、研究目的を明確にすることである。それにより何をどのように達成するかという研究方法が自ずと絞られてくる。臨床心理学研究の特徴として、クライエントの利益を優先すること、プライバシーや倫理的な問題を常に念頭におくことを十分理解しておくことがあげられる。
担当講師: 齋藤 高雅 (帝京大学教授、放送大学名誉教授)
第2回 研究の基礎 -研究のプロセス
臨床現場で問題を感じ、その問題意識を研究として遂行していく研究のプロセスについて概説する。文献検索、文献レビュー、対象・方法の選定、特に研究計画の立案、作成などについて述べる。
担当講師: 齋藤 高雅 (帝京大学教授、放送大学名誉教授)
第3回 研究法①  質的研究法 
近年、研究対象の現象の背後にある重要な鍵概念を抽出したり、現象の構造的特徴を記述できるモデルや仮説を構築することに主眼をおいた「質的研究」への関心が高まっている。「質的研究」の方法論上の特徴を研究例を通して概説する。
担当講師: 名取 琢自 (京都文教大学教授)
第4回 研究法②  量的研究法-調査法
量的研究とは、単に数字を用いて記述し統計的に検定するものではない。現象の背後にある‘真実’に迫るための種々の取り組みに、普遍性や実証性を与えようとする手続きである。そのため量的研究においても、数字では示されない事象にも関心を持ち、時にその考察も行う。ここでは、量的研究の一例として、質問紙を用いた調査法による研究を取り上げ概説する。
担当講師: 元永 拓郎 (帝京大学大学院教授)
第5回 研究法③  面接法・観察法
面接法、観察法による研究法を概説する。面接、あるいは観察することによってどのように臨床的な資料を収集することが可能であり、どのような研究があるのかについて概説する。
担当講師: 齋藤 高雅 (帝京大学教授、放送大学名誉教授)
第6回 研究法④  投映法(投影法)
投映法の特徴を、質問紙法や面接法など他の方法と比較しながら説明し、その意義について考察する。代表的な投映法を用いた研究(ロールシャッハ法と描画法など)、また投映法自体に関する研究について紹介する。
担当講師: 小川 俊樹 (放送大学教授)
第7回 研究法⑤  実験法
臨床心理学においても、実験による研究は重要である。実験研究を実施する際の基本概念(実験群・統制群など)についても説明する。
担当講師: 小川 俊樹 (放送大学教授)
第8回 研究法⑥  事例研究法
事例研究法は臨床心理学において最も重要な研究法の1つである。本講では、知識伝達と技術習得のちがい、概念的知識と手続き的知識のちがいに注目しながら、臨床の場において人間を統合的にとらえる実践的方法として洗練されてきたこの事例研究法の意義と限界について検討したい。
担当講師: 名取 琢自 (京都文教大学教授)
第9回 研究法⑦ 評価(効果)研究
心理療法の効果を明らかにすることは、臨床心理学にとって重要な課題の一つである。心理療法の効果研究、メタ分析について概説するとともに、心理療法も含めたより包括的な心理学的支援について、プログラム評価の観点から評価研究を論じる。
担当講師: 元永 拓郎 (帝京大学大学院教授)
第10回 領域と研究法①  心理療法
心理療法における研究のトピックスとして、治療の場における治療構造の問題、見立てにおける異常心理学の役割、セラピスト-クライエント関係、プロセス研究、スーパービジョン・教育、などについて概説する。
担当講師: 齋藤 高雅 (帝京大学教授、放送大学名誉教授)
第11回 領域と研究法②  アセスメント
臨床心理学におけるアセスメントについて説明し、その必要性を述べる。アセスメントの諸方法を紹介したうえで、それらの信頼性・妥当性について考える
担当講師: 小川 俊樹 (放送大学教授)
第12回 領域と研究法③  家族研究
本格的高齢社会の到来とともに,高齢者と家族をめぐる様々な問題が起こっている。特に,介護ストレスや虐待など,高齢者を介護する家族の心理的ストレスをめぐる問題は大きな社会問題となっている。こうした現状を鑑み,本章のねらいは,要介護高齢者と家族介護をめぐる諸問題に関する臨床心理学研究の現状と課題について考える。
担当講師: 松田 修  (東京学芸大学准教授)
第13回 領域と研究法④  高齢者研究
 本格的高齢社会の到来に伴い,高齢者の心の健康とその支援に関する臨床心理学的研究の重要性が高まっている。しかしながら,臨床心理学における高齢者研究は,いまだ十分とはいえず,取組みねばならない研究課題は依然として多い。こうした現状を踏まえ,本章では高齢者を取り巻く臨床心理学研究の現状と課題について考える。
担当講師: 松田 修 (東京学芸大学准教授)
第14回 領域と研究法⑤  コミュニティ・アプローチ
近年、学校や地域社会における心の問題が社会的に関心を集めている。臨床心理学はこの領域に様々な接近を試みている。実際にそのコミュニティに介入し、その実践活動と並行して研究を行う場合もある。それらの接近法から明らかにされる諸側面を概説する
担当講師: 元永 拓郎 (帝京大学大学院教授)
第15回 臨床心理学研究の倫理 -まとめにかえて
臨床心理学研究法のまとめとして、倫理問題について述べる。臨床心理学研究の難しさは、しばしばクライエントのプライバシーや利益など研究において二律背反性に直面することがあげられる。これらの点について考える。
担当講師: 齋藤 高雅 (帝京大学教授、放送大学名誉教授)

放送メディア:

ラジオ

放送時間:


2017年度 [第1学期] (木曜)
0時00分〜0時45分
2016年度 [第2学期] (月曜)
16時00分〜16時45分

単位認定試験 試験日・時限:

2017年度 [第1学期]
2017年7月21日 (金曜)
4時限 (13時15分~14時05分)

単位認定試験 試験日・時限:

2016年度 [第2学期]
2017年1月21日 (土曜)
3時限 (11時35分~12時25分)

開設年度:

2012年度

科目区分:

大学院科目

科目コード:

8950547

単位数:

2単位
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