臨床心理面接特論(’13)

主任講師: 大場 登、小野 けい子

実際の心理臨床の現場で臨床心理学的面接、ないし、心理療法を行ってゆくにあたって、臨床心理士にとって、もっとも基本となる姿勢・留意点、そして、心理療法技法論の基礎について体系的に学習することを目的とする。 検討中リストに追加

各回のテーマと放送内容

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第1回 はじめに : 心理療法とは?
「心理療法とは一体どのようなものであるのだろうか?」 本科目30章を通して学ぶことになるが、第1章では、その基本について検討してみることにしたい。
担当講師: 大場 登 (放送大学教授) 小野 けい子 (放送大学教授)
第2回 耳を傾ける
悩みや問題をもって来談した方に、忠告や説得をしても、それが効を奏するのは、よほど問題の軽い場合である。心理療法において、サイコセラピスト(以下セラピストと略)は、クライアントの話にまず耳を傾け、そこに示される感情を受け入れてゆく。
担当講師: 小野 けい子 (放送大学教授)
第3回 心理療法の器(1)
「器」に保護される中で、心理療法のプロセスは初めて進行する。セラピストの守秘義務から始まって、面接時間・面接室・面接頻度・料金といった、いわゆる「面接構造」について述べ、立場の相違による「器」の個性についても論じる。
担当講師: 小野 けい子 (放送大学教授)
第4回 心理療法の器(2)
「器」に保護される中で、心理療法のプロセスは初めて進行する。セラピスト自身もまた、心理的変容過程を守り保護する「心理療法の器」であるということができる。前章で述べた面接室、面接時間等に続き、本性では,「心理療法の器としてのセラピスト」について述べる。
担当講師: 小野 けい子 (放送大学教授)
第5回 トピックス : 心理臨床の現場から -①児童相談所+児童養護施設
本講義では、トピックスとして、様々の心理臨床現場での実際の心理療法、個々の現場固有の特徴・経験・感動・困難さについても紹介してゆくことにしている。第1回の今回は、印刷教材では児童相談所における臨床心理士の仕事を、そして、放送授業ではゲストをお招きして、児童養護施設における臨床心理士の業務を紹介してみることにしたい。
担当講師: 大場 登 (放送大学教授) ゲスト : 菅原 惠(児童養護施設錦華学院臨床心理士)
第6回 初回面接
「初回面接」はその後の長い心理療法の第一歩である。クライアントにとっても、このセラピストとやってゆくことができるかどうかを見極める機会であると同時に、もちろん、セラピストにとってもクライアントを「見立て」、そして、心理療法を引き受けることにするか否かを決定する大切な面接である。
担当講師: 大場 登 (放送大学教授) ゲスト : 川戸 圓(大阪府立大学名誉教授、ユング派分析家)
第7回 心理療法とアセスメント(1) -成人の場合 
心理アセスメントは心理療法を開始するにあたって必要不可欠である。アセスメントが確実になされることが、その後の心理療法にとっての基盤となる。
担当講師: 小川 俊樹 (放送大学教授)
第8回 心理療法とアセスメント(2) -子どもの場合 
何らかの困難を抱えた子どもに必要な援助を提供していくためには、アセスメントが欠かせない。子ども本人への面接や心理検査、行動観察を行うとともに、保護者からも情報を得て、多方面から総合的にアセスメントをする。また幼少の子どもの場合は、遊びを通してアセスメントを行うこともある。
担当講師: 小林 真理子 (放送大学准教授) 
第9回 連携と協働
医療機関で心理療法を行う場合に限らず、医師を始めとする他職種との「連携と協働」は一つの大きなテーマである。心理臨床の場には、様々な領域があり、それぞれの領域の場を基点に連携と協働がなされている。本章では、医療機関及び学校領域、特に学生相談における連携と協働について、その重要性と留意点について述べる。
担当講師: 齋藤 高雅 (帝京大学教授、放送大学名誉教授)
第10回 トピックス : 心理臨床の現場から -②医療機関
医療機関における臨床心理士の業務について、大学病院神経精神科・心療内科と、大学病院に附属する「こどものこころクリニック」における臨床心理士の業務を学ぶとともに、放送授業では実際の現場の臨床心理士をゲストにお迎えしてインタヴューを行う。
担当講師: 小野 けい子 (放送大学教授) ゲスト : 庄野 伸幸(埼玉医科大学助手)、山中 康裕(京都大学名誉教授)
第11回 セラピストによる「読み」
クライアントの姿・語ること・症状に「耳を傾け」ることがセラピストのひとつの決定的に大きな仕事だとすると、もう一方で、クライアントの語ること・症状・問題・内的イメージから、そして、クライアントと出会っている際にセラピストが抱く印象や気持ちから、クライアントのことを「読む」こともセラピストの重要な仕事であると言えるだろう。
担当講師: 大場 登 (放送大学教授) ゲスト : 森 さち子(慶応義塾大学准教授)
第12回 セラピストの「問いかけ」と「語りかけ」
第11章・第11回に学んだ「読み」に基づいて、今度は、クライアントの反応を慎重に見守りつつも、クライアントに「問いかけ」「語りかけ」をしてゆくこともセラピストにとってとても大切な仕事と言えるであろう。
担当講師: 大場 登 (放送大学教授) ゲスト : 森 さち子(慶応義塾大学准教授)
第13回 セラピストとクライアントの関係性(1)
心理療法という営みは、基本的にはセラピストとクライアントの間で生起する。セラピストとクライアントの関係性について、今回は、特にクライアントが、セラピストに向ける気持ち・感情について取り上げる。
担当講師: 小野 けい子 (放送大学教授)
第14回 セラピストとクライアントの関係性(2)
今回も心理療法におけるセラピストとクライアントの関係性について論じるが、今回は、クライアントとの関係において、セラピストの側が経験する気持ち・感情について取り上げる。
担当講師: 小野 けい子 (放送大学教授)
第15回 トピックス : 心理臨床の現場から -③緩和ケア
「緩和ケア」における臨床心理士の仕事とはどのようなものであるのだろうか?がん医療の現状や緩和ケアについて説明し、臨床心理士の役割について考える。放送授業では、現場の臨床心理士をお迎えしてインタヴューを行う中で、「緩和ケア」における臨床心理士の業務、関わりの視点や特徴について検討してみたい。
担当講師: 小林 真理子 (放送大学准教授) ゲスト : 井上 実穂(国立病院機構四国がんセンター臨床心理士)
第16回 意識と無意識
心理療法に携わる中で、人間の心には、意識している部分の他に、無意識の領域が存在すると仮定したほうが理解しやすいという経験に遭遇する。治療論的にも、意識の統制力をやや弱めることによって、内面的なものに向かい、自己治癒力を活性化する方法がとられることについて論じる。
担当講師: 小野 けい子 (放送大学教授)
第17回 箱庭療法
内面的なものを言語に頼らず自由に表現する方法として、描画法、遊戯法などがあるが、ここでは箱庭療法を取り上げて、この方法を紹介するとともに、箱庭の中で自己表現をすることによる自己治癒力の働きについても論じる。
担当講師: 小野 けい子 (放送大学教授)
第18回 家族面接
心理療法においては、様々な問題を顕在化しておられる本人ではなく、そのご家族が面接にみえることも多い。また、本人とご家族両方への面接が求められることも多い。それらをどう考え、どうすれば良いのかについて取り上げる。
担当講師: 小野 けい子 (放送大学教授)
第19回 若者たちと心理療法
思春期~青年期にあたる若者たち特有の心性と、いくつかの臨床現場でのセラピストとのやり取りを中心に論じていきたいと思う。思春期~青年期と出会う臨床現場での実際を織り込む。
担当講師: 佐藤 仁美 (放送大学准教授)
第20回 トピックス : 心理臨床の現場から -④犯罪被害者支援
「犯罪被害者支援」の立場で警察という職場で活動をしておられる臨床心理士の業務、犯罪被害者の心理について学ぶとともに、放送授業では、実際の現場の臨床心理士をゲストにお迎えして、インタヴューを行う。
担当講師: 小野 けい子 (放送大学教授) ゲスト : 上田 鼓(警察庁犯罪被害者支援室職員、臨床心理士)
第21回 夢と癒し
古代ギリシャで、人々が心身の病に見舞われると、人々はアスクレピオス医神の神殿を訪ねた。斎戒沐浴の後、彼らは神殿最奥の小部屋で眠り、「癒しの夢」の訪れを待った。日本の古代・中世においても、人生の困難や病に出会った人々は、「貴船」や「石山」に詣でたり、「観音」さんに籠って、「癒しの夢」の到来を待った。
担当講師: 大場 登 (放送大学教授)
第22回 心理療法と夢(1)
古代ギリシャ・アスクレピオス神殿で当時の人々が夢による癒しを求めた営みはインキュベーションと呼ばれるが、Meier,C.A.によれば「このインキュベーションが2000年の眠りを経てFreud,S.の診察室・自由連想のカウチで復活した」と言われる。
担当講師: 大場 登 (放送大学教授)
第23回 心理療法と夢(2)
たしかに心理療法で、我々がクライアントの話に耳を傾けていると、「そう言えば今朝こんな夢を見ました」と報告されることが多い。「耳を傾ける」とは、この意味で、「心の最奥からの声」あるいは、「人間の意識を超えた領域からの声」に対してのことでもあるのかもしれない。
担当講師: 大場 登 (放送大学教授)
第24回 心理療法とコンステレーション(布置)
心理療法の面接でクライアントの語ることを注意深く聴いていると、クライアントの内界で問題となっているテーマと見事に対応する外界の出来事が、クライアントの周囲で生じていることをよく経験する。だからこそ、一見「外的・日常的」だけと思われるクライアントの経験にも我々は、大きな関心を寄せて傾聴することができるとも言えよう。
担当講師: 小野 けい子 (放送大学教授)
第25回 トピックス : 心理臨床の現場から -⑤HIVカウンセリング
今回のトピックスでは、いわゆるHIVカウンセリングにあたっている心理臨床の現場を紹介したい。HIV心理臨床の実際・チーム医療・仕事の困難さ・セクシュアリティ・日頃感じていること・いわゆるHIV感染者の方々やエイズ患者の方々との出会いを通して考えさせられたことなどが紹介される。
担当講師: 大場 登 (放送大学教授) ゲスト : 安尾 利彦(国立病院機構大阪医療センター臨床心理士)
第26回 困難な事例との出会い
心理療法の営みを続けていると、セラピストは、必ずといってよいほど圧倒的な難しさ・無力感・不安を感ぜざるを得ないようなクライアントに出会うものである。人間の心の闇は恐ろしい程に圧倒的で、且つ深いものである。印刷教材・放送授業を通して、この「難しい」テーマと正面から向き合ってみることとしたい。
担当講師: 大場 登 (放送大学教授) ゲスト : 川戸 圓(大阪府立大学名誉教授、ユング派分析家)
第27回 心理療法の面接と記録
心理療法の面接は、なぜ記録に残さなければならないのだろうか。 「面接記録」は何時(いつ)書くのだろうか? 「面接記録」はどのように「保管」するのだろうか? そして、そもそも面接記録には、一体どのようなことを、どの程度書いたらよいのだろうか。
担当講師: 大場 登 (放送大学教授)
第28回 スーパーヴィジョン
心理臨床の研修にとって不可欠な体験として、スーパーヴィジョンがある。個人スーパーヴィジョンとグループスーパーヴィジョンの比較、スーパーヴァイザーの選び方や、スーパーヴィジョンの料金、期間について。さらに個人分析との異同についても述べる。
担当講師: 小野 けい子 (放送大学教授) ゲスト : 山中 康裕(京都大学名誉教授)
第29回 ⑥心理療法機関
臨床心理士が企画運営する心理療法機関を紹介し、臨床心理士をゲストに迎えてインタヴューを行う。開業心理臨床とも言われるこの分野では、臨床心理士に自由度が高くある一方、責任という面での重さも並々ならぬものがあると言えよう。
担当講師: 大場 登 (放送大学教授) ゲスト : 桑村 かすみ(山王教育研究所臨床心理士)
第30回 おわりに : 講師からのメッセージ
30回にわたる授業の最後は、今後さらに心理臨床の勉強を続け、将来的に心理臨床領域において臨床心理士として仕事をしてゆこうとする受講生に向けた主任講師からのメッセージとなる。
担当講師: 大場 登 (放送大学教授)  小野 けい子 (放送大学教授)

放送メディア:

ラジオ

放送時間:


2017年度 [第1学期] (日曜)
18時15分〜19時00分
2016年度 [第2学期] (木曜)
17時30分〜18時15分

単位認定試験 試験日・時限:

2017年度 [第1学期]
2017年7月21日 (金曜)
5時限 (14時25分~15時15分)

単位認定試験 試験日・時限:

2016年度 [第2学期]
2017年1月21日 (土曜)
4時限 (13時15分~14時05分)

開設年度:

2013年度

科目区分:

大学院科目

科目コード:

8950555

単位数:

4単位
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