現代生物科学(’14)

主任講師: 松本 忠夫、二河 成男

「生物多様性」および「生物界の階層性」そして「生物進化」を基本にすえて、現代生物学を大学院修士レベルで理解させる。また、生物的自然と人間との関係における「環境問題」を題材にして理解させる。 検討中リストに追加

各回のテーマと放送内容

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第1回 生物多様性とは
今日の生物の多様性が生じた理由は実にさまざまであるが、特に大きな理由として無機環境への適応性、生活資源の獲得力、そして生物間の相互作用がある。ここでは、生物多様性の階層性を、生物の進化との関係で説明する。また、生物を分類するとはどのようなことかを説明する。さらに、多様性の基盤となる生物が獲得するエネルギーおよび物質について述べる。
担当講師: 松本 忠夫 (放送大学客員教授)
第2回 生命分子が創出する生物多様性
生物を構成する有機物は、糖、脂肪酸、アミノ酸、ヌクレオチドなど、ごく限られた種類の小さな構造物からなる。これらの構造物は巨大分子のサブユニットであり、同じ種類のサブユニットが多数結合して、多糖や脂肪、タンパク質、核酸等の巨大な分子となり、細胞内で様々な機能を示す。ここでは、生物体を構成する巨大分子の基本構造、機能、その細胞内での合成機構について学ぶ。
担当講師: 二河 成男 (放送大学教授)
第3回 細胞レベルで見た生物多様性
細胞は自身の持つ遺伝情報を利用して、機能を発現している。ヒトの細胞では、全く同じ遺伝情報を持つにも関わらず、200種類以上の異なる細胞へと分化している。これら細胞の機能の違いは、発現している遺伝子の違いに大きく依存している。細胞の基本的な特徴と、多様な細胞を生み出す基盤となる遺伝子発現調節のしくみについて学ぶ。
担当講師: 二河 成男 (放送大学教授)
第4回 多様な微生物の世界
遺伝子情報解読の技術革新により、これまでの技術で培養や同定の困難であった微生物を、遺伝子の塩基配列情報を利用して、同定できるようになった。その結果、極めて多様な微生物が、様々な地球環境中に存在することが明らかになった。ここでは、細菌や古細菌のあらたな検出方法、生物種の多様性、生態的特性について学ぶ。
担当講師: 二河 成男 (放送大学教授)
第5回 植物の多様な繁殖様式
植物では、動物とは個体性が大きく異なり、動物にはみられない多様な性表現が存在する。ここでは、被子植物にみられる性表現と受粉様式の進化を解説するとともに、それには動物の影響が大きかったことを紹介する。また、植物が動物からの摂食に耐えるためのさまざまな適応戦略を説明する。
担当講師: 大原 雅 (北海道大学教授) 
第6回 植物の個体発生と環境適応
植物は固着生物なので、環境に対して柔軟に適応する能力が進化の過程で発達した。中でも植物の生活を支えている光合成に関しては、環境適応が必須のため、光合成器官である葉の発生は、外界の環境に適応して実に大きな可塑性を発揮する。葉の発生の可塑性と生態環境への適応との関係について、発生を制御する遺伝子の働きも含めて、現在の理解を紹介する
担当講師: 大原 雅 (北海道大学教授) 
第7回 動物の多様な繁殖様式
通常の動物は雌雄の性があり、それらが出す配偶子によって有性生殖を行うが、中には性を必要としない単為生殖、多胚生殖、幼形生殖などを行うものがいる。また、親による子の保護様式と関係して、卵生、卵胎生、胎生などが見られる。そして哺乳類では雌親による妊娠、授乳が発達している。本章では、このように多様な動物の繁殖様式を説明する。
担当講師: 松本 忠夫 (放送大学客員教授)
第8回 動物個体の発生と環境適応
動物の中には、発生・発育過程において環境の影響を受けて、その形態や性質が大きく変化するものたちがいる。生存のための環境適応と解釈される。また、繁殖における戦略として性転換をする魚類、さらには昆虫類の環境適応としての多型現象にもふれる。そして、そのような多様な形態や性質をもたらす進化的要因および体内メカニズムについて説明する。
担当講師: 三浦 徹 (北海道大学准教授)
第9回 動物の多様な社会
動物社会がいかにして成立しているのかについて、特に環境との関連で説明する。真社会性生物は、集団の中に少数の生殖者そして多数のワーカーや兵隊など非生殖者といったカースト分化が見られることを特徴としている。ここではカースト分化がもたらされた進化的要因およびカースト分化の分子生物学的メカニズムについておもにシロアリを例にして説明する。
担当講師: 三浦 徹 (北海道大学准教授)
第10回 植物群落の動態
大地に固着した植物は同種および異種個体が群落を形成するが、その特徴を説明する。植物群落が時間経過とともに変化して行く様相を遷移というが、それがなぜ起こるかについて解説する。さらに、植物遷移の知見の応用例として、生態系の再生について説明する。
担当講師: 大原 雅 (北海道大学教授)
第11回 動植物と微生物との共生関係
共生とは異種の生物が一緒に暮らしている現象をいう。特に他の生物体内に別の生物が入り込んでいる場合は、内部共生といい、その生物間相互作用は興味深いものが多い。ここでは植物や動物と微生物の間の共生を例にとり、共生関係にある生物間の利害関係と、異種生物からの新規な生物機能の獲得について学ぶ。
担当講師: 二河 成男 (放送大学教授)
第12回 動物群集の多様性と、人類による生物相の攪乱
動物は摂食、繁殖、防衛などのさまざま行動することで、生態系の中で多様な位置を占めている。動物間の食う食われる関係は、食物連鎖とそして食物網を形成し、その中に位置する個々の動物は、厳しい生存競争の中で次第に進化して多様化した。島嶼や、環境のモザイク性で隔離された地域では生物相の固有化が進む。人類は生物相が固有化した地域へ動物を移動させたが、その結果、在来の生物相に大きな影響が生じた。
担当講師: 松本 忠夫 (放送大学客員教授)
第13回 ランドスケープの構造と生物多様性
生物の生息・生育の有無や程度は、個々の場所における条件だけでは決まらない。その場所を取り巻く空間のあり方にも影響を受ける。ここでは、ランドスケープ・エコロジーの観点に基づく空間のとらえ方について紹介し、どのような性質を備えた空間が生物の生息地として適しているかを、最近の研究成果に基づいて解説する。

担当講師: 加藤 和弘 (放送大学教授)
第14回 生物群集の種多様性と種組成の分析の方法
生物多様性の保全を行う際には、生物多様性と生息環境との関係を明らかにすることが重要である。ここでは、生物の種多様性を評価する手法を紹介するとともに、生物の種組成のデータから種組成の変化のパターンを抽出し、種組成の変化に関与する環境条件や人間活動を明らかにするための分析について解説する。

担当講師: 加藤 和弘 (放送大学教授)
第15回 生物多様性と人類の存続
現在の地球における生態系の多様性、種の多様性、遺伝子の多様性に対しての人為の影響はたいへん大きい。そして、近代では非常に多数の生物が絶滅し、現在も絶滅の危機に瀕している生物が多い。特に熱帯多雨林域における森林群集全体の喪失は、生物多様性を一気に著しく減少させてしまうので重大問題である。ここでは、そのような生物絶滅の様相を説明し、絶滅をくい止める方策について考える。生物多様性の価値についても改めて考える。人類は地球上の生物多様性を著しく阻害していることを説明する。
担当講師: 松本 忠夫 (放送大学客員教授)

放送メディア:

テレビ

放送時間:


2017年度 [第1学期] (金曜)
0時45分〜1時30分
2016年度 [第2学期] (火曜)
13時00分〜13時45分

単位認定試験 試験日・時限:

2017年度 [第1学期]
2017年7月21日 (金曜)
4時限 (13時15分~14時05分)

単位認定試験 試験日・時限:

2016年度 [第2学期]
2017年1月21日 (土曜)
3時限 (11時35分~12時25分)

開設年度:

2014年度

科目区分:

大学院科目

科目コード:

8960585

単位数:

2単位
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