物質環境科学(’14)

主任講師: 濱田 嘉昭、花岡 文雄

化学的な観点からの物質理解および環境問題や生命・健康にかかわる課題を明らかにし、現代科学の到達点と将来予測を示し、さまざまな状況に基づく課題解決への指針を与えることを目標とする。 検討中リストに追加

各回のテーマと放送内容

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第1回 物質の循環と移動
講義を始めるにあたり、環境の定義を確認しておく。環境は周辺との相互作用で捉えることが重要である。また、自然現象を大きな空間・時間スケールで考えることの重要性を指摘する。地球上での自然現象に深く関係する物質循環について、水、炭素、窒素を例にして考える。
担当講師: 濱田 嘉昭 (放送大学名誉教授) 花岡 文雄 (筑波大学生命領域学際研究センター長)
第2回 地球の成り立ちと運動
地球は太陽系の一員であり、太陽から膨大なエネルギーを受け取っている。また、太陽磁場により、さらに外側の宇宙空間からの放射線の暴露から守られている。大地は活発な活動をしている。これらは、空間的・時間的に大きなスケールで地球の自然環境を規定していることを学ぶ。
担当講師: 濱田 嘉昭 (放送大学名誉教授)
第3回 大気と海洋
生物が生活する空間は大気と海洋、および土壌である。そこでの大きな自然現象と言えば、大気と海洋の運動であろう。これらについての概略を理解しておくことは、この講義の後半のより詳細あるいは個別の理解にも役立つであろう。
担当講師: 濱田 嘉昭 (放送大学名誉教授)
第4回 生態系の基盤となる植生
生物は、地球上と水中の約20 kmの生物圏に生息・生育している。生物圏を支えているのは光合成を行う植物・植生であり、ひいては人間環境の基盤にもなっている。さらに自然環境と植生の相互作用を理解し、植生が地上の環境を総合的に指標していることを学ぶ。環境の一要因でもある人間と植生とのかかわりと、人間にとっての植生が持つ機能や生態系サービスを理解する。
担当講師: 藤原 一繪 (横浜国立大学名誉教授)
第5回 地上の生物を支える土壌動物
人類は宇宙空間にまで進出したが、足元数センチメートルの世界については、ほとんど理解していない。そこは植物・植生を育てる基盤であり、ほとんどは未知の微生物や土壌動物が住む空間である。そして、地上の生物は知らずして土壌中の生物との相互作用によって生きている。この未知の世界がどこまで理解できているかを学ぶことにする。
担当講師: 藤原 一繪 (横浜国立大学名誉教授) ゲスト : 青木 淳一 (横浜国立大学名誉教授)
第6回 分析で何がわかるのか
物質環境科学の基礎は、環境因子を物質レベルで理解することから始まる。地球環境保全には、環境因子の挙動を精査し、生態系への影響評価が不可欠であるが、これを可能とするのが物質の定性と定量である。試料を分析して得られる分析値は、試料に隠されている情報を反映する客観的な物差しとなる。ここでは、どのような分析法を用いれば、どのような情報が得られるのかについて学ぶ。
担当講師: 中村 洋 (東京理科大学薬学部嘱託教授)
第7回 分析によって見える地球環境
46億年という長い地球の歴史の中で生物が生まれ、環境に順応しながら様々な生物種が進化してきた。長い時間をかけて作られた地球環境の乱れが環境汚染であり、火山噴火、落雷による山林火災などの自然災害を除けば、その大部分は産業革命以降の人類の活動に起因する。大気、土壌、水を汚染する代表的な化学物質を取り挙げ、それらの分析法と汚染の実態を学習する。
担当講師: 中村 洋 (東京理科大学薬学部嘱託教授)
第8回 環境と遺伝子変化
生物が種を存続するためには、その遺伝子は安定に保たれなければならない。しかし一方では、様々な環境の変化に対応して遺伝子を変化させることが種を維持するために必須である。このバランスをうまくとることの出来た生物が現在、この地球上に繁栄している。環境によって遺伝子がどう変化するか、そして進化はどのように起こるのかを学ぶ。
担当講師: 花岡 文雄 (筑波大学生命領域学際研究センター長)
第9回 遺伝子損傷の修復
遺伝子DNAは、様々な外的な要因および内的な要因によって常に損傷というべき変化を受けている。遺伝子の損傷は、複製や転写を阻害し、その結果、細胞死や突然変異をもたらし、老化やがん化の原因となる。生物はそうしたことを避けるため、DNAの損傷を修復する様々な機構を進化の過程で獲得した。
担当講師: 花岡 文雄 (筑波大学生命領域学際研究センター長)
第10回 環境と化学物質
我々の身の回りには膨大な種類の化学物質が存在している。あるものは天然に存在するものを人類が見つけ、またあるものは人類が何らかの方法で作り出したものである。そしてそれらは医薬品、農薬、食品添加物、工業用材料など、様々な形で人類に役立っている。それらはまた「毒」にもなりうる。
担当講師: 花岡 文雄 (筑波大学生命領域学際研究センター長)
第11回 紫外線と健康
昔から一定程度の太陽紫外線を浴びることは健康上よいことだと考えられてきた。それは骨の形成に重要なビタミンD3を皮膚で作るために紫外線が有用だからである。しかし紫外線は皮膚細胞DNAに損傷を起こし、皮膚がんを誘発する。したがってそのバランスに留意しなければならない。
担当講師: 花岡 文雄 (筑波大学生命領域学際研究センター長)
第12回 放射線の生物影響
人類は、自然放射線、人工放射線いずれの恩恵にも浴してきた。しかし、原発事故などが起こると健康影響が最大の懸念となり、大きな社会問題となる。放射線によって生体分子に化学変化(損傷)が生じると、細胞の死や突然変異誘発を誘発し、最終的には、組織・臓器の障害やがん化などを起こす可能性がある。これらの過程を抑制する仕組みについても学び、生物影響の理解を深める。
担当講師: 谷田貝 文夫 (早稲田大学理工学術院非常勤講師)
第13回 活性酸素と健康影響
地球上の生物は、ほとんどすべてが酸素を利用してエネルギーを得ており、その副産物として活性酸素が生じる。活性酸素は極めて反応性の高い分子で、DNAに対して酸化的損傷を与える。その結果、突然変異を起こし、老化や発がんをもたらす。生物はこのような生体影響を軽減するためのいくつかの仕組みを獲得し、進化してきた。酸化的損傷の生成やその影響を軽減する仕組みについて学ぶ。
担当講師: 谷田貝 文夫 (早稲田大学理工学術院非常勤講師)
第14回 宇宙環境の健康影響
地球環境の問題やエネルギー問題を解決するための一つの方策として、太陽発電衛星の建設が検討されている。このように、人類が宇宙に進出する機会が増え、宇宙に滞在する期間も長くなることが予想される。宇宙で安全に生活するには、微小重力環境による骨密度の減少、筋力の低下、さらには、宇宙放射線による被ばくなど対処すべき問題が多い。これらの問題について考察する。
担当講師: 谷田貝 文夫 (早稲田大学理工学術院非常勤講師)
第15回 持続可能な自然環境の構築に向けて
今や狭くなった地球上で、これからも持続的に人類と他の生物が共存していくためには何が未解決の問題かを考えたい。多くの場合、物質的な対応をするための基礎知識と技術は既に存在している場合が多い。むしろ問題は、人類の政治・経済・社会との関連であると思われる。そのためにも、いわゆる理系・文系の相互理解・交流が必要であり、異分野を理解できる教養がますます重要になっていることを指摘したい。
担当講師: 濱田 嘉昭 (放送大学名誉教授) 花岡 文雄 (筑波大学生命領域学際研究センター長)

放送メディア:

テレビ

放送時間:


2017年度 [第1学期] (日曜)
6時00分〜6時45分
2016年度 [第2学期] (火曜)
9時00分〜9時45分

単位認定試験 試験日・時限:

2017年度 [第1学期]
2017年7月22日 (土曜)
8時限 (17時55分~18時45分)

単位認定試験 試験日・時限:

2016年度 [第2学期]
2017年1月20日 (金曜)
7時限 (16時45分~17時35分)

開設年度:

2014年度

科目区分:

大学院科目

科目コード:

8960593

単位数:

2単位
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