宇宙・自然システムと人類(’14)

主任講師: 海部 宣男、杉山 直、佐々木 晶

私たちが生き、活動しているこの世界(自然)環境について、その本質と歴史、変化のしくみを物理学、天文学、地球惑星科学、環境生物学にもとづいて全体的・重層的に理解することが、本講義の第一の目標である。そうした宇宙・自然システムの科学的理解を基盤として、人類が活動する基盤である地球や、人類自身の活動がいまや脅かしつつある地球環境、 そして人類と文明の未来について、有効かつ長期的な視点をもって深く考えることのできる視座を獲得することが、本講義の第二の、そして最終の目標である。 検討中リストに追加

各回のテーマと放送内容

※テーマをクリックすると授業内容が表示されます。

第1回 人類環境と宇宙 【改訂回】 
本講義の総論である。20世紀中盤における環境概念の形成からはじめてその現代的な意味、そし地球と人類を生み出した宇宙環境などを概観し、さらに環境についての物理学的な考察も行って、講義全体の準備と展望を与える。
担当講師: 海部 宣男 (国立天文台名誉教授、放送大学客員教授) 
第2回 宇宙の環境とそこに存在するエネルギー 【改訂回】 
宇宙に存在するエネルギーの形態について解説する。ビッグバンのエネルギー、宇宙の巨大な構造が持っている重力のエネルギー、電磁波によって観測されるガスの熱エネルギー、さらには、星の生み出す核エネルギーまで、宇宙の多様な構造をエネルギーの面からシステムとして考察する。
担当講師: 杉山 直 (名古屋大学大学院教授) 
第3回 宇宙における物質生成 【改訂回】
ビッグバンにおける力の分離、そして反物質消滅について対称性の観点を中心に解説する。さらには宇宙での元素合成について解説し、我々を取り巻く物質世界がどのように構築されてきたのかについての物理学的理解を与える。
担当講師: 杉山 直 (名古屋大学大学院教授) 
第4回 恒星進化と物質・エネルギーの流れ
恒星進化論を概説し、恒星で起きる元素合成、化学反応とそれらの放出過程を踏まえながら、恒星活動による物質とエネルギーの転換、その銀河システムへの影響をまとめる。
担当講師: 有本 信雄  (国立天文台教授) 
第5回 超新星による銀河環境への影響 【改訂回】
超新星爆発について現在の理解の到達点をまとめ、超新星爆発が銀河の物質・エネルギー環境にどのような影響を及ぼしてきたかを考察する。特に、わが太陽系の形成において及ぼしたと考えられる影響(物質組成、トリガなど)にも触れる。
担当講師: 有本 信雄  (国立天文台教授) 
第6回 星間物質からの太陽系・地球環境の形成 【改訂回】 
恒星が生成した元素からの星間分子雲=暗黒星雲の誕生、星間分子雲からの太陽系と地球の形成の過程を概説する。いまや無数の恒星の大多数が惑星を持つことが明らかとなり、太陽系と地球の位置付けも大きく変わりつつある。これを踏まえ、生命環境を持つ太陽系外惑星の可能性について延べる。
担当講師: 海部 宣男 (国立天文台名誉教授、放送大学客員教授) 
第7回 太陽
太陽の表面活動、内部構造、さらには11年周期の起源などについて最新の観測からの知見を交えて解説し、地球へのエネルギー供給システムとしての太陽の理解を与え、その地球環境への影響についてまとめる。
担当講師: 櫻井 隆 (国立天文台教授) 
第8回 初期の地球のエネルギー
惑星のひとつとして形成された地球について、原始状態からのエネルギー史を概説する。また、太陽系のほかの惑星との簡略な比較、さらに考え得る「太陽系外地球型惑星」における仮想的エネルギー史と地球との比較を提示する。
担当講師: 佐々木 晶 (大阪大学大学院教授) 
第9回 地球・惑星の物質循環 【改訂回】
惑星のひとつとして形成された地球において始まったグローバルな物質循環とその変遷について概説する。それは過去どのように変わってきたか、現在はどのような状況にあるか。とくに、水や二酸化炭素の循環について、火星や金星と比較して概説する。生命活動が及ぼした影響(二酸化炭素の固定など)にも、詳細は第12章に譲るが触れておく。火星は過去には温暖で水が表面に存在したと考えられる。現在の火星は寒冷であるが、地下水の流出と考えられる現象が発見されている。
担当講師: 佐々木 晶 (大阪大学大学院教授) 
第10回 地球型惑星の環境のエネルギーバランス
金星、地球、火星の気候がどのようなエネルギーバランスで作られているのかを概説する。とくに温室効果、大気循環、気象現象の役割について比較惑星学視点で論じる。地球の気候の特殊性がどこにあるのかを理解する。
担当講師: 今村 剛 (宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所准教授)
第11回 生物関連元素の循環 -微生物との共進化-
過去35億年にわたる生命活動が地球環境をどう変えてきたか、可能な限り定量的かつ歴史的に考察・解説する。微生物による海洋の酸化還元状態の変化、光合成生物による酸素濃度増加、植物被覆による浸食の減少など、具体的な問題も挙げる。生命活動によるインパクトに対して地球の環境システムのバランスがどう変化し、またどう保たれてきたかについても触れる。
担当講師: 小池 勲夫  (東京大学名誉教授) 
第12回 天体の運動と気候変動
惑星運動との相互作用により、地球の軌道や自転軸の傾きが変化することで地球の受ける太陽放射がわずかに変化する。それにより大きな気候変動が生まれるメカニズムについて最近の知識を踏まえて概説する。長期的には、地球の物質循環が、二酸化炭素量の変動や、大陸の配置の変化を通じて、気候に大きな影響をもたらす。過去の気候変動の証拠は、地球の南極氷床のコアサンプルや、火星の極冠に記録されている。火星では、過去に自転軸が大きく傾いたため気候が変動した。
担当講師: 佐々木 晶 (大阪大学大学院教授) 
第13回 地球の環境への生命活動・人間活動のインパクト 【改訂回】
人類の活動が地球環境に及ぼした影響を、可能な限り定量的・歴史的に考察する。人類活動は加速度的であり、地球の環境システムがバランスをとることは困難とされている事情、過去の生命活動によるインパクトとの違いについても触れる。
担当講師: 小池 勲夫  (東京大学名誉教授) 
第14回 文明と環境
文明活動が関わる物質とエネルギーの転換が環境システムに及ぼしている影響を受け、人類文明の影響下での環境システムの維持改善の試みや提案を概観するとともに、環境と開発の両立が可能かどうかという視点から、環境システムを再度考察する。
担当講師: 池内 了 (名古屋大学名誉教授)
第15回 宇宙史の中の地球・生命・人類・文明
本講義のまとめをかねて、138億年の宇宙史の中で準備され進んできた地球・生命・人類・文明の形成史を概観し、一方で進みつつある宇宙の生命の探査、さらに宇宙文明の科学的探索の試みと対比しつつ、宇宙の中での私たち人類文明の位置づけを探る。
担当講師: 海部 宣男 (国立天文台名誉教授、放送大学客員教授) 池内 了 (名古屋大学名誉教授)

放送メディア:

テレビ

放送時間:


2017年度 [第1学期] (土曜)
6時00分〜6時45分
2016年度 [第2学期] (月曜)
9時00分〜9時45分

単位認定試験 試験日・時限:

2017年度 [第1学期]
2017年7月22日 (土曜)
7時限 (16時45分~17時35分)

単位認定試験 試験日・時限:

2016年度 [第2学期]
2017年1月20日 (金曜)
6時限 (15時35分~16時25分)

開設年度:

2014年度

科目区分:

大学院科目

科目コード:

8960607

単位数:

2単位
このページの先頭へ