知的創造サイクルの法システム(’14)

主任講師: 児玉 晴男

本授業は、知的財産の創造・保護・活用の好循環のための広義の知的財産権法制を全体包括的な観点から理解することを目的とする。 検討中リストに追加

各回のテーマと放送内容

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第1回 知的創造保護の潮流
知的創造を保護する知的財産権法の枠組みは、19世紀末から3世紀をまたぐ国際条約(ベルヌ条約、パリ条約)に始まる。その国際条約は、いわゆる南北問題により閉塞状態となり、他方、経済摩擦やデジタル環境への対応等で新たな国際的な枠組みも形成されている。本講は、それらの経緯を踏まえて、知的創造保護の潮流について考える。
担当講師: 児玉 晴男 (放送大学教授)
第2回 知的創造保護に関する法システム
知的創造サイクルは、知的財産権の法体系の主要な著作権法と産業財産権法に関わる。それらは、1990年代の半ばまで二分されてきたが、相互に関連をもつに至っている。本講は、知的創造保護の潮流を踏まえて、知的財産基本法、知的財産権法制の著作権法、産業財産権法およびその他の法律ならびに不正競争防止法もしくは国際条約から知的創造サイクルに関わる法体系を考える。
担当講師: 児玉 晴男 (放送大学教授)
第3回 知的創造の始原
知的創造は、無から生まれるものではない。それは、知的財産権法制で直接に保護されない対象を活用してなされることがある。それらは、世界遺産、無形文化遺産および生物多様性などに求められる。本講は、遺伝資源、伝統的文化表現、伝統的知識および原産地表示と地理的表示について説明し、それら知的創造の始原と知的財産権法制との関わりについて考える。
担当講師: 児玉 晴男 (放送大学教授)
第4回 知的創造
知的創造は、オリジナリティが求められる。他方、そのオリジナリティは、模倣を伴うことがある。それを言い換えれば、オリジナリティと模倣の関係は芸術の基点となる。また、発見・発明に対するインスピレーション等によるとらえ方または先人の肩に乗ってちょっと先を見通すことによるとの見方がある。その観点から、本講は、芸術的創造と科学的発見との関連から知的創造について考える。それらの知的創造は、いずれにしても、先取権と先使用権と連結し、知的財産権法制へ展開する。
担当講師: 児玉 晴男 (放送大学教授)
第5回 知的創造の客体 創作物
知的財産権法制は、知的創造を保護する。その著作権法制における著作権創造の客体は、著作物とデジタルコンテンツになる。産業財産権法制における発明創造の客体は、発明、考案、意匠になる。本講は、著作物創造、発明創造、その他の知的創造の客体として、植物の新品種、半導体集積回路の回路配置、そして営業秘密を含め創作物について考える。
担当講師: 児玉 晴男 (放送大学教授)
第6回 知的創造に準ずる行為の客体 準創作物
知的財産権法制には、創作物だけでなく、創作物を伝達する行為も保護の対象にしている。その行為とは、無体物である創作物の伝達機能になる。本講は、著作物を伝達する行為、標識を付した商品・役務(サービス)を伝達する行為、原産地表示・地理的表示によって農林水産物を伝達する行為に着目して考える。
担当講師: 児玉 晴男 (放送大学教授)
第7回 知的創造の主体 創作者
知的創造の主体は、知的創造に直接的に寄与する者になる。それは、著作者、発明者・考案者・意匠の創作者、育成者、回路配置の創作者である。そして、営業秘密の保有者は、著作者、発明者・考案者・意匠の創作者、育成者、回路配置の創作者となりうる。本講は、知的創造の主体である創作者を、先取権または先使用権を有する者、すなわち創作時からとらえることにする。
担当講師: 児玉 晴男 (放送大学教授)
第8回 知的創造に準ずる行為の主体 準創作者
知的財産権法制の中では、創作性が関係することから、知的創造に準ずる行為の主体は、準創作者といえよう。その準創作者は、著作物を伝達する行為をなす者(著作隣接権者)と商品・サービスを伝達する行為による商標(標章)の使用者になろう。本講は、わが国では著作隣接権者とはされていない出版者と、まだ規定されていない自動公衆送信事業者も含め、準創作者について考える。
担当講師: 児玉 晴男 (放送大学教授)
第9回 知的創造の権利と関連権の構造
知的創造とそれに準ずる行為の権利の発生は、無方式主義と方式主義により分けられる。また、方式主義には、先願主義と先発明主義がある。無方式主義と方式主義の権利の発生の違いは、それぞれ著作権法および産業財産権法等に見ることができる。本講は、先取権と先使用権を起点にして、知的創造の権利と関連権の構造を人格的権利と経済的権利との関係から考える。
担当講師: 児玉 晴男 (放送大学教授)
第10回 知的創造の権利と関連権の帰属
知的財産権は、移転・譲渡できる。他方、創作者および一部の準創作者の人格的権利は、一身専属性により、移転することはできない。そして、著作権法、産業財産権法、種苗法、半導体集積回路配置法等において、人格的権利と経済的権利の帰属関係は異なっている。本講は、知的創造の権利と関連権における人格的権利と経済的権利の非対称的な帰属関係から考える。
担当講師: 児玉 晴男 (放送大学教授)
第11回 知的創造の権利と関連権の制限
知的創造とそれに準じる行為の活用の観点から、知的創造の権利と関連権の制限が規定されている。その知的創造の権利と関連権の使用の形態が異なることにより、著作権法と産業財産権法における権利の制限の態様は異なっている。本講は、著作権法と産業財産権法における権利の制限について考察し、知的財産のオープン化とそれによって想定される知的財産権法制の権利の制限について考える。
担当講師: 児玉 晴男 (放送大学教授)
第12回 知的創造の権利と関連権の範囲
知的創造の権利と関連権の帰属と制限は、領域的および時間的な関係からの知的創造の権利と関連権の及ぶ範囲を明確にする必要がある。それは、権利の及ぶ範囲、権利の始期と終期、そして有体物に化体した知的財産の権利の消尽になる。本講は、知的創造の権利と関連権に関して、保護の範囲の同一性と類似性、保護期間、保護期間内の権利の消尽について考える。
担当講師: 児玉 晴男 (放送大学教授)
第13回 知的創造の権利と関連権の管理
権利管理は、権利者の義務であるが、創作者が個人であるときは、困難な状況がある。その権利管理には、登録制度と信託制度がある。権利発生要件および第三者対抗要件の登録制度になり、著作権等管理事業および信託業法の信託制度になる。本講は、著作権等の管理と産業財産権の管理および知的財産権の管理について考える。
担当講師: 児玉 晴男 (放送大学教授)
第14回 知的創造の権利と関連権の不服申立てと訴訟
知的創造の権利と関連権の発生の態様は、著作権法と産業財産権法等とが異なる。方式主義をとる産業財産権法には、出願等の手続きに伴う行政処分に対する不服申立手続きがある。そして、訴訟による権利侵害に対する救済は、民事および刑事に分かれる。本講は、行政処分に対する不服申立ておよび権利侵害に対する民事的救済と刑事的救済について考える。
担当講師: 児玉 晴男 (放送大学教授)
第15回 知的創造サイクルの好循環システム
知的創造サイクルは、知的財産権法制の枠内では、創作物の同一性が保持された創作者の人格的権利と財産権のライフサイクルの関係になる。そのライフサイクルは、創作物(準創作物)と創作者(準創作者)の人格的権利と経済的権利が関与する。本講は、知的財産権法制のソフトロー的なオートポエティックな法システムの見方から、遺伝資源と伝統的文化表現および伝統的知識ならびに先取権と先使用権との接点から知的創造サイクルの好循環システムについて考える。
担当講師: 児玉 晴男 (放送大学教授)

放送メディア:

ラジオ

放送時間:


2017年度 [第1学期] (土曜)
0時00分〜0時45分
2016年度 [第2学期] (金曜)
10時30分〜11時15分

単位認定試験 試験日・時限:

2017年度 [第1学期]
2017年7月22日 (土曜)
5時限 (14時25分~15時15分)

単位認定試験 試験日・時限:

2016年度 [第2学期]
2017年1月20日 (金曜)
4時限 (13時15分~14時05分)

開設年度:

2014年度

科目区分:

大学院科目

科目コード:

8970076

単位数:

2単位
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