現代日本の教師 -仕事と役割-('15)
- 主任講師
- 油布 佐和子 (早稲田大学教授)
- 放送メディア
- ラジオ
- 放送時間(2018年度)
- 第1学期:(日曜)9時45分~10時30分
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講義概要
本科目は、教育職員免許法施行規則第六条第二欄「教職の意義等に関する科目」に該当し、教員免許を取得するために必要な科目であるが、これに係らず、広くわが国の教師の仕事と役割の実態を学びたいと思う人のために設定される。
一般に<教師>について学ぶときは、義務教育段階の教員を念頭に置くことが多いが、本科目では、幼稚園教諭、高校教師も含み、それぞれの学校種で、教師がどのような状況の下でどのような課題に取り組んでいるかを理解することに努める。とりわけ、社会の変化、教育改革により、学校や教師を取り巻く環境は大きく変化しており、これを踏まえて、現代社会での教育の役割(教師の役割)を考察し、教師という職業への理解と、動機づけに寄与することを目的とする。
※詳しくはシラバスへ
- 開設年度
- 2015年度 ※第2学期開設
- 科目区分
-
コース科目(心理と教育コース(専門科目))
〔2009年度~2015年度〕専門科目(心理と教育コース)
〔2008年度以前〕 専門科目(発達と教育専攻)
- 科目コード
- 1529129
- 単位数
- 2単位
- 単位認定試験
試験日・時限
- 2017年度 第2学期:2018年1月28日(日曜)8時限(17時55分~18時45分)
- 2018年度 第1学期:2018年8月4日(土曜)2時限(10時25分~11時15分)
- 単位認定試験
平均点
- (2016年度 第2学期)66.7点
- (2017年度 第1学期)69.1点
- 備考
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授業の目標
それぞれの学校種における教師の仕事と役割を理解する。
変容する社会と教育改革の中で、教師に課せられた期待と課題について、整理し検討して、今後どのような教師が求められるかについて、その要件を考える。
履修上の留意点
特になし。
シラバス
回 |
テーマ |
内容 |
執筆担当講師名 (所属・職名) |
放送担当講師名 (所属・職名) |
1 |
教師への道 |
どのような人が教師を志すのか、教員養成と免許制度、採用の実態などを検討する。
【キーワード】
大学における養成、開放制、免許主義、課程認定制度、教職大学院、免許更新制 |
油布 佐和子
(早稲田大学教授) |
油布 佐和子
(早稲田大学教授) |
2 |
幼児教育・保育と教師の仕事 |
幼児教育・保育の基本と、教師の仕事・役割について論じる。
【キーワード】
幼保の一体化、幼児教育と保育の基本、教師の仕事と役割 |
岩立 京子
(東京学芸大学教授) |
岩立 京子
(東京学芸大学教授) |
3 |
小学校教師の仕事 -日米比較から- |
日本の小学校教師の仕事の特徴や実態を、アメリカの教師の日常と比較しながら論じる。
【キーワード】
小学校教師の日米比較、生活教育、ケア労働、教職の女性化 |
佐久間 亜紀
(慶應義塾大学教授) |
佐久間 亜紀
(慶應義塾大学教授) |
4 |
中学校教師の仕事 |
教科指導だけにとどまらない仕事の実態や、思春期の生徒を理解し指導する課題について論じる。
【キーワード】
教科担任制、学級指導、カウンセリングマインド、部活指導、多忙化、同僚性 |
油布 佐和子
(早稲田大学教授) |
油布 佐和子
(早稲田大学教授) |
5 |
高校の多様化と教師 |
高校の多様化について説明し、それぞれの学校の特徴に応じた指導の課題について論じる。
【キーワード】
高校多様化、総合学科、単位制高校、進路指導、産業社会と人間 |
油布 佐和子
(早稲田大学教授) |
油布 佐和子
(早稲田大学教授) |
6 |
教師の服務・義務 |
教育公務員としての教師の問題事例をとりあげ、法的観点からその服務・義務について説明する。
【キーワード】
服務義務違反、懲戒・分限処分、判例 |
元兼 正浩
(九州大学教授) |
元兼 正浩
(九州大学教授) |
7 |
教育課題と教師
―幼児の教育・保育― |
転換期の幼児教育・保育の諸問題に対して、どのような取り組みがなされているかについて論じる。
【キーワード】
幼保一体化、学びや発達の連続性を踏まえた教育、幼保小接続、子育て支援、特別な配慮を要する幼児の教育 |
岩立 京子
(東京学芸大学教授) |
岩立 京子
(東京学芸大学教授) |
8 |
教育課題と教師
―いじめ、不登校、非行― |
いじめや不登校などの生徒指導上の問題について、どのような取り組みがなされているかについて論じる。
【キーワード】
社会の変容と学校文化、消費社会、情報化社会、ネットいじめ、青少年の閉塞感 |
油布 佐和子
(早稲田大学教授) |
油布 佐和子
(早稲田大学教授) |
9 |
教育課題と教師
―貧困、福祉と教育― |
低学力や不登校などが、家庭の教育力と不可分であることを検討し、福祉と教育の連携について論じる。
【キーワード】
要保護児童、貧困の連鎖、中途退学、社会的排除 |
油布 佐和子
(早稲田大学教授) |
油布 佐和子
(早稲田大学教授) |
10 |
保護者と教師 |
クレームの増加などに見られる保護者と教師の関係について検討する。保護者や地域からの信頼を構築するための危機管理の方法などについて論じる。
【キーワード】
信頼マネジメント、クライシスコミュニケーション |
元兼 正浩
(九州大学教授) |
元兼 正浩
(九州大学教授) |
11 |
教師の専門的力量とは |
教師の専門的力量とはなにか、またその力量がどのように議論されてきたかを検討する。
【キーワード】
教職の専門職性、実践的指導力、省察的思考 |
佐久間 亜紀
(慶應義塾大学教授) |
佐久間 亜紀
(慶應義塾大学教授) |
12 |
教育改革と教師
―評価の時代の教師― |
アカウンタビリティが求められる時代の評価の実態と、その課題について論じる。
【キーワード】
学校評価、コンプライアンス、鍋蓋型組織から帰納的組織へ、主幹制、PDCA、教員評価 |
油布 佐和子
(早稲田大学教授) |
油布 佐和子
(早稲田大学教授) |
13 |
教育改革と教師
―教師の労働環境に焦点を当てて― |
ストレスや病気休業に追い込まれる教師が増加しているが、教師の職場環境・学校組織や労働条件の変化はこれに対処できるかを考える。また、教師の身分保障等についても言及する。
【キーワード】
義務教育費国庫負担制度、公務員制度改革、教職員組合、教育公務員と労働権 |
油布 佐和子
(早稲田大学教授) |
油布 佐和子
(早稲田大学教授) |
14 |
教師の職場集団
―同僚性の形成― |
諸課題に対応するための、また、専門的成長を遂げるための基盤となる職場集団の問題、また、同僚性(チーム)の形成の課題などについて論じる。
【キーワード】
職場集団の機能、職員室の機能、校内研修、レッスンスタディ、チームとしての職場集団 |
油布 佐和子
(早稲田大学教授) |
油布 佐和子
(早稲田大学教授) |
15 |
学び続ける教師 |
中教審にも示された「学び続ける教師」とはなにか、研修の意義や実態に触れ、また、教師の成長や熟達について考える。
【キーワード】
専門職規準、教員スタンダード、暗黙知、プロフェッショナルディベロプメント |
油布 佐和子
(早稲田大学教授) |
油布 佐和子
(早稲田大学教授) |
 
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