─入学の動機を教えてください。
心理学を学びたくて入学しました。助産師として10年以上働くなかで、周産期(出産前後の時期)に心の問題を抱える妊婦さんや家族が増えてきているように感じていたからです。この時期は心身の変化が大きく、うつや育児不安、摂食障害などに陥る人が少なくありません。夫婦や親子といった家族の人間関係も原点にあるのではないかと感じ、「どうすれば助産師として支えていけるのだろう。心の問題をもっと学びたい」と強く思うようになったのです。
─なぜ、放送大学を選んだのですか?
日本看護協会の研修で放送大学を知ったのですが、職場にも放送大学を卒業した上司がおり、安心感がありました。決め手は、臨床心理士を目指せることです。教養学部の3年次に編入できたので、まずは認定心理士の資格を取ろうと、5年以内での卒業を目指しました。最初の学期に6、7科目も履修し、イッパイイッパイでしたが(笑)、このときがんばったおかげで後が楽になり、卒業に必要な64単位を2年半で修得できました。さらに深く学びたくなり、現在は大学院の修士課程で臨床心理を研究しています。
─5年の目標を2年半で達成とはすごいですね。どのようにして仕事と両立したのですか?
学部に在学中は当直勤務もしていたので、出勤前や休日に勉強しました。放送授業は録画が中心。ラジオの授業はパソコンで聞きました。インターネット配信が便利で助かりましたね。
家族の応援も心強く、高校受験を迎える長女と一緒に勉強したこともあります。下の子は中学生ですが、子どもたちはよき理解者で、「勉強があるんでしょ」と家事を手伝ってくれるんです。
今は、家族の行事にも配慮しつつ、休日に合間を見つけて、がんばりすぎない程度に勉強しています。
─これまでに学んだことは、どのように役立っていますか。
入学するまでは、現状に気づいても、自分に何ができるのか、どうすればいいのかが分かりませんでした。その糸口を見つけられたのが、学部での学びの成果です。人間関係や心の問題を知るための基礎を学び、妊婦さんやご家族が今どのような状態なのか、それはなぜかを考えられるようになりました。ただ、支えるには、まだまだ学びが必要です。現在、大学院で学んでいますが、「こうではないか」と一方的に考えて役に立とうとするのではなく、相手の気持ちや考えを聞いて理解する、“聞く力”をつけなればと痛感しています。
─今後の目標を教えてください。
まずは、大学院修士課程を最短2年で修了すること。将来は臨床心理士の資格取得を目指します。 今は、集中講義で仲間たちに会うのがすごく楽しみなんです。「心のケアに携わりたい」という同じ目標を持つ、さまざまな職業の人と一緒に学ぶことが楽しくて。先生や仲間から得る新たな視点は、私にとって財産です。仲間たちと励まし合いながら、将来は、妊婦さんやご家族をそばで支える、黒子の役割ができる人になりたいです。
働きながら勉強でき、学んだことを現場に生かせることは、すごくいいことだと思います。
ぜひ、興味のある科目、好きな科目から履修してみてください。
放送大学は、学べば学ぶほど楽しくなってきますよ!
仕事と両立するために、放送授業は録画やインターネット配信で視聴。
現在は日勤のみですが、教養学部在学中は夜間の当直勤務もあり、出勤前と休日を勉強時間に充てていました。
ある1日のスケジュール